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阪家物語

 平成時代に成立したとされる、阪家の栄華と没落を描いた軍記物語である。2003年、2005年に覇権を手にした後、中家、巨家との戦いに敗れ、ついにはセリーグの最下位となる。虎法師が鳴らす琵琶の音とともに語られる、流麗な名文は世の虎ファンの涙を誘う。
 古文のテストに出るので必ず暗記しておくように。

甲子園の民の声 
諸行無常の響きあり
統一球の球の芯
とらえ切れぬ各打者は アウト増やすことわりを表す
あせる打者も久しからず
ただ昨年の打率、夢まぼろしのごとし
横浜なる者についに抜かれ
ひとえにセリーグ最下位となりぬ
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リリィ、はちみつ色の秘密


監督 ジーナ・プリンス=バイスウッド
出演 ダコタ・ファニング、クィーン・ラティファ、ジェニファー・ハドソン

「私は4歳の時ママを殺した」14歳の少女の衝撃的な告白で映画は始まる。リリィが4歳の時、ママは家出した。戻ってきたママはT・レイ(パパ)と争う。ママが護身用に持っていたリボルバーが落ちる。リリィが拾おうとする。暴発。
 10年経った。自分を捨て逝ってしまった妻を忘れられないT・レイは娘にやつ当たりの日々。大嫌いなT・レイと暮らすリリィ。この家にもう一人家政婦のロザリンがいる。
 1960年代。公民権法が制定されたとはいえ、黒人差別は根強く残っている。黒人のロザリンが白人から暴力を受ける。ロザリンをかばうリリィ。これがきっかけで、リリィとロザリンは家出。
 亡き母とゆかりがあると思われる町ティブロンに着いた二人は、ピンクの家の養蜂家ポートライト家の居候になる。ポートライト家はカレンダーの月の名前を持つ黒人女性3人姉妹の家。リリィは蜂の世話を、ロザリンは家事を手伝って家族同様になる。ある日、T・レイが見つけ出しリリィを連れ戻しに来る。
 1960年代のアメリカの黒人が受けている待遇を、物語の背景とし、自分の過ちで愛する母を亡くし、ただ一人の庇護者たるべき父に虐待を受ける少女の成長と救いの物語だ。リリィはT・レイを父と認めていない。この映画で、リリィは一度もT・レイをパパとは呼ばなかった。でも、リリィは孤独ではない。肌の色は違うが姉ともいうべきロザリンがいる。そしてポートライト家の長女オーガストは母のような大きな母性でリリィを包む。
 見終わって、小生はT・レイがかわいそうになった。身から出たサビと思われるが。T・レイは戦争で勲章をもらったというから若い頃はシャキッとしていたのだろう。ところが真相は判らぬが妻が不倫を働いたと思っていた。それが原因で二人は別れたのだろう。
 家を出た妻が、荷物を取りにもどった?/娘を連れに来た?(T・レイはリリィに前者だといっている。それがリリィのトラウマになっているのだが)時の不幸な事故で妻は死に、娘は心に大きな傷を負う。
 このあとT・レイはどんな運命をたどるのであろうか。酒びたりの野垂れ死にか?
 少々ネタバレになるが、娘は救われる。できたら、この不幸なT・レイにも救いが欲しかった。
 リリィ役のファニングとオーガスト役のラティファが魅力的。
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