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8月9日(木) 大音響の車

 今朝、横断歩道で信号待ちしていたら、前を通った車が大音響をたてていた。大きなスピーカーでも積んでいるのだろう。ハードロックをガンガン鳴らしながら通り過ぎていった。「私はアホです」と街じゅうに宣伝してるみたいだ。
1トンを超える金属のかたまりが、60キロや70キロのスピードで衝突したら生身の人間はどういうことになるか、よく考えよう。小生は運転免許はもちろん、クレーンと玉掛け、フォークリフトの免許も持っているが、取得時の技能講習で金属の塊が人間に接触したらいかに恐ろしいか充分に教えてもらった。わずか5キロ程度のものでも当たり所が悪ければ人間は死ぬ。
 そもそも車の運転という作業は、人間の五感を総動員して行う極めて高度な作業だ。そのことの認識のない運転者が多いから交通事故が絶えない。
視覚。これはいうまでもないだろう。
味覚。これは運転とは関係ないな。
触覚。運転中はずっとハンドルを握っている。このハンドルから妙な振動が伝わってこないか気をつけよう。タイヤに異変があるかも知れない。舵取り装置に故障が発生しているかもしれない。
臭覚。へんな臭いがしていないか。ブレーキに不具合があり、ブレーキパットとランニングが摩擦しているかも。エンジンオイルが少なくなっているとエンジンから異臭が出ることがある。
聴覚。どっかネジが外れてカラカラいってないか。ハンドルを切った時に異音を発していないか。パンクしているとタイヤが変形してフェンダーに接触して音がする。他の車がクラクションを鳴らして何かいってないか。救急車や消防自動車のサイレンが聞こえないか。
と、いう具合に運転中はいろんなことに気をつけなければいけないのだ。それをあんな大音響を響かせながら運転するとは。このような不心得者は警察はどしどし取り締まるべし。

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8月8日(水) JR攝津本山駅

 
 JR摂津本山駅。7月18日の日記に書いた灘駅ほど古くはないが、木造の駅舎である。なかなか良い趣き。大林宣彦監督の映画に使えそう。
 摂津と駅名にあるのは開業当時、香川県に「本山」駅があったので区別するために、摂津の国にある「本山」ということで「摂津本山」となった。駅名に国鉄の名残が残っている。この流れならば東隣の甲南山手は「摂津森」となってもいいのでは。JRに新駅ができるというので小生も駅名を予想した。その中に「摂津森」もあった。ところができた駅は「甲南山手」六甲山の南の山手の駅ということなので間違いではないが、このネーミングの文脈だと西宮、芦屋、摂津本山、住吉、六甲道、灘、と神戸線のほとんどの駅は「甲南山手」になってしまう。小生は「摂津森」の方が良いと思うのだが。
 
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8月7日(火) ゴムのかたまり

 ここにゴムのかたまりがある。このゴムのかたまりが気にくわない人がいる。なんとかゴムをなくそうとして一生懸命ゴムを押さえ込む。ゴムは押されて小さくなるが、指の間からグニュと飛び出る。そこを押さえ込む。また別の所が飛び出る。押さえる飛び出る。押さえる飛び出る。これの繰り返し。ゴムは強く押さえれば押さえるほど強く反発する。
 なぜこのゴムがいけないのか。世界にとってゴムとは何なのか。彼らがゴムなら自分たちは何者か。ゴムは伝染するのか。本当にゴムはいけないのか。
 仮にゴムがいけない物ならば、押さえ込む以外の対処の方法はないのか。
 もうすぐ辞めるブッシュ大統領に、ご苦労さんの意味でゴムのかたまりを贈ろう。

