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肉じゃが鍋


 名コンビというモノがある。いとし+こいし、ダイマル+ラケット、山本小鉄+星野勘太郎、今成+ゴメスなどなど。料理界でいえば、大根+ブリ、松茸+ハモ、牛すじ+こんにゃく、そのデンでいけば、牛肉とじゃがいもというのも名コンビといえよう。
 牛肉とじゃがいも。肉じゃがである。ここは関西である。太閤様のお膝元にして、平清盛公が都と定めた神戸の地である。肉といえば牛肉である。大恩ある豊臣家を裏切り滅亡させ、草深い武蔵野のイナカに居を構えた徳川イエヤス狸オヤジのシマうちでは肉といえば豚肉らしいが。
 その肉じゃがを土鍋でたいた。土鍋はじんわりと加熱するので、おいしく肉じゃがができるのではないかと思ったしだい。
 で、どうせ土鍋でたくのだから、そのまま食卓に出して鍋物として食べようと算段したわけ。
 この料理で一番のポイントは調理する時刻。夜に食べるのだったら昼に調理しよう。材料や調理方法はいつもの肉じゃがと同じだが、鍋物ということで煮汁を多い目にした。土鍋でことことと煮て、じゃがいもとにんじんがやわらかくなればフタをして半日おいておく。夜になれば再び加熱して食べる。
 これはうまい。この企ては大成功であった。牛肉もさることながら、じゃがいもとにんじんがおいしい。
 煮物はさめていく段階で味がしむ。土鍋だからゆっくりとさめていく。充分に味がしみているわけ。鍋の中身を食べ終わったら、残った汁はもちろん白いご飯にかけて食う。うまい。黒こしょうをふって食うといっそううまい。
 この肉じゃが鍋二重丸でお勧め。徳川ご家中のように豚肉でやってもいいかも知れない。
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