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カポーティ


監督 ベネット・ミラー
出演 フィリップ・シーモア・ホフマン キャサリン・キーナー クリス・クーパー クリフトン・コリンズJr 

 1959年11月15日。カンザス州ホルカムで一家4人惨殺という凄惨な事件が発生した。この事件を知った作家トルーマン・カポーティは小説にしようと現地に取材に訪れる。第一発見者、担当刑事などを取材していくうちに二人の容疑者が逮捕される。カポーティはそのうちの一人ペリーと留置場で面談。その後彼をたびたび面会して取材を進める。
 裁判が始まり一審は有罪死刑。ペリーをもっと取材したいカポーティは有能な弁護士を紹介して、裁判を最高裁にまで持ち込み死刑執行の延期に成功する。おかげで取材は進み、新作「冷血」の執筆は進む。
 しかし最高裁から控訴棄却が下され死刑が確定。執行日も決定した。このころにはペリーの死刑回避に情熱を燃やしたカポーティの心境に大きな変化が。そして死刑執行の日が来た。
 ペリーはカポーティに心をゆるし素直に面会に応じカポーティの執筆の大きな助けとなる。最後まで口を閉ざしていた犯行当時の具体的な証言までカポーティにする。ところがカポーティはペリーに何度聞かれても新作のタイトル「冷血」を、題名はまだ決まっていないとウソをいっていわない。
 この映画は「冷血」とは犯人のことか作家カポーティのことか、どちらを指すかが大きなポイント。カポーティ自身はペリーにタイトルをいわなかった所を見ると犯人を指してつけたタイトルだろう。ところが映画を観ている観客は「冷血」とはカポーティ自身のことかも知れないと思えてくる。
 カポーティはある程度ペリーに感情移入して取材している。こんなセリフがある。「私と彼は同じ家で生まれた。彼は裏口から家を出て、私は表玄関から出た」自分の境遇と殺人犯ペリーの境遇を重ね合わせている。また、死刑執行直前には涙まで流している。
 しかし、作家が取材対象に過度の感情移入をすればロクな作品はできない。「冷血」はカポーティの最高傑作でありノンフィクション小説という新たなジャンルを創設した作品とされている。従ってカポーティがペリーを取材対象として作家の冷徹な目で見ている事もこの映画は描いている。ペリーの死刑の時期を自分の執筆の都合で延ばしたり早めたりしている。人間一人の生死を左右してまで作品を仕上げようとしたのだ。また、カポーティは被害者の遺体を見たときは涙を流さなかったがペリーが死刑になるときは流した。
 はたして「冷血」とはどちらのことだろう。ちなみにカポーティは「冷血」以後完成した小説は書いていない。そして酒に溺れて酒で死ぬ。
だれが「冷血」だ。
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8月19日(日) チキンドリア

 
 昼はチキンドリアを作る。小麦粉、バター、牛乳でまずはホワイトソースを作る。小鍋を火にかけるより、電子レンジを使った方が簡単で失敗がないから小生はいつもそうしている。
 次にチキンライス。玉ねぎをバターで炒めて、透き通ったら鶏肉を入れる。オムライスの時は胸肉を使ったが、今回はモモ肉を使う。肉に火が通ったらミックスベジタブル、マッシュルームを加えて、ご飯を投入。塩、こしょう、ケチャップで味付け。
 グラタン用の耐熱皿の内側にバターを薄く塗る。そこにチキンライスを入れてホワイトソースをかける。パルメザンチーズを振って200度のオーブンで15分ほど焼く。
 猛暑のお昼に熱々のドリアを食べるのもまた一興かと。
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8月18日(土) 親子丼

 
 親子丼は丼物の基本。丼物を作る技術が一通りそろっている。丼は昼飯などに手軽に食べられ、作るのも手軽に作れるがなかなか奥が深い料理だ。
丼物の三要素、飯、具、汁のそれぞれが美味しく、また、三要素のバランスが大切である。
 特に難しいのが飯と汁のバランス。牛丼屋などでは「つゆだく」と称するリクエストを受けているが、あれには小生は疑問に思う。丼物には丼物の最適な汁の量がある。汁でダバダバになった丼物は丼物ではない。汁かけ飯である。丼物と汁かけ飯は違う。丼の底の方の飯粒がちょっと濡れるぐらいの汁の量が一番美味しいのでは。
 親子丼だから卵でとじる。この卵という素材。あらゆる料理の素材の中で、一番扱いが難しい素材なのでは。また、卵ほどプロとアマの技量の差がでる素材もないだろう。小生は料理を趣味として20年近くなるが、しょせんアマの休日料理人。いままで満足のいく卵の扱いをしたことがない。
 親子丼の卵は、器に割入れた卵をかき回さずに、白身と黄身が分離したまま熱した割り下に流しいれる。どこで火を止めるかは勘としかいいようがない。
 丼物は本当に奥が深い。