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別れの気配

「ここよ」
 啓介は軽く手を上げて近づく。聖美はコーヒーを飲んでいた。四人がけのテーブル。聖美の向かいに座る。ウェイトレスが水をテーブルに置いて注文を聞く。
「ぼくもコーヒーを」
 神戸三宮の地下街「さんちか」の喫茶店。聖美から見て右にそごう、左に阪神三宮駅が見える。
「で、なんの話だったの」
「うん。こんど新しい文庫出すんやて。そこに書いてくれって」
「結構やね。商売繁盛で」
「仕事はあるけどな。あかんねん。原稿料安いしワシの本そんなにうれへんから」
「売れへん作家になんで仕事がくるのん」
「枯れ木も山のにぎわいや。文庫ちゅうんはある程度の作家の数そろえなあかんやろ」
 土曜日の昼下がり。地下街は適当ににぎわっている。啓介は東京の出版社で打ち合わせをすませて新神戸から直接ここに来た。聖美はセンター街のジュンク堂に本を買いに来ていた。一週間ぶりの再会だ。聖美は東灘区の自宅で仕事。啓介は一週間東京に腰を落ち着けて新文庫の打ち合わせやら新作の売り込みやらをしていた。彼の書くものはいわゆるライトノベルというジャンルで中高生向けのSFスペースオペラ。
 聖美は海外ファンタジーの翻訳をしている。ハリー・ポッターの恩恵で海外ファンタジーの需要は多く、啓介より聖美の方がこのところ収入が多い。
 夕食は南京町で中華料理を食べることにしているが、まだ夕方の四時前。
「ねえ、わたし締め切りが近いの。いったん家に帰ってちょっと原稿書いてくるわ」
「そうか。おれは別に急ぎの仕事はないし映画でも見とくわ」
 最近こういうことが多い。大学のSF研究会で知り合って卒業と同時に結婚。夫婦になって今年でちょうど10年。子供はできなかった。夫婦仲が悪くなったわけではない。別々に行動しても不思議とは思わなくなった。少し前なら啓介が聖美とともに帰宅するか、聖美がいっしょに映画を観ていただろう。
 映画は面白くなかった。アメリカンコミックスを実写で映画化したもので、見せ場のミュータント対ミュータントのバトルがなかなか始まらない。
 待ち合わせ時間の六時になった。JR元町の改札を出たところで待つ。電車が到着する。人の群れが改札から出てくる。群れに聖美がいなかった。別にがっかりはしない。次の電車が着く。聖美は乗っていなかった。がっかりしない。また次の電車。人の群れ。いた。聖美が改札を出てきた。六時十五分になっていた。
「ごめんなさい。出ようとしたら電話がかかってきて」
「いいよ。さ、いこか」
 広東料理のコースを頼んだ。ビールを飲みながら清蒸魚を食べる。料理はどれもおいしい。
「次はいつ東京に行くの」
「しばらく行かない。頼まれた文庫用の新作にかからんといかん」
「じゃあ。ずっと家で仕事」
「そのことなんやけど俺仕事場用にワンルームマンション借りよう思てんねん」
「で、探してんの」
「いや。もう契約した。阪急の王子公園の近くや」
 デザートが出た。食事が終わった。
「今日は私が払うわ」
「なんでや。いつものとうり割り勘にしよや」
「啓介は東京行ったりしてなにかとモノいりでしょ」
 結局、聖美がカードで支払った。
 JR摂津本山で降りて少し南へ。国道二号線に面して立っているマンションが二人の自宅。結婚してから一度も引っ越さずにこのマンションに住んでいる。
「寝る前に少し水割りでも飲む」
「賛成」
「ウフッ」
「何がおかしい」
「二人の間で『賛成』は久しぶりね」
 啓介がバランタインで濃いめの水割りを作る。二人はひと口づつ飲む。
「と、いうことにしよか」
「賛成」
「今日は五分間に二回も『賛成』がでたな新記録やな」
「この記録は破られないわよ」
 聖美が書類を出した。啓介が判を出した。
 

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8月6日(月) ツクツクホウシが鳴きだしたら

 ツクツクホウシが鳴いているのを今年初めて耳にする。8月のこんな時期にツクツクホウシが鳴くなんて異常だ。早すぎる。ツクツクホウシはお盆も過ぎ夏も終わろうかという季節に鳴くセミ。やはりどっか狂っているのだろうか。
 それはそれとして、ツクツクホウシ。あの「オーシツクツク、オーシツクツク」という鳴き声を聞くと、なんだかもの悲しい気分になってくる。
あれだけ楽しみにした夏休みももうすぐ終わる。海水浴、キャンプと楽しいこといっぱいした夏休み。海水浴といえば、阪神間では今は須磨ぐらいしかないが、小生が子供のころは、芦屋、香枦園、甲子園の浜でも海水浴ができた。母の実家が西宮の海辺にあったので、夏休みはずっと母の実家にいて一日中香枦園の浜で遊んでいた。海から戻ると井戸で冷やしたスイカを釣瓶で引き上げて切ってかぶりつく、という絵に描いたような日本の子供の夏を過ごしていた。
 で、あそびほうけていると、ツクツクホウシが鳴きだす。宿題ぜんぜんしてない。ツクツクホウシ=夏の終わり=宿題してない、との連想が大人になった今も出てきて悲しい気分になるわけ。
 人生の宿題をたくさん仕残しているのだから年中悲しいはずだが、毎日を能天気に暮らしていても、ツクツクホウシの鳴き声を聞くと、子供のころの夏の終わりを想い出して悲しくなる。

