10月8日赤坂ACTシアターで、音楽劇「ヴォイツェク」をみた(原作:ゲオルク・ビュヒナー、脚本:赤堀雅秋、演出:白井晃、
音楽:三宅純)。
兵士ヴォイツェク(山本耕史)は美しい内縁の妻マリー(マイコ)と幼い息子と共にささやかに暮らしている。彼は高慢な大尉の髭を剃り、
尊大な医師の実験対象となってわずかな日銭を稼いでいるが、ある時マリーが男盛りの鼓手長と浮気していると聞かされる。ある時は怪し
げな見世物小屋で、ある時は猥雑な酒場で、ヴォイツェクの目を盗んで鼓手長と会うマリー。ヴォイツェクはいつしか奇妙な幻視と幻聴に
苛まれ、マリーへの不信を募らせていき…。
この作品はアルバン・ベルクの有名なオペラ「ヴォツェック」と同じ原作だが、戯曲の方はタイトルに「イ」を入れて「ヴォイツェク」と
することになっている由。今回初めて知ったが何ともややこしい。
主役の山本耕史は,精神的に追い詰められてゆく様を細かく工夫を凝らして表現しようとしていたが、もともとこの人は、お金で苦労した
ことがあるようには見えない「いいとこのお坊ちゃん」然なので、そもそも無理がある。ヴォイツェクは貧乏に打ちひしがれている男で、
彼の悲劇は主にお金がないことから起こるのだから。
音楽(三宅純)はクルト・ヴァイルの「三文オペラ」みたいで面白いが、歌を入れないでほしい所に無理やり歌を入れるのは興ざめ。
例えばラスト近く、妻を殺した直後いきなり歌い出されると、高まっていたこちらの気持ちがサーっと醒めてゆく…。
ベルクのオペラでは、音楽が雄弁かつ自然なので何の違和感もないが。
音楽:三宅純)。
兵士ヴォイツェク(山本耕史)は美しい内縁の妻マリー(マイコ)と幼い息子と共にささやかに暮らしている。彼は高慢な大尉の髭を剃り、
尊大な医師の実験対象となってわずかな日銭を稼いでいるが、ある時マリーが男盛りの鼓手長と浮気していると聞かされる。ある時は怪し
げな見世物小屋で、ある時は猥雑な酒場で、ヴォイツェクの目を盗んで鼓手長と会うマリー。ヴォイツェクはいつしか奇妙な幻視と幻聴に
苛まれ、マリーへの不信を募らせていき…。
この作品はアルバン・ベルクの有名なオペラ「ヴォツェック」と同じ原作だが、戯曲の方はタイトルに「イ」を入れて「ヴォイツェク」と
することになっている由。今回初めて知ったが何ともややこしい。
主役の山本耕史は,精神的に追い詰められてゆく様を細かく工夫を凝らして表現しようとしていたが、もともとこの人は、お金で苦労した
ことがあるようには見えない「いいとこのお坊ちゃん」然なので、そもそも無理がある。ヴォイツェクは貧乏に打ちひしがれている男で、
彼の悲劇は主にお金がないことから起こるのだから。
音楽(三宅純)はクルト・ヴァイルの「三文オペラ」みたいで面白いが、歌を入れないでほしい所に無理やり歌を入れるのは興ざめ。
例えばラスト近く、妻を殺した直後いきなり歌い出されると、高まっていたこちらの気持ちがサーっと醒めてゆく…。
ベルクのオペラでは、音楽が雄弁かつ自然なので何の違和感もないが。
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