米国経済なんですが、最近のオバマさんの経済政策を、クルーグマンはどうかんがえているんでしょうか。で、ニューヨークタイムズのコラムを見てみると、
Who’ll Stop the Pain?
Fedの公開市場委員会の議事録のこの部分を見て固まったそうで
All participants anticipated that unemployment would remain substantially above its longer-run sustainable rate at the end of 2011, even absent further economic shocks; a few indicated that more than five to six years would be needed for the economy to converge to a longer-run path characterized by sustainable rates of output growth and unemployment and by an appropriate rate of inflation.”
参加者全員が2011年まで長期的に許容できないレベルの失業率を予想しており、もしこれ以上の経済ショックが無かったとしてもそうだと考えている。何人かは普通の成長率、失業率、インフレ率にもどるには5年なり6年かかると述べた。
What’s supposed to end this slump?
Fedがこんな調子で、じゃあ、だれがこの不況を終わらせるだ??
というわけですな。
Fed tried to revive the economy with low interest rates — but even rates barely above zero weren’t low enough to end a prolonged era of high unemployment.
フェドはほとんどゼロ金利に近いところまで金利を下げたが、この高い失業率の時代にはそれだけでは十分でない、と言っても、フェドを批判しているわけじゃなくて、金融政策には限界があるだろ、というニュアンスですね。確か、クルーグマンは日本の金融政策については批判していたはずですが、つまり日銀をですね、フェドのことは信頼しているんですな。
To be sure, the Obama administration is taking action to help the economy, but it’s trying to mitigate the slump, not end it. The stimulus bill, on the administration’s own estimates, will limit the rise in unemployment but fall far short of restoring full employment. The housing plan announced this week looks good in the sense that it will help many homeowners, but it won’t spur a new housing boom.
オバマ政権は、経済を立て直す助けにはなっているが、不況を終わらせ失業率を正常にもどすには不十分だ、とか。
これに続きクルーグマンはあれやこれや、おじいさんのお父さんの、19世紀の不況に似ているとか、いずれ経済も自律回復してくるはずだ、みたいなことを書いてますが、最後に
Let’s be clear: the Obama administration’s policy initiatives will help in this difficult period — especially if the administration bites the bullet and takes over weak banks. But still I wonder: Who’ll stop the pain?
オバマ政権が、歯を食いしばって、いくつか銀行を国有化するところまで行っても、それでも、クルーグマンは、
で、いったい誰がこの痛みを止めることができるんだ??
と言ってるんですね。まだまだ不足だ、ということなんでしょうな。
さて、ついでながら、米国の実質賃金が戻しつつあるようでして、
実質失業率
黒いラインが消費支出です。これは、米国の最も重要な経済先行指標だといわれてるんですな。
で、緑のラインをご覧いただくと、これが実質賃金なんですが、ことしに入ってあがってますよね。この実質賃金は、消費支出の最も重要な先行指標といわれているわけで(この著者によれば、ということですが)、やや気になりますな。
①失業率というのは、経済悪化の遅行指標で、これが悪くなるころには相当調整が進んでおりむしろ終盤にあたっていいる。②失業者がでて給料がもらえなくなる額よりも、はるかに数の上で優位な就労者の給与が上がるほうがずっと経済にインパクトがある、というわけで実質賃金に注目するわけですが、
ただ、今回の不況は、金融危機によるもので、金融機能がストップして通常のメインストリートが回ってゆかない、日本の失われた90年代にたとえられているわけでして、果たしてこれまでの経験則が生きるのかどうか。
実質賃金、消費支出の行方、目が離せませんな。
Who’ll Stop the Pain?
Fedの公開市場委員会の議事録のこの部分を見て固まったそうで
All participants anticipated that unemployment would remain substantially above its longer-run sustainable rate at the end of 2011, even absent further economic shocks; a few indicated that more than five to six years would be needed for the economy to converge to a longer-run path characterized by sustainable rates of output growth and unemployment and by an appropriate rate of inflation.”
参加者全員が2011年まで長期的に許容できないレベルの失業率を予想しており、もしこれ以上の経済ショックが無かったとしてもそうだと考えている。何人かは普通の成長率、失業率、インフレ率にもどるには5年なり6年かかると述べた。
What’s supposed to end this slump?
Fedがこんな調子で、じゃあ、だれがこの不況を終わらせるだ??
というわけですな。
Fed tried to revive the economy with low interest rates — but even rates barely above zero weren’t low enough to end a prolonged era of high unemployment.
フェドはほとんどゼロ金利に近いところまで金利を下げたが、この高い失業率の時代にはそれだけでは十分でない、と言っても、フェドを批判しているわけじゃなくて、金融政策には限界があるだろ、というニュアンスですね。確か、クルーグマンは日本の金融政策については批判していたはずですが、つまり日銀をですね、フェドのことは信頼しているんですな。
To be sure, the Obama administration is taking action to help the economy, but it’s trying to mitigate the slump, not end it. The stimulus bill, on the administration’s own estimates, will limit the rise in unemployment but fall far short of restoring full employment. The housing plan announced this week looks good in the sense that it will help many homeowners, but it won’t spur a new housing boom.
オバマ政権は、経済を立て直す助けにはなっているが、不況を終わらせ失業率を正常にもどすには不十分だ、とか。
これに続きクルーグマンはあれやこれや、おじいさんのお父さんの、19世紀の不況に似ているとか、いずれ経済も自律回復してくるはずだ、みたいなことを書いてますが、最後に
Let’s be clear: the Obama administration’s policy initiatives will help in this difficult period — especially if the administration bites the bullet and takes over weak banks. But still I wonder: Who’ll stop the pain?
オバマ政権が、歯を食いしばって、いくつか銀行を国有化するところまで行っても、それでも、クルーグマンは、
で、いったい誰がこの痛みを止めることができるんだ??
と言ってるんですね。まだまだ不足だ、ということなんでしょうな。
さて、ついでながら、米国の実質賃金が戻しつつあるようでして、
実質失業率
黒いラインが消費支出です。これは、米国の最も重要な経済先行指標だといわれてるんですな。
で、緑のラインをご覧いただくと、これが実質賃金なんですが、ことしに入ってあがってますよね。この実質賃金は、消費支出の最も重要な先行指標といわれているわけで(この著者によれば、ということですが)、やや気になりますな。
①失業率というのは、経済悪化の遅行指標で、これが悪くなるころには相当調整が進んでおりむしろ終盤にあたっていいる。②失業者がでて給料がもらえなくなる額よりも、はるかに数の上で優位な就労者の給与が上がるほうがずっと経済にインパクトがある、というわけで実質賃金に注目するわけですが、
ただ、今回の不況は、金融危機によるもので、金融機能がストップして通常のメインストリートが回ってゆかない、日本の失われた90年代にたとえられているわけでして、果たしてこれまでの経験則が生きるのかどうか。
実質賃金、消費支出の行方、目が離せませんな。