阪神VS広島。阪神快勝。能見完投完封。能見よう投げた。えらい。広島さんには悪いけど黒田の投げへん広島にはきっちり勝っとかなあかん。JFKも休めたし、巨人も中日も負けた。実に結構な今日の1勝。巨人さん、なんやごちゃごちゃしてるみたいでんな。しっかりせなあきまへんで。
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8月17日(金) 秋を想う

 
 連日猛暑が続いているが、空の雲はもう秋の雲である。いくら暑い暑いといっても、この暑さも永遠に続くわけではない。季節は確実に流れている。空は秋を迎える準備を整えつつある。
 地蔵盆も終わると、風の中に秋の気配を感じる。あちこちで死んだクマゼミを見かける。あれだけシャーシャーと盛大に鳴いていたクマゼミたちも土中に、あるいはまた最近では、光ケーブルの中に次代を残して去っていく。
 しばらくしたら、ツクツクホウシが夏への別れを告げる。そうこうしているうちに、足元の草むらからコオロギの鳴き声が。季節は巡る。歳も取る。     
なにほどの結果を残さぬまま馬齢を重ねる自分に、慙愧の念少々あり。残暑厳しき今日このごろ、秋を想う。
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8月16日(木) 葷酒山門に入らず?

 禅宗のお寺の門の前には「葷酒山門に入らず」と書いてある。これはニラ、ニンニクなど精の強い野菜や酒は門に入ることは禁止するとのこと。これらの野菜を食べると元気になる。若い修行中の僧が元気になりすぎると、なにせ健康な成人男子のこと余計なモヤモヤが出て修行の妨げになるという理屈。これ、少し底が浅いのでは。その程度のことで煩悩に悩み、悟りに至らぬ修行しかしていないのか、この寺は、となる。
 むしろその逆で、精のつくものをどんどん食べ、毎晩酒盛りし、毎夜毎夜AVビデオの上映会をやり、時々AV女優をゲストに呼んでナマを鑑賞させてもらい、インターネットのすけべサイト見放題。という環境に修行僧をおいて、それでも無念無想を貫き煩悩を振り払い悟りの境地に達してこそ本物の修行というものだろう。
 だいたい特別な環境でする修行は本物の修行ではない。しっかりした意志さえあれば日常生活で修行は充分できる。例えば本気でダイエットに励んでいるご婦人がたは、ある意味禅宗の坊主より意志強固なのでは。ダイエットは要するに、入るを減らし出るを増やしたらいいだけのこと。別にビリーのおっさんに教わらなくても、このことを実行すればいいだけ。とはいうものの小生は食いしん坊の意志薄弱者につき、中性脂肪は一向に減らないが。
 禁煙するにしても意志の力だけで禁煙する。毎日一万歩歩くなら歩く。宗旨は違うが、比叡山の大阿闍梨の千日回峰のごとき修行をしなくても、ちょっとした心構えさえあれば日常生活で修行は充分できる。なにかと誘惑の多い日常生活でしてこそ本物の修行だろう。
 ネイティブアメリカンのある部族の族長を選ぶ儀式にこんなのがある。口に水をふくんで、炎天下の砂漠を長距離走る。この長距離走はタイムを競わない。ノドの渇きに耐えかねて口の水を飲んでしまった者は失格。ゴールしたあと一番多く水を残していたものが族長の後継者となる。

阪神VS中日。阪神負け。今日の負けはくやしい。井野とかいうおっさんやったかな、2塁審判。きょうはあのおっさんに負けたな。こら、井野、よう見とけ。あれはセーフじゃ。ぼけ。

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8月15日(水) 墓参り

 午前中、墓参りに行く。盆、彼岸と墓参りは欠かさず行っている。墓といえば阪神大震災直後、墓の様子を見に行った。小生の家の墓は西宮にあるが、ほとんどの墓石が倒れていた。うちの墓石も倒れていた。直ちに墓石を購入した石材店に出向き修復を依頼した。よう墓まで気が行ったな、と親戚たちにほめられた。
 今日も暑い。こんなことをいうと夏バテで苦しんでいる人にしかられるかもしれないが、小生は平気。家でも勤務先でもクーラーをしていない。40度を越しても平気。そのかわり寒さに弱い。ちょっとでも寒くなると、パッチ履いてベスト着て、むくむくのクマさんになる。