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木曜組曲


監督 篠原哲雄
出演 浅丘ルリ子 加藤登紀子 鈴木京香 原田美枝子 富田靖子 西田尚美

 一室での会話劇というとアメリカ映画の名作「12人の怒れる男たち」を思い出すが、この作品はあの名作にひけをとらない。あちらは男性ばかりだったが、こちらは女性ばかり。
 耽美派の大物作家重松時子が死んだ。警察は自殺との結論。時子の死後、時子の好きだった木曜日を中心に三日間、年に一度時子の屋敷に5人の女が集い、時子を偲び宴を開く。5人はいずれもモノ書きを生業としている。
 料理上手なベテラン編集者えい子、エッセイストの静子、ノンフィクションライターの絵里子、推理作家尚美、純文学作家つかさ。えい子以外は4人とも時子の親戚血縁者。
「わたしが時子ねえさんを殺したんだわ」静子のこの言葉から5人の女たちは時子の死の真相を探ろうとする。その最中、謎の女性から花束が届き、謎のメッセージカードが添付されていた。
 時子は作家としての限界を悟り悩んでいた。時子の担当編集者のえい子は編集者として時子を支え可能な限りフォローしてきたが、時子の悩みは深い。若い4人のモノ書きに対して嫉妬を感じつつも、自分の後継者たり得る人物を考えていた。4人も時子に対して敬意を感じつつも、モノ書きとしての野望を心に秘めていた。
 果たして時子の死は自殺か他殺か。他殺なら誰が犯人か。先が読めないストーリー。何を考えているのか分からない5人の女たち。実に面白いミステリーであった。
 舞台は時子の屋敷のみ。登場人物は冒頭に登場した刑事と花を届にきた花屋以外は全員女性。時子は回想シーンに登場する。映画の大半はえい子、絵里子、静子、尚美、つかさの時子に関する会話だけ。別に大層なセットやら大掛かりな特撮でお金を使わなくてもこんな面白い映画はできる。映画はシナリオということがよく分かる。
 舞台となった屋敷がいかにもミステリーの謎解きをするにふさわしい雰囲気のある洋館。この屋敷を管理しているえい子が料理上手で、さまざまな料理で他の4人をもてなす。これらの料理がシズル感たっぷりで実においしそう。それにしても、この4人の女、実によく食い、たくさん飲み、しょっちゅうタバコ吸っている。
 モノ書きの限界、悩み、苦しみ、野望、希望。モノを書くということの大変さ辛さがよく伝わってくる。このあたりは原作者恩田陸の告白だろうか。
 よくできた映画だが難点が1つだけ。浅丘ルリ子、加藤登紀子、原田美枝子、鈴木京香、富田靖子、西田尚美、みなさん芸達者だがモノ書きには見えない。
 
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8月5日(日) インド風チキンカレー 

 
 お昼はインド風チキンカレー。具の鶏手羽元は昨日からプレーンヨーグルトに漬け込んでおく。
 玉ねぎ、しょうが、にんにくをみじん切り。フライパンで炒める。カレー粉を振り入れてさらに炒める。鶏がらスープを注いで煮る。。
 クミン、カルダモン、オールスパイス、ターメリック、グローブ、コリアンダー、シナモンなどを乳鉢ですって手作りのカレー粉を作ってスープに入れる。
 ヨーグルト、はちみつ、マンゴーチャツネで味を調整する。仕上げにガラムマサラを振る。
 鶏手羽元は250度のオーブンで15分焼く。簡単なタンドリーチキンを作るわけ。鶏の横になすも置いて一緒に焼く。
 皿にご飯を盛り、焼いたなすと鶏手羽元を並べてカレーをかける。
 欧風カレーのようにコトコト煮込まず、さっと煮た。スープもとろみをつけずサラッとしたものに仕上げた。それにあわせて、具の手羽元となすも煮ないで焼いた。夏の昼食だから、さわやかなカレーをめざした。
カレー粉は2種類使い分ける。市販のものと手作りのもの。手作りの場合は粒のモノを自分で乳鉢ですって粉にした方が香りが全然違う。乳鉢でするのがめんどうなら、コーヒーミルですった方が簡単だが、以後はカレーの香りのコーヒーになってしまう。それがイヤなら、ミルをカレー専用にした方がいい。
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8月4日(土) オムライス


