我が家のなつかしい思い出話をー
教員として働いていたわたしは、紺屋の白袴というか、子どもたちには何もしてやれませんでしたが、ひとつだけ続けてきたことがあります。 それは、毎晩寝る前に本を読んで聞かせることでした。 子どもたちはわたしの読み声を子守歌代わりに聞いて育ったのです。
子どもたちと一緒にわたしもそのまま寝てしまい、夜中に起き出しては翌日の教材研究やら、レポートやらを書き上げる日々が、ぶじこが1歳の時から下の子が10歳になるまでほぼ毎日続きました。
困ったことに子どもたちはお父さんの読み声では眠れないようになり、夜の会合や懇親会の時には10時過ぎまで起きているようになってしまいました。 ですから、わたしは、楽しく盛り上がった懇親会の2次会に行くこともなく、飛んで帰っていたものです。
その読み聞かせで大活躍した福音館の月刊絵本「こどものとも」 。
年少版を定期購読し始め、やがて年中版とこどものとも、かがくのとも3冊を定期購読するようになりました。 3冊買っても1000円でおつりが来るほど廉価で、しかも質の高い絵本が毎月届きました。
中でもすぐれたものは傑作集としてハードカバーになり、「ぐりとぐら」のように40年以上も読み継がれているものや、「おおきなかぶ」「スーホーの白い馬」のように教科書に掲載されたのもあります。
その「こどものとも」絵本の原画展が県立美術館で開かれています。
娘たちと行ってきました。
15人の画家の16作品。 それぞれ、絵本1冊分の原画が展示されています。
ああ、これ、うちにある~
「おかえし」 織茂恭子絵
「石のししのものがたり」 秋野亥左牟絵 この人「とうもろこしばあさん」も描いてるよね。
「どろんこおそうじ」 さとうわきこ絵 ばばばあちゃんだー
この人の絵、ほかの本がうちにあるね~
「ぱんのかけらとちいさなあくま」 堀内誠一 ピトシャンピトショ(「ふくろにいれられたおとこのこ」)描いた人よね。
「まゆとりゅう」降矢なな絵 「めっきらもっきらどおんどん」と同じ絵じゃない?
「ごろはちだいみょうじん」 梶山俊夫絵 「さるとびっき」がうちにある。
新しい絵本は読んだことがなかったので文章もしっかり読みました。 「ぱんのかけらと・・・」 最後の結末のおもしろさにわらいころげ、「くものすおやぶんのとりものちょう」の精緻な昆虫の絵に驚嘆し、「とまとさん」の表情のゆたかさに感心し、「らっこちゃん」の絵にほんわか気分になって本当に楽しいひとときでした。
その娘たちが一番気に入ったのは、
ナンセンスな絵と、わけのわからないストーリー。 でもいろいろなことを絵から発見しておかしさがこみあげてきて、空想がどんどん広がっていく・・・・さすがに、娘たちは絵本の楽しみ方を知っている!
車の中でも好きだった本の話で盛り上がり、家に着くなり図書室へ直行していました。
現在子育て中で大変な思いをしているお母さん、お父さん、もしいらっしゃったら、子どもと過ごす時間を一緒に楽しんでくださいと言いたいです。 今振り返ってみると、人生の中で子どもと共有できた時間はとても短いものでした。 もう2度とあの時間は帰ってこないけれど、こうして懐かしく語り合える思い出があるということは、親にとっても子にとっても幸せなことだと思うから。