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4月12日までプロ野球の観戦を拒否しよう

 例年であれば、この時期、「今年の阪神タイガースは?」なる記事を書いたりして、目前に迫ったプロ野球開幕をワクワクしながら待っている。今年の阪神タイガースは、今年こそ優勝や、いやいや今年は4位がええとこやで、と、楽しみなことである。これからの季節、風呂上りにビールを飲みながら、タイガースの選手たちが、投げ、打ち、走り、守るのを観るのが何よりも楽しみなことだ。
 ところが今年は「今年の阪神タイガースは?」なる記事は書かない。書く気がしない。とはいいつつも、甲子園のお膝元兵庫県西宮市川添町生まれの私は、阪神ファンがDNAに刷り込まれているゆえ、阪神ファンを止められない。
 阪神ファンは止められないが、私は、阪神ファンである前に、日本人であり、神戸市民で阪神大震災被災者だ。
 16年前、わが愛する街神戸が大きく傷ついた。私自身の何かも傷ついた。その傷が癒えぬまま、阪神大震災を凌ぐ巨大な災害が東北を襲った。災いにあった者は、その災いにあうのは自分だけで充分、他の人には決して自分と同じ目にあって欲しくないと思うものだ。ところが、私があった災いより遥かに大きな災いにあった人たちがいる。しかも、東北の人々は原発事故という、現在も進行中の災いの中にいる。こういう状況で素直に阪神タイガースを楽しめるであろうか。
 セリーグは3月29日に開幕予定だ。当初、予定通り3月25日開幕となっていたが、文部科学省の強い要請で29日になった。1カードだけ飛ばして25日が29日になったわけだ。これほどバカにした話はない。わずか4日延ばしたとてどれほど状況が変ろうか。なんら変わりはない。要請に従って開幕を延ばした、という言い訳の4日間にすぎない。このセリーグの所業に高木文科相、蓮舫節電啓発等担当相は激怒しなくてはならないのではないか。あなたたちはセリーグになめられているのだ。
 政府、選手たち、ファン(少なくとも私が目にする阪神ファンのブロガーのみなさん)みんなセリーグ開幕延期を望んでいる。ただナベツネをはじめとする球団経営者どもが一刻も早く開幕したがっているだけだ。
 プロ野球のプレーを見せることによって、被災地を勇気づけようとのことだが、そんなことはもっと落ち着いてからのことだ。命の危険にさらされている人がまだまだいる。そんな人がプロ野球を観るか?エコノミー症候群を心配しなくてはいけない避難所でプロ野球が観れるか?ごく身近に放射能を振りまいている原子力発電所があるのにプロ野球が観れるか?節電しなくてはならない。計画停電が予定されているのに、こうこうと明かりをつけたドームで野球をやっていいのか。
 本来なら、仮設住宅がある程度建設され、救出されるべき人は救出され、遺族の元に戻されるべき遺体は戻され、避難所に食料医薬品が必要な量が配布され、計画停電も解消されてから、プロ野球なんてものは開幕すべきだと思う。だから、2011年の日本のプロ野球は休止すべきだ。
 しかし、1年まるまる休止というのもなんだから、せめて4月12日のパリーグ開幕にセリーグも歩調をあわせるべきだ。選手会会長の新井貴浩会長は、試合ボイコットは考えていないとのことだが、ここはぜひともストライキを打って欲しかった。新井会長はあきらめず訴え続けるといっている。ぜひがんばって欲しい。
 さて、私たちファンは何ができるのか。観戦拒否だ。球場へ行くのを拒否する。テレビで観るのも拒否。みんなプロ野球を観なければいいのだ。
 少なくとも、私は4月12日までプロ野球は観ない。
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