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8月14日(火) キップの取り方

 カンカン照り。王子スポーツセンタープールへ行く。小1時間ほど泳ぐ。ここへ泳ぎに行く時はいつもJRで灘まで行ってそこから歩く。
 JRは定期を持っているが、あいにく期限が切れていて買い忘れていた。キップで乗った。帰りはどうせキップを買うので気分を変えて阪急で帰る。いつものICOCAだと機械にピッとするだけだが、キップは機械のスリットに入れなくてはならない。気がついたのだが機械のキップの取り方がJRと阪急では違う。
 JRはスリットにキップを入れると「キップ、早よ寄こせ」といわんばかりにピャとひったくる。キップを少しでも入れると強い力でキップを吸い込みよる。阪急はこの力が弱い。「早よ寄こしてえなあ。早よ寄こしてえなあ」といって、キップを持ったままだと、ねのねのねのして機械がキップをなかなか吸い込まない。手から離すと「おおきに。おおきに」といってキップを吸い込む。
 こんなことでも二つの鉄道会社の性質がわかる。

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ある重大犯罪

「またまたクローンによる犯罪です。Aさんの容疑は晴れました」
 連続強盗殺人犯として拘留されていたAさんが釈放され、入れ替わりにAさんと同じ顔をした男が逮捕された。二人は同じ顔というより同じ人間といった方が正解。なぜなら真犯人はAさんのクローンだから。
「この事件の背景には大きな人間偽造グループが存在する思われます。個人細胞の厳重な管理が必要です。なおAさんには細胞漏洩罪により罰金七〇万円が課せられました」
 俺は爪を切りながら観ていたテレビを消した。そんなこというが個人細胞の完璧な管理なんて不可能だ。細胞なんかどこかで必ず剥離する。もし自分のクローンが作られたら、その時は身の不運とあきらめるさ。
 そう思いながら爪きり専用シートをたたみ始めた。そのシートは先月、昭和製薬から新発売された「ツメぱっちり」という製品。爪きりは爪きり専用シートの上で行わなければいけない。万が一切った爪のごく一部の細胞が外部に出ると、そこからクローンが作られ犯罪に使われる。この新製品で切った爪を包むと、従来の製品に比べて剥離細胞の飛散を大幅に防ぐことができる。説明書に従って「ツメぱっちり」で爪を包んで家庭用細胞焼却炉に入れる。まったく爪一つ切るのもめんどうなことだ。クローン技術なんて余計なものが発達するから、どんな小さな細胞の破片からでも人間一人偽造できるようになった。
 さて出かけよう。今日は午後からの出勤。出社する前に散髪して、昼飯は駅前で食おう。
 行きつけの散髪屋に着いた。おや、閉まっている。これは困った。散髪はあらかじめ役所に届けている散髪屋でないと散髪できない。俺はこの店で散髪すると区役所に届けてある。
 いうまでもないことだが、散髪すると髪の毛を大量に切られる。切った髪の毛は国家試験に合格した毛髪管理士が法律に定められた手順に従って処理する。この毛髪管理士は理髪師と兼任することはできない。だから理髪店を開業するには理髪師と毛髪管理士の二人の資格所有者が必要。
散髪屋の隣のラーメン屋で聞いた。なんでも昨夜壮烈な夫婦喧嘩をしたらしい。この店は主人が理髪師、奥さんが毛髪管理士の資格を持っているが、奥さん、喧嘩のあげく出て行ったとのこと。で、今日は店はお休み。しかたがない。この店が再開するのを待つか、使用理髪店変更届を区役所に出して別の店で散髪をやってもらおう。
 駅前の定食屋。とんかつ定食を食べる。満腹した。お腹に物を入れると出したくなるのは自然なこと。大をもよおしてきた。
 テーブルのメニューの横にある排泄物処理依頼書を取った。
 住所、氏名、年齢、性別を記入する。いかん、もれそうになった。しかし、この書類を作成しなくてはトイレに入れない。えーと、大、小、大にマル。食後三〇分以内にマル。処理方法、焼却処理にマル。うう、がまんできなくなった。必要項目をすべて記入。
「おやじ。トイレ貸してくれ」
 店の主人は俺が出した書類に目を通しハンを押してくれた。
「どこだ」
「向かいです」
 道路の向こうに区役所の出張所がある。店の前の横断歩道で信号待ちをする。なかなか青にならない。もれそう。青になった。走って出張所にかけこんだ。
「トイレですか」
「そうだ急いでくれ」
 俺は窓口の女に書類を出した。女は書類に目を通していった。
「ああ、これは大便用ですね。私は小便担当です」
「大便担当者は」
「いま席を外しております。少しお待ちください」
 ううううう、くくくく、ももももも。
 コンビニ弁当をぶら下げた男がのんびりと帰ってきて女の横に座った。
「ぼくの好きなチキンナンバン弁当がなくてね。あ、うんこですか」
 男は俺から書類を受け取ると目を通し磁気カードをくれた。俺は磁気カードをひったくると大あわてで店に帰りトイレのドアのスリットに磁気カードを入れた。トイレのドアが開いた。ゆっくりと。うがががが。ぐぎゃあ。
 俺はその日は会社に行けなかった。今は拘置所で裁判をまつ身となった。不規則排泄の罪で逮捕されたのだ。
 あの時、結局、間にあわなかった。盛大にもらしてしまった。そんな物が犯罪組織の手にはいるとどんなことに使われるか。おもらしは重大犯罪なのだ。

