東大の井上先生の話を小分けで紹介しています。
木材は植物でして(当り前か!)光合成をしてどんどん成長していきます。
木材も成長していく過程の中で年代ごとにみてみると、
人間と同じように若い時の方が成長度合いが大きいとのことです。
ある程度年数の経った木材は成長はしていますけれど
光合成による二酸化炭素の固定化の量と木自体の呼吸による
二酸化炭素放出量がほぼ同じ量になってしまうらしいです。
日本の原生林などで有名な白神山地など成熟しきった森は
二酸化炭素吸収の働きというよりは、二酸化炭素の貯蔵庫という
働きになっているんでしょう。
温室効果ガス(ここではCO2に限定)を減らそうとすると、気体になっている
CO2を固体化(木材)することは非常に有効なこと。
要はよく成長する森をつくってあげることが有効になってきます。
よく人工林の間伐という言葉を聞いたことがあると思いますが
まさにその作業は森のCO2固定化、吸収に一役買っています。
いま間伐と言っても、細い木材ではなく40年以上経った樹齢の間伐も
盛んになってきました。
十分建築材料として使用できる太さの間伐材です。
こうした樹齢の間伐作業も進めることで中間期の山林に活力を
与えCO2吸収の能力を活性するとともに、搬出された木材が
建築材料などに使用されて固体が気体になる時間を数十年稼ぐことで
全体総量としてのCO2削減に貢献していることになります。
豊かな山、たとえば動物や鳥など食べ物が豊富にあるような山山、
こうした山は人工林の杉檜だけの山でなくって広葉樹の天然山の
イメージがありますが、今人工林の山々もこうした広葉樹の山々に
共存できるよう手入れをおこなっている過程です。
ただCO2の吸収量だけに着目してみると
杉や桧の針葉樹は広葉樹に比べてかなり多くの量を
吸収するというデータがあります。
これは成長の度合いが針葉樹の方が大きいのでこのような
結果になるのでしょうが、現在ある人工林の山々を少しでも
早く、多く、間伐作業などによって手を入れることが最優先課題なのでしょう。
そして、その間伐作業などによって搬出されてくる木材を多くの人に
使用してもらうことがもう一つの課題になってきます。
使用されない限り、市場原理でものは流れないですから・・・
逆に言うと、木材ニーズがどんどん上がれば黙っていても
間伐は進むのでしょう・・・
ニワトリが先かタマゴが先か・・・
永遠のテーマですが、喫緊のテーマとして捉えなおさなければいけないですね!
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