ふくろたか

札幌と福岡に思いを馳せるジム一家の東京暮らし

鎌倉殿を振り返る

2022年12月20日 | 日記・その他
W杯の狂騒が幕を閉じて、移籍の報道がますます増えてきた。
札幌も待望のDF補強の新聞辞令が舞い込んだが、例によって、
公式リリースまでは静観する。仕事納めの24日夜に発表して
「セイヤの贈りもの」にしてもかまわないぞ。

さて幕を閉じたと言えば、今年の大河「鎌倉殿の13人」も最終回。
18日夜は、鎌倉殿(BSの先行放送)→M-1GP→W杯決勝の
ハシゴをした人も多かったのではないか。

この最終回のラスト10分については、三谷幸喜氏が某紙の夕刊コラムに
「参考になったのは、アガサ・クリスティーのある作品」と記したことで、
放映後に「元ネタ考察」がさかんにツイートされた。
  1. 「頼家病死」のウソを失念した義時が暗殺を政子にうっかり明かす
  2. 発作を起こした義時の薬を政子が意図的に全てこぼし、義時死す
このラスト10分の流れから、ネット上で導かれた主な「元ネタ」候補は2作品。
  • 1を理由に「★★★★★★★★★」(邦題9文字)
被害者が過去の許されざる振る舞いを犯人にうっかり明かす描写がある。
(ヒント:非ポワロもの。80年に大女優を起用して映画化)
  • 2を理由に「★★★★」(邦題カタカナ4文字)
薬を遠ざけて最期を迎える主要キャラがいる。
(ヒント:ポワロものの★★の作品)

どちらも一理ある。クイーン派のワタシも一応は読んだ2作品なので、
記憶に照らしてもおかしいところはない。
ただ、1については、クリスティーよりも古畑任三郎の下敷きとなった
刑事コロンボ「逆転の構図」(キミ、今の見た?)がむしろ重なった。
加えて、三谷大河の「過去の振る舞いのうっかり暴露」はこれが初めてではない。
「新選組!」でも芹沢暗殺を土方がうっかり明かして永倉激怒という回があった。

今回のラスト10分は、元ネタを深掘りしても、かえって興が削がれるように思う。
母としての復讐。姉としての救済。それらがない交ぜになった政子の振る舞いを
ストレートに味わった方がよいような。さらに言えば、
義時が修羅の道を進む始まりは、伊豆の流人にひと目ぼれした政子の激情だった。
義時を主人公に見せて「政子に始まり政子に終わる」 それが今年の大河だったのでは。