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UDON

監督 本広克行
出演 ユースケ・サンタマリア 小西真奈美 トータス松本 鈴木京香 

 小生が所属しているSF同人誌で3題話という企画をやった。三つキーワードを決めて、そのキーワードを織り込んだショートショートを競作しようというもの。何人かの同人が書いた。小生も書いた。なかなか面白い企画だった。同じキーワードを使っても人それぞれまったく違うことを考えるものだ。
 うどんの麺の材料は小麦粉、塩、水、の三つだけ。香川県は日本最少の面積の県でありながら900軒のうどん屋があるとのこと。一軒一軒それぞれ特徴のあるうどんなのだろう。同じ材料でも作る人が違えば違うものができる。大変に興味深い。
 松井香助はコメディアンになる夢破れニューヨークから故郷香川に舞い戻る。ひょんなことから作家志望の若い女性ライターの宮川恭子と知り合う。
 香助は親友庄介の紹介で地元香川のタウン誌「さぬき」に就職する。恭子も同時に同誌の編集部に入る。香助が企画した連載「さぬきうどん巡礼」が大当たり。同誌は部数を大幅に増やし、全国的な讃岐うどんブームが巻き起こる。香助+恭子のコンビは人知れぬうどんを求めて香川中を駆け巡る。
 やがてブームも終焉。タウン誌「さぬき」も廃刊となった。と、同時に香助の実家で大きな異変が発生。香助は重大な決意をする。
 ブームの発生、絶頂期、沈静期、そして終焉の行程をわかりやすく描いている。まるでマーケティングの教科書を読んでるみたい。讃岐うどんは昔からあり今もある。一時のブームで出たり引っ込んだりするものではないと思うのだが。ラストでそのあたりをきちんと押さえてあるのは好感が持てる。ただ、良いうどん屋=行列のできるうどん屋という、一元的な見方はうなずけない。よいうどん屋を表現するのに別の表現方法はなかったのか。
 この映画長すぎ。シナリオを(特に後半)を整理して短くした方がいいのでは。一つ一つのシーンも長すぎ。例えばうどんブームの絶頂期、複数の画面がマルチで映るシーンなどはしつこく感じた。こういうシーンは短ければ物足らない長ければしつこい。そのあたりの見切りが監督の腕の見せ所。残念ながら見切りに失敗したようだ。
香助役のユースケ・サンタマリアはとりあえず及第点。恭子役の小西真奈美はへた。お姉さん役の鈴木京香さんうまい。特に香助の作ったうどんを味見するシーンは鈴木さんの演技力が光った。
 全体としては面白かった。後味の良い映画であった。

コメント ( 1 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
芸能人は犯罪やって優雅な人生だ。 (メグ)
2007-08-16 08:12:54
いいですねー、芸能は。迫害もされないで平和な人はいつでもしあわせです。日本には、罪もないのに公務員によって強制的に人生や健康を破壊されて殺害された新井泉さんのような人もいます。何のとりえもない人ほど、強制的に殺されもせずに楽しい人生を送っているのですね。倒錯した世の中になりました。
 
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