アムネスティさん主催のイベント 「コットンから考えるCSR~グローバル経済に潜む人権問題」 に行ってきました。マイクロクレジットや貧困問題のことをネットで調べていたらたまたま見つけて、ヒマだったので行ってみたってとこですね。
貧困問題というと、難儀で面倒な感じがするわけですが、最近は朝生で取り上げられるくらいになっているわけですね。私も『低賃金で働くということ』を読み、グラミン銀行について見聞きして以来、頭から離れなくなっておりまして。どげんかせにゃいかん、という使命感が芽生えたというのではなく、問題そのものに関心があるんですな。
貧困が構造問題であって当事者の努力ではどうにもならないこと。であればこそ,構造を変えることで貧困問題は解決可能で実績もあること。貧困問題の解決は貧困状況にある人だけでなく、そうでない人にとっても利益になること。
経済をパイの奪い合いと見るべきではなく、貧困はその戦いに敗れたことを意味しない、という主張が重要だと感じまして、これ、国内の貧困問題にせよ、インターナショナルな問題にせよ、実際的に問題を扱っている人たちの一致した見解のような気がするんですがね。ジェフリーサックス、スティグリッツ、私があれこれ読みかじる本で、最近感動するのは貧困問題にまじめに取り組んだモノが多いのですね。
911テロ以来、正邪単純で乱暴な世界観が大手を振ってまかり通り、うんざりし始めた人が多いんじゃないでしょうか。そろそろ、そのゆり戻しがきて、フツーの正当でまじめな時代になれば、貧困論は本格的な実践フェーズに移るんだ、と期待したいです。
さて、このイベントは国内問題ではなく、インドのハイブリッドコットンの種子を作るのに、インドの貧しい子供がコキ使われているぞ、学校にいけてないぞというハナシです。まったく由々しき問題で、趣旨に賛同し、意義のある指摘であります。
で、このイベントの質疑応答で面白い議論があったのでご紹介しておきましょう。
①子供を働かせて何が悪いのか
これ、剛速球過ぎて笑ってしまいましたが、会場からの質問状にこれがあったんだそうですな。そうなんですな。ギリギリの貧困にある場合、現金収入が途絶えていてメシも食えず医者にもかかれない。昨日BBCニュースでマラリアで毎年100万人からの人が亡くなっていると聞きましたがね。治療法もわかっていて先進国基準からすれば費用もかからないのに,とはジェフリーサックス。
学校に行けというのが現実的でない場合もあるんですね。子供でも現金が稼げる。これが生きる糧なる。それが生きる綱であった場合、それを人権問題でブロックすることの意味も考える必要がありますな。講師の先生もその線で答えておられました。
②ミズノさんの取り組みとハイブリッドコットンとはどうつながるのか
ミズノの法務部長さんが、CSR活動についてご説明されまして、それは、ミズノさんが海外工場の労働環境を適正なものにしてゆく活動の内容のことなんですが、それに対する質問です。
答えて曰く、原料までチェックできません。
これもストレートど真ん中で吹き出しそうになりました。当然なお答えですね。実際的な問題としてそこまでは無理でしょう。小さな会社で仕入れ先も数社というなら別ですがね。
③一方的にその工場からの調達を切った場合、もっとひどい職場が待っているかも知れない
これもミズノ法務部長さんのご説明です。ルールを厳しくして、違反工場からの調達を切ってしまえばそれで良いかというと微妙な問題もあって、工場がつぶれて,もっと環境的には厳しい工場で働かざるを得なくなるかも知れない、ということなんですね。基準以上の残業も、労働者にとっては手取りが増えてむしろ歓迎されることもある、とも。
いやはや、私としては結構率直なやり取りが会場でなされていて、ホッとしました。収益至上主義で子供の人権をないがしろにする大企業は断固粉砕、エイエイオーッのノリだったらどうしようと、行く前からちょっと不安だったんですな(←んなアホな)。
さて、先進国が人件費の安い国に生産、調達拠点を自国からシフトすることで、受け入れた国の所得は確実に増えるし、労働者も恩恵をこうむることは議論のないところでしょうが、ではその運用においてどのあたりに基準を置くべきなんでしょうかね。先進国のスタンダードと受入国のスタンダードは明らかに違うわけで、ここには議論がありそうです。
