カウンターサービスが終了してしまいました。

何か違う企画でうき特製のお菓子をお送りします♪



勘九郎襲名披露、今度は昼の部に行って来たなり~







わたくし、またこんなところにおりました。(笑
昼の部の「伊勢音頭恋寝刃」がとても良いという評判を聞いて、やはりこれは観なければ!とマリ造行って来ました。
ほんと、2人共おっちょこちょいです。
11時開演と言うのに、2時間前に家を出て10時には着いておりました。
もうどんだけ嬉しがってるねん!ってね。ハハハ。
開場まで時間があったので近くのドトールでお茶をすることにしたんですけど、これもまた何を血迷ったかモーニングを注文してしまったんです。
あんた、朝ご飯は食べへんやん!
何かねー、メニューの写真を見てたら、食べなきゃ損な気になってしまったんです。
お昼の観劇にはサンドウィッチって決めてるのに、何してんねん。
おまけに慣れない朝ご飯を食べて気持ち悪くなるしで、己の目の卑しさと目先の損得勘定を呪いましたわ。

今日の席は14列目の正面でした。
私、本当は花道側が好きなんだけど、ここは舞台全体を正面から見渡せるから良いですな。
昼の部の演目は
一、八重桐廓噺 ~嫗山姥~
・八重桐-中村時蔵 ・源七(坂田蔵人)-中村扇雀
二、蝶の道行
・助国-尾上菊之助 ・小槇-中村七之助
三、伊勢音頭恋寝刃 ~油屋・奥庭~
・福岡貢-中村勘九郎 ・喜助-片岡仁左衛門 ・お鹿-市川左團次
・お紺-尾上菊之助 ・万野ー尾上菊五郎 ・今田万次郎-中村扇雀


一幕目の「八重桐廓噺」は所謂金太郎のおっかさんの話と言われてるんだけど、ストーリーは突っ込みどころ満載なのよ。(笑
煙草屋源七ちゅう遊びも話も上手い調子がええおっちゃんは、実は親の仇を討とうと機会を狙ってる坂田蔵人ちゅう武士なのよ。
んでもって、その大義名分のために八重桐ちゅう花魁を捨てたのね。
捨てられた八重桐は歳も歳だし、リストラに遭って恋文の代筆なんかをやって何とか生計を立ててるわよ。(笑
↑手紙を張り合わせたみすぼらしい着物を着てたりする。
偶然八重桐が武家屋敷の前を通ったら、自分を捨てた坂田の声がするの。
もしやと思って、「めっちゃ情熱的な恋文を書きまっせ」と屋敷に向って大声で宣伝すると、興味を持った姫が「中に入れ」と招き入れる。
あらまー!やっぱり、そこには本当に坂田がいるじゃありませんか。
八重桐は坂田へのあてこすりで、オダマキゆう花魁と坂田を取り合って喧嘩した話を面白おかしく姫に話すのよ。
まぁ、この場面の時蔵さんは喋る踊るで大変よ。(笑
年増女の役は、七之助さんや菊之助さんじゃなくて、やっぱり時蔵さんね。
姫は八重桐が気に入って、「奥でもっと話を聞かせてちょうだい」」と招き入れようとするんだけど、そんなことをされたら坂田はたまったもんじゃない。
だからさぁ、「わしゃ、親の仇を討つために君を捨てたんだ」と言い訳がましいことを言って、ここで八重桐を退散させようとするの。
八重桐は「あんた、何言ってんの?親の仇ならあんたの妹が取ったわよ」
坂田、「ええーっ!知らんかったわ」ってなもんよ。
ったく、なんて間抜けなんだ?
そこに突然坂田の妹現る。
なんでやねん!あんた、どっから来たんや?
つうか、何で兄ちゃんがいるところを知ってるんや?
知ってるんやったら、あだ討ちするときも誘ってやったらええやん。
どんだけ根性悪いねん。
「兄ちゃん、ほんまに私が親の仇を討ってんで」と。
坂田、親の仇は妹に取られるわ、主君の役には立たんわ、とあまりの情けなさに切腹しちゃうの。
なんでやねん!
死に際に「自分の魂は八重桐の体内に宿って強い男の子が生まれる」という言葉を残して死んじゃうの。
↑生まれた男の子が金太郎、つうわけ。
あんたはキリストの父かい!
そして、何でか知らんが、屋敷の姫に好意を寄せている嫌なヤツ&その一味と八重桐が派手な立ち回りを始めるの。
何で自分には関係ないヤツと命を掛けて戦わなあかんねん!
八重桐勝利で幕引き。
なんじゃ~、このストーリー。(笑
歌舞伎に話の整合性なんか求めたらあかんってわかってるけど、それにしても突っ込まずにいられない、私の性分。
ハハハ。
しっかし、坂田役の扇雀さんはシュッとしたハンサムで、その上めちゃくちゃ滑舌がいいもんだから見てて気持ちよかったわ。
扇雀さんって、藤十郎さんの息子さんなのね?つうことは、つまり扇千景さんの息子さんってことよね?
お母さんに似てるよ。

幕間は予約しておいたサンドウィッチ。
ここのコーヒーは金粉が浮かべてあるのが自慢。
しかし、埃か金粉かわからんくらいなもんが浮かんでましたわ。
何だろうねぇ、見てて悲しくなるよ。

