まあ、不人気を承知で政府紙幣3回目です。
この問題は、スティグリッツが異端説だ、と言っているくらいなんですが、しかし、賛成するにせよしないにせよ、きちんとした、シロートにもわかる説明が欲しいですな。当局者は当局者なのだから、難しい話もシロートにわかるように、誠意をもって説明すべきです。あるいはそれができる位の実力者、第一人者が責任者であるべきなんでしょうな。
バーナンキの議会証言。実にわかりやすい。アメリカのマネすりゃ良いわけじゃ無いんですが、こういうとこ、日本の当局者も見習ってほしい、というのがパンピーの一人としては思うわけでして。
というわけで、木でハナをくくったような受け答えにはシロート目線で突っ込んだれ、というのがここで取り上げる趣旨なんですが、
さて、政府紙幣問題ときたら、どうしても通貨発行益の議論を避けては通れないようでして、ついでなんで、少しみておきます。
ネットで『通貨発行益』をググッてみると、いっちゃん最初にこの記事が出てまいります。
通貨発行益(シニョリッジ)をめぐる勘違い
『しばらく前、ある本の書評を頼まれた。かなり興味深い内容だったが、「一万円の原価は約20円。従って通貨発行益は原価を差し引いた9980円である」との部分があった。多分、勘違いだとは思うが、一万円の発行益が9980円と思っている人は意外に多い。私もその一人であったからだ。先日もある著名なエコノミストと通貨発行益の話をしていたら、「エーッ!、9980円じゃないの?、てっきりそうだと思っていた」と驚いていた』
ということは、私も、この方のおっしゃる勘違い組でして、9980円が通貨発行益だと理解しています。
そーじゃ無いっての? それ、どゆこと????
『日銀のバランスシート(B/S)を大雑把にみると、負債側に銀行券、資産側に国債がある。日銀は銀行券の見合いで国債を保有しており、国債買いきりオペが銀行券見合いと位置付けられているのもそのため。銀行券は金利コストのない負債であり、見合った国債の利子収入が通貨発行益となる。一万円だと一万円相当の国債がある格好で、この国債が10年物だとした場合、長期金利1.2%で、単純計算すると年120円が発行益となる。20円の一万円とは、世の中に出回る前に日銀の金庫に眠っている20円のコストがかかった「紙切れ」を指す。これが世に出た瞬間、日銀は1万円の負債としてB/S上に計上するわけだ』
なーるほど。つまりこういうことですね? 日銀が新たに日銀券を発行したって、それは負債にあがるんで、利益としては計上されないと。それで国債を買ったら利息が入るんで、その分は利益として計上されるけど、と。
なるほど、しかし、この説明には少し補足が必要ですな。これではそもそも通貨発行益など存在しない、と受け取られかねないわけで。
正しくは、
『日銀は、日銀券発行によって利益を上げることを許されていない』
とすべきなんじゃないですかね。
許されていないから、日銀券発行の際に負債計上させられているわけですな。許されているんなら、発行した1万円を売上に計上して、発行コスト20円を費用計上すれば良いだけのハナシで。差額は利益として残りますね。その利益が通貨発行益ということになるわけですな。
そんなことされたんじゃかないません。通貨を勝手に発行して、愛人に貢がれたり、ベンツ買われたり、風俗に通われたりでもしたら・・・。ってかたとえが偏ってますかね。
だから負債に計上させて、市中の金融資産を購入したり国債を引き受けることにしか使えないようにしてあるんでしょうな。通貨発行を儲けだと認識させたら、自由に使って良いってことになりかねないわけでしてね。
ですから、通貨発行益は存在しないのではなく、日銀においては生じさせない、ということなんですな。会計処理で通貨発行益が出ないのはその考え方を反映しているだけです。負債計上を義務づけ、資産サイドと常にバランスさせることでポッポに入れられないように管理しているんですね。
で、問題は政府紙幣なんですが、政府が紙幣を発行した場合、これは発行益が発生します、ってかそのためにやるわけですね。20円のコストをかけて1万円の政府紙幣を発行する。それで財政支出や減税に使う。使ってしまうってか使えるわけでして、発行益は歳入の部にあがるんですかな。日銀のように制限は無いでしょうからね。
以上なんですが、日銀のバランスシート。言葉だけではちょっとイメージしにくいですよね。
こちらがわかりやすいようで。
