ロビンの観劇日記

芝居やオペラの感想を書いています。シェイクスピアが何より好きです💖

串田版「十二夜」

2011-01-16 20:51:12 | 芝居
1月4日シアターコクーンで、シェイクスピア原作「十二夜」を観た(潤色・演出:串田和美)。

「潤色」という文字に不安を抱きつつ初日に行ったが・・・。
予感的中。天才の書いた美しいセリフがごっそり削られ、その代わりに呆れるほどつまらないセリフを加えて聞かされたのだった・・・。
音楽悪し。特に合唱がつまらない。
衣裳悪し。
サー・トービーはただもう客席を白けさせるだけ。この人は重要なのに。全然面白くない。
侍女マライアはただのヒステリックな笑い上戸。彼女自身が「今は喪に服して悲しみの最中だから、ニタニタ笑いはお嬢様の気持ちにもっともそぐわない顔つき」と言っているのだから、こんなんではすぐにクビだろう。
執事マルヴォーリオは声のかすれた弱々しい人(この人が演出家その人らしい)。威厳もなければ憎々しくもない。この男がキモなのに。そもそもこの作品では、まず公爵が魅力的で、執事が憎たらしいことが条件なのだ。公爵の方はいいが、執事がこれでは、みんなでやっつけようという気にもなるまい。
ヴァイオラ(松たか子)は可愛いが、男装したら声を低くすべきだ。高い声のままで演じるのは初めて見た。そして衣裳がいけない。あれでどうしてオリヴィア姫が惚れるのか。もちろんこれは松さんの責任ではないけれど。
歌うオーシーノー。ヴァイオラも歌う。
オリヴィア姫役のりょうという人だけはよかった。

「黄色い靴下と十字の靴下留め」を「ニワトリの格好」に変えるなんてのは全然構わないけど。
舞台では役者たちが大いに盛り上がって笑っていたが、客席はシーン・・というのは変じゃないか?理想を言えばその逆だろう。お客をほったらかしにして一人よがりもいいとこだ。

というわけで、休憩中に出てきてしまった・・。
芝居の途中で退席したのは初めてだ。

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