湧水シリーズその2は、市の中心市街地の北部にある砂山ビーチにほど近いところに位置する
「成川井」 読み方は「ナズゥカ ガー」
この井戸は宮古島の地形と地質を理解する上でモデルとなる爺おすすめの井戸です。
島に降った雨は、地表の保水力が弱く弱アルカリ性の表土(隆起サンゴ礁石灰岩土壌:島尻マージ)を通って、その下の琉球石灰岩に達します。
この琉球石灰岩は、小さな隙間が無数にあるサンゴ礁の働きで形成された岩で、雨水を浸透させます。
浸透した雨水は、その下にある「島尻層」と呼ばれる不透水性の岩盤に達します。
浸透する場を失った雨水は、岩盤の上を右往左往しながら地下水流となり、島尻層が海岸部で露出しているところで最後は海に向かって流れ出ます。
この地下水流が断層によってできた水盆を下流部でせき止めたのが後に出てくる「地下ダム」という技術なのですが、ここではその地下の様子を目の当たりにできるというわけです。
キビ畑の中の農道を進むとこんもりした林の切れ目にその入り口はあります。
ここを進むといきなり鍾乳石が現れます。
その下の岩盤が島尻層でこの上に地下水流が流れています。この島尻層は、泥岩層でその源は中国大陸東海岸に堆積した砂や泥の層でその厚さは1000m以上になるところもあるといわれています。
この泥岩層が隆起してサンゴの生息条件が整い、160万年くらいかけて隆起沈降を繰り返しながら堆積したサンゴ礁が隆起したのが南西諸島誕生の経緯です。
この井戸は今も清水が湧き出ており、地域の人たちが貴重な水を信仰の対象として守ってきた歴史があります。
この井戸も史跡指定や文化財指定もなく、見学者が自分で調べるしかない自主学習タイプのみどころです。
といってもたいていの人はここに来れないからいいのか。
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