図解シニョリッジ
この問題は、スティグリッツが異端説だ、と言っているくらいなんですが、しかし、賛成するにせよしないにせよ、きちんとした、シロートにもわかる説明が欲しいですな。当局者は当局者なのだから、難しい話もシロートにわかるように、誠意をもって説明すべきです。あるいはそれができる位の実力者、第一人者が責任者であるべきなんでしょうな。
バーナンキの議会証言。実にわかりやすい。アメリカのマネすりゃ良いわけじゃ無いんですが、こういうとこ、日本の当局者も見習ってほしい、というのがパンピーの一人としては思うわけでして。
というわけで、木でハナをくくったような受け答えにはシロート目線で突っ込んだれ、というのがここで取り上げる趣旨なんですが、
さて、政府紙幣問題ときたら、どうしても通貨発行益の議論を避けては通れないようでして、ついでなんで、少しみておきます。
ネットで『通貨発行益』をググッてみると、いっちゃん最初にこの記事が出てまいります。
通貨発行益(シニョリッジ)をめぐる勘違い
『しばらく前、ある本の書評を頼まれた。かなり興味深い内容だったが、「一万円の原価は約20円。従って通貨発行益は原価を差し引いた9980円である」との部分があった。多分、勘違いだとは思うが、一万円の発行益が9980円と思っている人は意外に多い。私もその一人であったからだ。先日もある著名なエコノミストと通貨発行益の話をしていたら、「エーッ!、9980円じゃないの?、てっきりそうだと思っていた」と驚いていた』
ということは、私も、この方のおっしゃる勘違い組でして、9980円が通貨発行益だと理解しています。
そーじゃ無いっての? それ、どゆこと????
『日銀のバランスシート(B/S)を大雑把にみると、負債側に銀行券、資産側に国債がある。日銀は銀行券の見合いで国債を保有しており、国債買いきりオペが銀行券見合いと位置付けられているのもそのため。銀行券は金利コストのない負債であり、見合った国債の利子収入が通貨発行益となる。一万円だと一万円相当の国債がある格好で、この国債が10年物だとした場合、長期金利1.2%で、単純計算すると年120円が発行益となる。20円の一万円とは、世の中に出回る前に日銀の金庫に眠っている20円のコストがかかった「紙切れ」を指す。これが世に出た瞬間、日銀は1万円の負債としてB/S上に計上するわけだ』
なーるほど。つまりこういうことですね? 日銀が新たに日銀券を発行したって、それは負債にあがるんで、利益としては計上されないと。それで国債を買ったら利息が入るんで、その分は利益として計上されるけど、と。
なるほど、しかし、この説明には少し補足が必要ですな。これではそもそも通貨発行益など存在しない、と受け取られかねないわけで。
正しくは、
『日銀は、日銀券発行によって利益を上げることを許されていない』
とすべきなんじゃないですかね。
許されていないから、日銀券発行の際に負債計上させられているわけですな。許されているんなら、発行した1万円を売上に計上して、発行コスト20円を費用計上すれば良いだけのハナシで。差額は利益として残りますね。その利益が通貨発行益ということになるわけですな。
そんなことされたんじゃかないません。通貨を勝手に発行して、愛人に貢がれたり、ベンツ買われたり、風俗に通われたりでもしたら・・・。ってかたとえが偏ってますかね。
だから負債に計上させて、市中の金融資産を購入したり国債を引き受けることにしか使えないようにしてあるんでしょうな。通貨発行を儲けだと認識させたら、自由に使って良いってことになりかねないわけでしてね。
ですから、通貨発行益は存在しないのではなく、日銀においては生じさせない、ということなんですな。会計処理で通貨発行益が出ないのはその考え方を反映しているだけです。負債計上を義務づけ、資産サイドと常にバランスさせることでポッポに入れられないように管理しているんですね。
で、問題は政府紙幣なんですが、政府が紙幣を発行した場合、これは発行益が発生します、ってかそのためにやるわけですね。20円のコストをかけて1万円の政府紙幣を発行する。それで財政支出や減税に使う。使ってしまうってか使えるわけでして、発行益は歳入の部にあがるんですかな。日銀のように制限は無いでしょうからね。
以上なんですが、日銀のバランスシート。言葉だけではちょっとイメージしにくいですよね。
こちらがわかりやすいようで。
図解シニョリッジ