 
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航路

コニー・ウィリス 大森望訳 ソニーマガジンズ

 主人公はデンバーの大病院に勤める認知心理学者。ジョアンナ・ランダー。カーデガンに眼鏡がトレードマークの若い女性科学者。彼女は臨死体験の研究者。彼女の天敵はとんでも系ライターのモーリス・マンドレイス。彼に先に被験者に取材されてしまうと被験者が先入観を持ってしまうため科学的なデータが取れない。ジョアンナとマンドレイスは巨大病院を舞台にどたばたと鬼ごっこを繰り広げる。また、ジョアンナの協力者、被験者が行き違い、すれ違いを連発。大病院は上を下への大騒ぎ。読者は振り回される。
 被験者を使った実験が気に入らないジョアンナは自らを被験者として、擬似臨死体験ができる薬品を服用する。そこでジョアンナが見たものとは。
 大作だがスラスラ読めた。非常に読みやすい。ページがどんどんめくられて行く。ウィリスのテクニックがさえわたった作品である。うまい。術中にはまてしまう。
 2部のラストでびっくりする。こんなのアリかと思う。少々掟破りっぽい感じがするが、テーマがテーマだけに許せるのではないだろうか。
 ともかくこれだけ長い作品を一気に読ませるウィリスに敬服する。傑作エンタティメントSF。
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8月13日(月) 国産のマツタケが食べたいな

 近くのスーパーに買い物に行ったらマツタケが売っていた。今年はじめてマツタケを見かける。中国産。いくら貧乏人とはいえ1年に1度はマツタケ料理をする。もちろん外国産。それでもあまり量は買えないから、土瓶蒸し、マツタケご飯、天ぷらといったメニュー。
 毎年中国産を買っていたが、いま中国産の食材はなにかと問題だから、今年は中国産を敬遠しよう。できたら国産がほしいところだ。たしか京都の寺町にマツタケ専門店があった。サマージャンボ宝くじが当たったら、あそこへ丹波産のマツタケを買いに行こう。
 昔はマツタケをもっとふんだんに食べられた。父は電機会社を退職したあと小さな工場を経営していた。学生時代、小生も手伝った。
 毎年秋になると従業員の慰安会があって小生も参加した。行き先はいつも三田の山奥のマツタケ山だった。マツタケ狩をしてカゴいっぱいマツタケを土産にもらい、マツタケがたっぷり入った三田牛のすき焼きを山中で食べた。あのすき焼きおいしかったなあ。
 親父は21年前に亡くなり、小生は親父の会社を継がなかった。工場の跡地は高速道路が通っている。三田にもしばらく行ってない。あのころは三菱電機三田工場に毎日行っていたが。考えてみたら国産のマツタケを食べたのはあれが最後だったかもしれない。