 オムライスを作る。具は鶏肉、玉ねぎ、ミックスベジタブル。鶏肉は胸肉を使う。オムライスの場合は胸肉の方がさっぱりしていておいしい。肉に塩こしょう、白ワインで下味。600Wの電子レンジで5分ほど加熱。この時、耐熱容器にたまった汁はあとで味付けに使う。加熱がすんだ肉はひと口大に切ってオリーブオイル少々で油分を足しておく。
 フライパンにバターをひき、玉ねぎを炒める。ミックスベジタブルを入れてご飯を投入。しばし炒める。ご飯がある程度ほぐれたら鶏肉を入れて、さっきの汁、ケチャップ、ウースターソース、塩こしょうで味付け。これでチキンライスは出来上がり。
 フライパンにバターを溶かす。ときほぐした卵を流し入れ、チキンライスを固まりかけた卵の上に。フライパンごと皿の上に持って行き、手首のスナップを効かせてチキンライスが乗った卵を皿に乗せる。このへんがむつかしい。上手にやるときれいなアーモンド型になる。
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とつぜんコラム№69 日本の製造業が危ない

 今、日本のメーカーの製造拠点がどんどん中国や東南アジアに移転している。人件費が安く製造コストが低く抑えられるからだ。国際競争力を高めるためには止むを得ないこととなっている。しかし、この流れを考えないと日本の製造業を根底から覆しかねない事態となる。
 最初は部品と図面を供給して、現地で組立だけをさせていた。そのうち現地の人に資材購買力がつき、運送費の削減とあいまって部品は現地で調達するようになった。
 製品の骨組みとなる機構部品と図面を日本から送り、現地の人が調達した部品をくっつけて製品に仕上げる。このやり方がしばらく続いたが、現地で工学を勉強した人が力をつけてきて、現地で設計して図面も現地で作成するようになった。
 さらに最近は金型や木型を現地に送り、機構部品も現地で作るようになった。それも不合理だといって、機構設計も現地、金型、木型も現地で作って、設計から部品調達、組立まで現地でやっている企業もある。日本の企業は製品のコンセプトを示し、品質管理をするだけ。こんなことをしていると日本の製造業は空っぽになる
 金型や木型を作って精巧な機構部品を作るのは、日本の中小企業の最も得意な仕事である。日本の製造業の屋台骨を支えてきた仕事だ。こういう中小企業に親会社として発注していた大企業が、中小企業の飯の種ともいうべき金型木型と図面を買い取って、外国に供給して外国で生産している。
 仕事をしなければ技術力が低下するのはあたりまえのこと。日本の製造業の基盤を下支えに支えてきた、モノ作りの最前線ともいうべき中小企業の技術力がどんどん低下している。
 日本の製造業の生命線が、国際競争力の強化の掛け声のもと、どんどん失われている。この種の製造業の底辺を支える技術は、とどのつまりは職人さんの手仕事。
旋盤一丁で信じられない精密な金属加工をする職人さんがいる。片手にガス加熱器、片手に冷却用の水ノズルを持って、水と炎で鉄板を自由自在に曲げる職人さんがいる。ミクロン単位の誤差で鋼鈑を短冊型に切る職人さんがいる。これらの職人仕事は一朝一夕にできるものではない。それらがなくなると日本の工業そのものが崩壊する。いくら科学技術が進んでも絶対に人の手に頼らなければならない分野があるのだ。コスト削減を至上のものとして、中小企業からそういう日本の宝を奪い取って外国に流している大企業は、自分で自分の首を締めている。
 外国から原材料を輸入し加工して製品にして日本は成り立ってきた国。それが崩壊すれば日本はどうなるか、誰でもわかることである。今のうちになんらかの手を打つ必要がある。
日本は自由主義経済の国。規制緩和のかけ声で企業はかなり自由な活動ができるようになった。企業の最優先事項は利潤の追求である。外国でモノを作ればより多くの利潤が得られるのならば、どんどんモノをよそで作る。日本の製造業がどうなろうと知ったことではない。自社が生き残るためにはどんなことでもする。自社の利益と日本の利益がバッティングすればためらいなく自社の利益を優先するだろう。で、ないならば、技術も図面も金型も、すべての生産手段を外国に丸投げするなんてことはしないはず。
 極端にいえば地球が消滅しても自分の会社だけが生き残っていればいいわけで、地球が消え去った火星と金星のあいだの宇宙空間に、自分の会社だけがポッカリと浮いていてもいいわけだ。
ま、この例えは極端だが、ともかく企業というものはほっておくと自分のことしか考えないもの。規制緩和もいいが企業の活動になんらかのコントロールを加える必要があるのでは。  