慌しく幕間を過ごし、二幕目の「蝶の道行」の舞踊ね。
もうこれはただただ七之助さんと菊之助さんが美しかったわー。
まず冒頭は真っ暗な中、蛍光の蝶が2頭飛んでいるという幻想的な場面から始まるの。
まぁ、簡単に言うと、ロミオとジュリエットがお互いを思いながら死んで、蝶に生まれ変わるものの、その命は儚くて、というところかしら。
上手いのは死後のお花畑、地獄の責め苦、強弱を上手く繋いで愛は永遠ではない悲しさを表現していること。
着物も蝶が本当に飛んでいるような動作に見えるように仕立てられてて、大袈裟なじゃなく本物の蝶に見えたよ。
やっぱり美しいものはいいねー。

2回目の幕間はやはりモナカでしょう。(笑
秋限定の栗モナカを食べてみました。
確かに栗の味や香りが微かにするんだけど、ちょっと物足りないかな。
それにめちゃくちゃ甘い。
やっぱり抹茶が一番だな。

さ、楽しみにしていた三幕目の「伊勢音頭恋寝刃」
関東では、この演目は音羽屋さんのお家芸なんですね。
何だろ、芝居自体は面白いんだろうだけど、どうにもこのストーリーが好きになれないわ。
だってね、主人公があまりにアホなんですもの。
貢は主君のために”青江下阪”ゆう名刀と折紙(鑑定書)を手に入れようとしてるの。
刀は手に入ったんだけど、折紙はどうしても手に入らないのよ。
油屋ゆう遊郭にいる客が持ってるということで、何とか手に入れようと連日恋人のいる油屋に通うんだけど、仲居のやり手ババア(菊五郎さん)に
「あんた、ど厚かましいわね。タダでここにいられちゃ困るわよ。誰か指名しなさいよ」言われて、
「じゃ、誰かを頼むよ。誰でもいいよ」と適当なことを言っちゃうの。
そこで、刀を預けなくちゃいけなくなって、料理人の喜助に預けるんだけど、折紙を持ってる悪いヤツが”青江下阪”をなまくら刀にすり替えちゃう。
その一部始終を見てた喜助は差し替えようとするんだけど、何故か偽物と本物を間違って渡すことにすればいいじゃん!と思い付くのよ。
喜助は貢の父親の元奉公人で味方なんだけど、さっさと差し替えてりゃあ、後々問題が少なくて済んだのにさ。
しょうもないことを思い付くなや!ってね。
刀を預けた貢は女性と遊ぼうとするんだけど、やり手ババアは遊郭一の醜女・お鹿(左團次)を貢にあてがっちゃうのよ。
↑左團次さんの醜女ぶりサイコー!!(笑
あんた、ちゃんと意思表示しないからいけないんだよ。
お鹿に「あんたとはぎょうさん手紙をやり取りしてるし、もう私達恋人同士よね。ムフフ」
なんて言われて、貢は???
そこに何故か恋人・お紺と客(悪いヤツ)が入ってきちゃう。
お紺が「私というものがありながら、これはどういうこと?」と怒り出すと、お鹿は「私はこの人にお金も貸してるし、ええ仲やねん」と。
実はやり手ババアと悪いヤツが結託して、貢の名前でお鹿に手紙を書いたり、お金を騙し取ったりしてたんだけど、貢がその罪を着せられちゃう。
当然貢は言い訳をするんだけど、誰にも信じてもらえないのね。
遂にはお紺からも縁切りを宣言されちゃうのよ。
もうこの男アホでさぁ、客観的な証拠を集めろや!ゆう話なんよね。
いやいや、集めたら芝居が成立しませんからぁ~。(笑
で、「もうええわ~」と自暴自棄になって遊郭を飛び出す。
もちろん刀は偽者に見える本物を渡されたの。
それなのに、このドアホウは「偽物や~、本物はどこだ~??」ゆうて、本物の名刀でやり手ババアや関係ない人を次々斬っていっちゃうの。
罪のないただ醜女ってだけのお鹿までも斬っちゃうのよ。
も~、信じられへんわ。
そらね、殺陣は素晴らしかったよ。
しかし、この猟奇殺人の正義は何?
お紺が現れて、「あなた、さっきの縁切りは折紙を手に入れるための演技だったの。悪いヤツらを油断させようと思ったの」
ってさぁ、そんなんわからんって!
そこに喜助も現れて、「それは本物の名刀でっせ。折紙も手に入ったし完璧ですなぁ。あっぱれ、あっぱれ」って。
オイオイ、それないやん。
だいたいやねー、人を何人も斬っておいて、本物かなまくら刀かわからんようなヤツって、フツーおらんやろ。
それにやで、あんたの勘違いで殺された人はどうなるねん。
「わしゃ、えらいことしてしもうた」ゆうて自害するのがほんまやろ。
刀も折紙も手に入っためでたしめでたし、で幕引きって。
ポカーンとしちゃったよ。
菊五郎さんや左團次さんベテランの遊び心溢れるお茶目な演技もよかったし、勘九郎さんも熱演さなってたと思う。
だけど、何だか後味の悪い話でしたわ。
↑実際に起こった話を題材にしたらしい。
って!あくまでも芝居ですからぁ~。


コメント ( 0 ) | Trackback ( )