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UDON

監督 本広克行
出演 ユースケ・サンタマリア 小西真奈美 トータス松本 鈴木京香 

 小生が所属しているSF同人誌で3題話という企画をやった。三つキーワードを決めて、そのキーワードを織り込んだショートショートを競作しようというもの。何人かの同人が書いた。小生も書いた。なかなか面白い企画だった。同じキーワードを使っても人それぞれまったく違うことを考えるものだ。
 うどんの麺の材料は小麦粉、塩、水、の三つだけ。香川県は日本最少の面積の県でありながら900軒のうどん屋があるとのこと。一軒一軒それぞれ特徴のあるうどんなのだろう。同じ材料でも作る人が違えば違うものができる。大変に興味深い。
 松井香助はコメディアンになる夢破れニューヨークから故郷香川に舞い戻る。ひょんなことから作家志望の若い女性ライターの宮川恭子と知り合う。
 香助は親友庄介の紹介で地元香川のタウン誌「さぬき」に就職する。恭子も同時に同誌の編集部に入る。香助が企画した連載「さぬきうどん巡礼」が大当たり。同誌は部数を大幅に増やし、全国的な讃岐うどんブームが巻き起こる。香助+恭子のコンビは人知れぬうどんを求めて香川中を駆け巡る。
 やがてブームも終焉。タウン誌「さぬき」も廃刊となった。と、同時に香助の実家で大きな異変が発生。香助は重大な決意をする。
 ブームの発生、絶頂期、沈静期、そして終焉の行程をわかりやすく描いている。まるでマーケティングの教科書を読んでるみたい。讃岐うどんは昔からあり今もある。一時のブームで出たり引っ込んだりするものではないと思うのだが。ラストでそのあたりをきちんと押さえてあるのは好感が持てる。ただ、良いうどん屋=行列のできるうどん屋という、一元的な見方はうなずけない。よいうどん屋を表現するのに別の表現方法はなかったのか。
 この映画長すぎ。シナリオを(特に後半)を整理して短くした方がいいのでは。一つ一つのシーンも長すぎ。例えばうどんブームの絶頂期、複数の画面がマルチで映るシーンなどはしつこく感じた。こういうシーンは短ければ物足らない長ければしつこい。そのあたりの見切りが監督の腕の見せ所。残念ながら見切りに失敗したようだ。
香助役のユースケ・サンタマリアはとりあえず及第点。恭子役の小西真奈美はへた。お姉さん役の鈴木京香さんうまい。特に香助の作ったうどんを味見するシーンは鈴木さんの演技力が光った。
 全体としては面白かった。後味の良い映画であった。

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8月12日(日) フライドチキンとラタトゥユ

 
 今日の夕食のメニューは
  フライドチキン
  ラタトゥユ
  バゲット
  ビール
 小生、ビールのお供は鶏の空揚げが大好き。外で飲む時は必ず頼むし自分でもよく作る。8月は鶏料理月間。空揚げは和、洋、中の3種の空揚げを作る。今夜はそのうちの洋風空揚げ。
 鶏モモ肉を玉ねぎ、しょうが、ニンニクのすりおろしに半日ほど漬けておく。他に黒こしょう、白ワイン、オリーブ油も入れる。香りづけのハーブとしてローズマリーとローリエ。半日下味をつけた鶏肉に小麦粉をまぶして、たっぷりの油でカラッと揚げる。食べる時にレモンを絞って。
 ラタトゥユ。夏においしい夏野菜をたっぷり食べるにはラタトゥユがぴったり。材料は玉ねぎ、ズッキーニ、なす、トマト、ピーマン、黄と赤のパプリカ。
 鍋にオリーブ油をひいてニンニクで香りづけ。野菜を固いものから順々に炒めていく。野菜が全部鍋に入ったら塩こしょうで味付け。タイム、バジル、オレガノのハーブも。蓋をして弱火でことこと。味付けは塩こしょうだけ。よけいな味をつけなくても野菜からたっぷり旨みが出るのだ。
 ビールはエビス。バゲットはもちろんビゴのバゲット。
 夏の夜、湯上り、フライドチキンにラタトゥユでビール。た~まりませんなあ。
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8月11日(土) 芦屋の浜の花火大会

 
芦屋の浜の花火大会に行く。以前、メリケンパークの花火大会に行ったことがある。ものすごい人出で、人の後頭部を見に行っただけだった。
 それからは、わが家の花火見物はこの芦屋の花火大会。家から歩いて15分ほど。夕食後、夕涼みがてらぶらぶら芦屋川まで歩く。川に着いたら河川敷に下りる。海のほう、河口にほど近い所にシートを敷く。
 8時から花火の打ち上げ開始。柿の種をポリポリ。缶ビールを片手に花火見物。シートの上にごろりんと寝そべる。寝転がって見れる花火大会はあんまりないのでは。芦屋川河川敷は花火見物の穴場。
 実はメリケンパークの花火大会も穴場がある。その穴場、特等席で、そこは誰にも邪魔されず、一人でたっぷり花火を楽しめる。周辺のホテルやレストランではありません。さて、どこでしょう。