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テンプル騎士団の遺産

スティーブ・ベリー 富永知子訳 エンターブレイン

 主人公コットン・マルローは元アメリカ司法省の秘密捜査官だった。今は退職してデンマークのコペンハーゲンに住んで古書店を営んでいる。
 司法省時代の上司ステファニーがコペンハーゲンにやってきた。彼女の目的はデンマークで開催される古書のオークションに参加すること。二人は旧交を温める約束をする。
 ステファニーの死別した夫は学者で作家だった。夫は700年前に消滅した「テンプル騎士団」に関する研究をしていて何冊かの著書もある。
 テンプル騎士団とは、聖地エルサレムを目指して旅行する巡礼の道中の安全を守るために作られた自警団。最初はたんなる自警団だったが、だんだんと人数が増え、それにともない富と権力と武力を増大させ、強大な力を持つキリスト教最大の集団となった。ところがフランス王フィリップ4世の陰謀によりメンバーの大半は逮捕処刑された。時の総長ジャック・ド・モレーも磔にされ火あぶりにされた。ところがテンプル騎士団が残した膨大な財宝の行方はようとして知れない。
 コペンハーゲンにやって来たステファニーな謎の怪人に襲われマルローに助けられる。マルローに塔の最上階に追い詰められた怪人は、謎の言葉を残して飛び降り自殺。
 いわゆる消えたお宝の争奪戦。エンターティメントの典型。もちろん主人公マルローは有能な捜査官だったから007みたいな活躍をする。悪役も出てくる。マルローを助ける謎の大金持ちも、トゥームレイダーのララ・クロフトみたいなべっぴんもでてくる。かわいそうな運命をたどる純粋な若者、謎に満ちた古い修道院、カーチェイス、銃撃戦、なんだかんだと、エンターティメントのお約束のモノがひととおり出てくる。出てこないのは色模様ぐらい。なんせマルローの相手役でヒロインのステファニーは60を超えている。えらい歳くったヒロインだ。別に60を超えたばあさんでも、書き方によっては非常に魅力的な女性に書けるのだが。で、面白かったかというと、面白くなかった。
 この手の話にはツボがある。そのツボを押さえれば面白くなる。まず、魅力的な悪役。どういうお宝か。そのお宝はどこに隠してあるのか。お宝にたどり着くまでどういう罠が仕掛けられているか。敵方の組織の正体は?主人公の味方協力者にどんな個性的な人物がいるか。
 この作品、これらのツボを外しまくっている。正直、アレ、と思わせたのはステファニーの××は××したはずだったが××だった。その××は実は××だった。というくだりぐらい。ま、おひまならお読みなさい。

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8月3日(金) カラスとカモメ

 やっぱり外見というものは大切なのであろうか。カラスとカモメ。どっちも同じような鳥である。カラスは不吉な鳥とされ、カモメは「カモメの水兵さん」などといわれて、海の鳥として親しまれている。これ、外見の違いでこうなったのではないだろうか。
 カラスが真っ黒、カモメは真っ白。ところが性格はどっちかいうとカモメの方が悪い。カモメはトウゾクカモメという他の鳥の獲物を横取りする陰険なやつがいる。カラスは残飯をあさったり動物の死肉をあさるから人間に気持ちわるがられている。カモメも海辺で同じようなことをする。そのわりにはカラスより人間にウケが良い。これは、やはりカモメとカラスの外見の違いによるものだろうか。

 阪神VS広島。阪神今シーズン負け越している広島に勝つ。半分広島の自滅。横浜が負けて3位浮上。
 浜中復活のホームラン。おめでとう。林に負けとられへんもんね。渡辺初勝利。おめでとう。敗戦処理ばっかしやったもんね。
 今日ぐらい久保田を休ませてやれよ。岡田はん。

