会計スキル・USCPA

会計はビジネスの共通語。一緒に勉強しましょ。

広瀬隆 佐々木蔵之介

2011-05-16 02:26:17 | 政治


この、やさおとこは誰か。

佐々木蔵之介???

ちゃいまんがな。

広瀬隆でんがな。
ただの小言じじいかと思っていたら、若いころの広瀬さんは、こんな顔をされていたんでした。

で、昔の動画を探してみると、アップされてます。

朝まで生テレビ!「原発」第1弾! No.01 1988-7-29 広瀬 隆


88年の朝生で、田丸さんが司会してたり、田原さんの髪が黒々としてたりで、まあ、大昔って感じですな。
チェルノブイリが86年なんで、まだまだ生々しく感じられていたころです。ソ連崩壊前で、日本はバブル真っ盛りの時代。

テーマは、原発なんですな。あまりに面白いんで、最後まで観てしまいました。
前半が広瀬さんや技術者のメンバーによる、どっちかといえば技術論。後半はメンバーが入れ替わって文化人の技術文明論にシフトするんですが、後半の議論は古色蒼然としてて、今では聞くに堪えない感じです。

前半は、これまた内容にびっくりします。

なぜか。これ、四半世紀前の議論なわけです。ちっとも古い感じがしない。

使用済み燃料をどうする。ガラス化する技術は確立されていない。生データを出せ。事故が頻発している。
六ヶ所村がまだ計画段階だ、というのでかろうじて時代を感じ取れるだけでして。

古びていないことがスゴイというより、このころから議論が一ミリも進んでいないんじゃないか、という恐怖感が湧いて来るんですけどね。

それにしても広瀬さんの議論のレベルの高さが、際立ってますな。

あたしゃ今回の地震以前、ほとんど広瀬さんのことを読んだことも聞いたこともなかったんです、というとウソになって、実は、軍需産業やら、ロックフェラーやら、経済モノについてはちょいとながめていた程度なんですが、原発ものはヒダリ系という意識があったんで読むに値しないと勝手に決めておりました。

ヒダリ系読み物は、前半の現状分析は素晴らしいこともありますが、現実的にどう対処するかという段階になる後半に意味不明になることが多くて時間とお金を投資する気になれないんですな。せめて面白けりゃいいんですが、面白くもない。

広瀬さんのような、こういう徹底した調査をやる人というのは、存在自体が貴重でありがたいです。

これほどの調査と露出があって、議論の的にもなっていながら、なんでその後、議論が一ミリも進んでいないのか、が問題なんですな。フツーなら、本が売れて、こういう番組ができて、多くの人に露出されたらば、世の中変わってゆかねばおかしい。

米国のニュースやメディアを、面白半分ですがながめていて思うのは、出てくる人達が、自分の仕事が世界を変えているという実感を持っているんだろうな、という点です。

ジャーシナリストではなくても、ジョンスチュワートや、スティブンコーベアのようなコメディアンに分類されるような人達まで、自分の仕事が世界にダイレクトにつながっていくという手ごたえを十分に感じているのは間違いないですな。現に、去年ワシントンにいって、大統領ヒストリアンのロバートデレクのレクチャーを聴いた時に、

大統領と一緒に食事した10人の歴史家  Robert Dallek

コーベアのThe March to Keep Fear Aliveと名付けられたラリー(←行進という意味のようですが、キャピトルヒルの近くで行われた集会のこと)のことを冗談で話しておられました。デレク氏も彼のショーをみていることは間違いないし、良く他のメディアにも取り上げられてます。シカゴ市長になった前大統領首席補佐官のエマニュエルが下院時代に、一年生議員にコーベアリポートにだけは出演するなと指導したという逸話が伝わってたりして。コーベアはコメディアンですが、議会に呼ばれて証言を求められたりもしました。

とにかく、注目が集まっているものには影響力が発生して、ひいては世界を動かす力になってゆく。
ウソやごまかしがあることが分かれば、その時点で信用を失って影響力も無くなる。

良いものに注目が集まって、アホな議論は最終的に淘汰されてゆく。少なくともメインストリームにアホな議論が生き残ることはない、という建前になってるようです。

広瀬さんが、こういう議論を展開してて、状況が変わらなかったんだとしたら、ちょっと深刻な感じがしますな。かつての闘士、佐々木蔵之介が小言じいさんのようになってしまうのも良くわかります
(小言ジジイというのは最近の動画をみての印象ですが)。


何をやってもだめなんだ、と広瀬さんほどの徹底した人なら思う資格ありってとこですかね。

朝ナマでの広瀬さんの立場は、とても良く考えられていて

なんでも反対といっているんじゃないんです
よく調べてもいないのに安全だなんて即座に言ってほしくないんです
我々はそういう姿勢をみてて心配になってしまうんです。
簡単に結論を出さないで、問題は問題として認識してほしいんです。
判断は市民の側が下すものです。

今も、広瀬さんは同じ立場で発言されているようで、ってか、変化がないんで立場を変える必要もないわけですな。

市民の側が下すもの、とまではハッキリとおっしゃっていないし、ちょっと違うかな。広瀬さんはご自分を市民活動家とは思っていないでしょうな。

広瀬さんがやってだめなら、だれがやってもだめだろ、と、まともなジャーナリストになろうとすることが、いかに無謀か、ということになりかねないんですけど・・・。



その広瀬さんが民主党の勉強会に呼ばれてレクチャーされてます。

広瀬隆:福島原発巨大事故 今何が必要か



20年前に呼んどけよ、ってとこでしょうか。