ロビンの観劇日記

芝居やオペラの感想を書いています。シェイクスピアが何より好きです💖

映画「武士の家計簿」

2011-01-22 21:09:51 | 映画
先日映画「武士の家計簿」を観た(監督:森田芳光)。

原作は磯田道史の『武士の家計簿 「加賀藩御算用者」の幕末維新』。

幕末の加賀藩で、年収の約2倍の借金を負った家の下級武士が、ほぼすべての家財道具を売り払い、見えや外聞を捨てた耐乏生活を行って全額返済するという実際にあった物語。

これほど何も起こらない映画も珍しい。或る一家の日常が淡々と描かれる。

妻お駒役の仲間由紀恵は相変わらず美しく、声も魅力的。
草笛光子演じる「おばばさま」(曾祖母)は趣味が和算という知的な女性。好奇心も旺盛らしく、昔の自慢話を繰り返す息子の話をさえぎって孫に算数の問題を出すほど、頭がクリアで、ボケとは縁がない。そのせいもあろう、息子より長生きする。

息子直之は幼少の頃から母方の祖父を「与三八」と呼び捨てにする。これがまた変わった名前だから、始めは何を言っているのか分からなかった。自分より身分が下だからだろうが、江戸時代の身分制度の厳格さを思い知らされる。

主役を演じる堺雅人は爽やかさが印象的な人だが、どんな修羅場にあってもいつもと同じく爽やかな笑みを湛えているのには驚いた。個人的にはこんな人とは友達になりたくないかも。

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