貧困問題というと、難儀で面倒な感じがするわけですが、最近は朝生で取り上げられるくらいになっているわけですね。私も『低賃金で働くということ』を読み、グラミン銀行について見聞きして以来、頭から離れなくなっておりまして。どげんかせにゃいかん、という使命感が芽生えたというのではなく、問題そのものに関心があるんですな。
貧困が構造問題であって当事者の努力ではどうにもならないこと。であればこそ,構造を変えることで貧困問題は解決可能で実績もあること。貧困問題の解決は貧困状況にある人だけでなく、そうでない人にとっても利益になること。
経済をパイの奪い合いと見るべきではなく、貧困はその戦いに敗れたことを意味しない、という主張が重要だと感じまして、これ、国内の貧困問題にせよ、インターナショナルな問題にせよ、実際的に問題を扱っている人たちの一致した見解のような気がするんですがね。ジェフリーサックス、スティグリッツ、私があれこれ読みかじる本で、最近感動するのは貧困問題にまじめに取り組んだモノが多いのですね。
911テロ以来、正邪単純で乱暴な世界観が大手を振ってまかり通り、うんざりし始めた人が多いんじゃないでしょうか。そろそろ、そのゆり戻しがきて、フツーの正当でまじめな時代になれば、貧困論は本格的な実践フェーズに移るんだ、と期待したいです。
さて、このイベントは国内問題ではなく、インドのハイブリッドコットンの種子を作るのに、インドの貧しい子供がコキ使われているぞ、学校にいけてないぞというハナシです。まったく由々しき問題で、趣旨に賛同し、意義のある指摘であります。
で、このイベントの質疑応答で面白い議論があったのでご紹介しておきましょう。
①子供を働かせて何が悪いのか
これ、剛速球過ぎて笑ってしまいましたが、会場からの質問状にこれがあったんだそうですな。そうなんですな。ギリギリの貧困にある場合、現金収入が途絶えていてメシも食えず医者にもかかれない。昨日BBCニュースでマラリアで毎年100万人からの人が亡くなっていると聞きましたがね。治療法もわかっていて先進国基準からすれば費用もかからないのに,とはジェフリーサックス。
学校に行けというのが現実的でない場合もあるんですね。子供でも現金が稼げる。これが生きる糧なる。それが生きる綱であった場合、それを人権問題でブロックすることの意味も考える必要がありますな。講師の先生もその線で答えておられました。
②ミズノさんの取り組みとハイブリッドコットンとはどうつながるのか
ミズノの法務部長さんが、CSR活動についてご説明されまして、それは、ミズノさんが海外工場の労働環境を適正なものにしてゆく活動の内容のことなんですが、それに対する質問です。
答えて曰く、原料までチェックできません。
これもストレートど真ん中で吹き出しそうになりました。当然なお答えですね。実際的な問題としてそこまでは無理でしょう。小さな会社で仕入れ先も数社というなら別ですがね。
③一方的にその工場からの調達を切った場合、もっとひどい職場が待っているかも知れない
これもミズノ法務部長さんのご説明です。ルールを厳しくして、違反工場からの調達を切ってしまえばそれで良いかというと微妙な問題もあって、工場がつぶれて,もっと環境的には厳しい工場で働かざるを得なくなるかも知れない、ということなんですね。基準以上の残業も、労働者にとっては手取りが増えてむしろ歓迎されることもある、とも。
いやはや、私としては結構率直なやり取りが会場でなされていて、ホッとしました。収益至上主義で子供の人権をないがしろにする大企業は断固粉砕、エイエイオーッのノリだったらどうしようと、行く前からちょっと不安だったんですな(←んなアホな)。
さて、先進国が人件費の安い国に生産、調達拠点を自国からシフトすることで、受け入れた国の所得は確実に増えるし、労働者も恩恵をこうむることは議論のないところでしょうが、ではその運用においてどのあたりに基準を置くべきなんでしょうかね。先進国のスタンダードと受入国のスタンダードは明らかに違うわけで、ここには議論がありそうです。