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8月2日(木) 北海道出身朝山龍介くんの不幸

 北海道出身の朝山龍介くんは福岡県は博多の商社須田商事に勤務しています。取り扱う商品はからしめんたいこです。須田商事は福岡県を代表する企業で、博多名物のからしめんたいこを扱うことでは歴史と伝統があります。
 この会社はずっと社員は福岡県出身者ばかりでした。ところが昔、沖縄出身の高山大造という人が入社してから他府県出身者も採用するようになりました。当初は他府県出身ということで不公平な人事もあったようです。高山さんの後輩の小西喜助さんは実力があるのに係長になれませんでした。主任どまりです。ところが沖縄出身の明石信夫さんはとうとう他府県出身者で初めて係長になりました。この明石さん一身上の都合で山口県に引っ越してフグの営業マンに転職しましたがフグは全く売れません。
 時は流れ、須田商事にも他府県出身者がかなり多くなりました。中堅営業マンの半分以上が東北、関西、北陸などの人が占めるようになりました。最近は北海道出身者が良い成績を残すようになりました。中でも朝山くんの成績は抜群です。めんたいこの売上はだれにも負けません。そして朝山くんは係長になりました。朝山くんの課ではずっと係長は朝山くん一人でした。福岡県出身者はいくらがんばっても主任にしかなれません。最近は朝山くんと同郷の白田泡一くんが係長になりました。福岡県出身の係長は久しく出てません。このたび朝山くんには絶対勝てない琴田光史くんがやっと主任になりました。
 夏のめんたいこ売上倍増キャンペーンも終わり、須田商事は社員旅行に行くことになりました。朝山くんはお腹を壊したとの診断書を提出して社員旅行は不参加と会社にいいました。ところがこの前の連休のおり朝山くんは北海道に帰郷して札幌はすすき野のスナックでカラオケをしていることがバレました。このことを知った北田社長はカンカンに怒って朝山くんに3ヶ月の出社停止を言い渡しました。
 今でこそ社長になりましたが北田氏自身も抜群の売上高を誇る係長でしたが、その営業手法が強引だとか休みの日にアイスキャンデーをぺろぺろなめとったとかで、何かといわれた係長でした。
 ずっと北海道出身の朝山くんに売上№1の座を奪われ、こころよく思っていなかった福岡県の人たちは、いいたい放題。「だから北海道の人間はダメなんだ」「北海道人にめんたいこの心がわかってたまるか」「めんたいこ売りは福岡県の県技だ。これからは福岡県の営業マンからしかめんたいこを買わんぞ」「会社は増えた他府県出身者のしつけをちゃんとしろ」「朝山は係長なんだから係長としての自覚を持て」
 なかには朝山くんをクビにしろなんていう人もおります。朝山くんかわいそう。

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8月1日(水) 診断書を書いた医者も問題

 横綱朝青龍が疲労骨折とのことで巡業に不参加を表明した。ところが彼は母国モンゴルでサッカーに興じていた。サッカーができるのになぜ相撲ができないのか、と北の湖理事長にしかられ高砂親方ともども謝罪した。この件はこれで、まあ、納得できる。納得できないのは朝青龍を診断した医者。この医者は同横綱を診断して相撲ができない身体との診断を下し診断書を作成したのだろう。同横綱はこの診断書を協会に提出し巡業不参加との意思を伝えたのだろう。
ところがサッカーしていた。この医者何を見ていたのだろう。まともに診断して診断書を書いたのだろうか。
 万が一「先生、巡業をさぼりたい。診断書書いてくださいな」と朝青龍に頼まれて診断書を書いたなら医者としてのモラルに反する。また、サッカーできる身体なのに相撲はできないとの診断なら、医者としての能力が不足している。いずれにしてもロクな医者ではあるまい。朝青龍もさることながら、この医者も問題だ。
 よく、マスコミに追われた著名人が入院と称して病院に逃げ込むが、それまで元気でピンピンしてた人が、都合よく病気になるもんだと思っていたが、朝青龍を診た医者と同類の医者がたくさんいるのだろう。

阪神VSヤクルト。11対3で阪神大敗。最後に少し意地をみせる。明日にもつなげたし、JFKも休ませることができたし、結構な敗北じゃないですか。シーズンを全勝するわけにもいかないのだから、いかに上手に負け試合を作るかが大切。そういう意味では今日の負けはOKなのでは。
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