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8月10日(金) 快挙 完全養殖マグロ2世誕生

 近畿大学水産研究所が完全養殖マグロの第2世代誕生に成功した。新聞記事ではあまり大きく取り上げていなかったが、これは大きなニュースだ。暗雲たちこめる将来の食糧事情、特に日本の食料事情に大きな希望をもたらす。
 人類の食料は、大きく分けて農業、牧畜、水産によって賄われている。このうち農業、牧畜はほぼ100パーセント人間の手でコントロールできる。ところが水産だけは、まだまだ自然が頼り。野生の魚を漁獲して消費者に供給している。人口はどんどん増加するが魚は無限にいるわけではない。従って魚の捕りすぎて魚の数がどんどん減少している。
 この問題に対処するために「栽培漁業」という考えが水産業に取り入れられ、冒頭の近大をはじめ、各水産試験場、漁業関係者の努力で、各地で各種の魚の養殖が盛んに行われている。確かに味などは、天然物に比べて養殖の魚は手放しでOKとはいいかねる点はあるが、安く、安定した量を市場に魚を提供できるのは養殖技術の進歩のおかげといえよう。
 一口に魚の養殖といっても色々ある。現代、盛んに行われている養殖は、天然の稚魚を捕獲して、大きく育てて出荷するもの。ウナギなどはシラスウナギといって、小さな半透明の天然の稚魚を捕獲して、養殖池で大きく育てている。このシラスウナギ、日本では大幅に減少。今のウナギの養殖はヨーロッパウナギの稚魚を輸入して行われている。このヨーロッパウナギも減少。ワシントン条約で保護しようという動きが出てきている。このままではウナ丼が食えなくなる。
 次に完全養殖。これは腹に卵を持っている天然のメスと精子を持っているオスを捕獲して、人間の手で受精させ有性卵の状態から稚魚成魚と大きくしていく。つまり魚の全生涯にわたって人間の手でコントロールするから「完全養殖」という。
 いずれの場合も最初は天然の魚が必要。ところがこのたびの近大の快挙は完全養殖したマグロが大きくなって卵を産み、その卵が稚魚に孵化したというもの。これが3世4世と世代交代が続いていくと、近大の熊井先生がおっしゃる通り、天然のマグロにまったく手をつけずにマグロが食べられるようになる。極端なことをいえば天然のマグロが例え絶滅したとしても、種としてのマグロは存続できるというわけである。この技術が他の魚にも応用できるならば、水産資源の無限の可能性が広がる。
 ともあれ、大変な快挙だ。近畿大学水産研究所に大きな拍手を贈ろう。
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メゾン・ド・ヒミコ

監督 犬童一心
出演 オダギリ・ジョー 柴咲コウ 田中泯

 さおりは24歳の女性。ワケありの借金をかかえている。昼は小さな塗装会社でしがない事務員。夜はコンビニのバイト。とにかく金が欲しい彼女は風俗関係の仕事まで考えている。そんなさおりの元に若い男が訪ねて来る。彼は父の恋人とのこと。
 さおりの父は母と娘を捨て、オカマになりゲイバーの経営者となった。そのゲイバー「卑弥呼」は成功した。父は「卑弥呼」を手放した金でプチホテルを買い取り年老いたゲイのための老人ホーム「メゾン・ド・ヒミコ」をつくった。その父は末期のガンで先は短い。若い男は「メゾン・ド・ヒミコ」の運営をしている岸本。岸本は日曜だけでも「メゾン・ド・ヒミコ」で働いてくれとさおりに頼む。どうも彼は父のことを思っての行動らしい。自分と母を捨てた父を憎むさおりは嫌がるが、高給に釣られて「メゾン・ド・ヒミコ」で働き出す。
 老人となったゲイたちが個性的。そしてかわいい。決して世間に自慢できる人生ではなかった彼/彼女らは、その人生を否定はしていない。しかしなぜ家族から離れて仲間とここにいるのかがよく分かる。それが健気でいとおしい。
 さおり役の柴咲コウがうまい。父に対する鬱屈をかかえながらも父の仲間の年老いたゲイに好感を持っていく。シーンが変わるたびに表情が変わり、大変な美人に見えたり、ブスに見えたりする。父をやった田中泯はさすがの存在感。
 
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