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6月18日(水) 阪神、楽天に圧勝。関本あっぱれ。星野さんにはないしょ。

 阪神VS楽天。8対1で阪神勝つ。強い阪神、ほんまに強い。今まで打線を引っ張ってきた新井がペケでも、関本、藤本といった、どっちかというと脇役的選手が打って、打点をあげる。金本アニキはきっちり帳尻をあわせよる。
 昨日、今日と、関本の仕事師ぶりは見事。昨日、プロ野球タイ記録の4犠打を決め、今日はホームランを含む3打点の大活躍。あっぱれ。
 藤本は平野が帰ってくるから、必死やね。結構なことや。両方がんばれ。
 上園、よう投げた。あっぱれ。6回じゃ早すぎたのでは。もう1回投げさせてもよかったのでは。こんどは完投やね。ウィリアムスは昨日あかんかったから、リハビリ登板やね。最後は藤川お休み。渡辺でももったいない。太陽でも良かったのでは。
 ソフトバンク、日本ハムが負けて交流戦首位。課題の交流戦を望むべくもない好成績で、終わろうとしている。あとはオリンピックをどう乗りきるかやね。でも、アニキは残るし、今日活躍した関本、藤本もいまんところ候補にあがってないし、なんとかなるんやないかな。星野さんにはないしょで活躍しような。

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たそがれ

 世界は生命で満ちあふれている。地平線の向こうまで続く緑の森林。ねぐらに帰る鳥の群れが、その上空を飛んでいる。近くの森の中から、猿たちの声が聞こえる。
 私は今、山の中腹のテラス状になった所に座っている。すぐ目の前は切り立った断崖で、はるか下、木々の間から川が見えかくれしている。川面が時々光る。魚が跳ねているようだ。
 視線のずっと先、西の地平線に太陽が沈もうとしている。私と、夕陽の間にあるものは、緑の大地だけ。世界は紅に染まりつつある。
 美しい。今、改めて実感した。世界は実に美しい。そして優しい。私を包みこむこの世界は、限りなく私に優しい。
 最後の一瓶になったウィスキーもそろそろなくなる。グラスに口をつける。ここで夕陽を見ながら、最後の一瓶を空けようと、前から決めていた。心地よい酔いが、身体にまわる。グラスが空になった。ボトルからウィスキーを注ぐ。ツーフィンガーほど入ったところで、ボトルは空になった。世界で最後のウィスキーも無くなった。

 500年の眠りから目覚めたのは私一人だった。
 人類は“大災厄”によって絶滅した。実にあっけないものだった。まさか、あんなかたちで人類が絶滅しようとは、誰も考えられなかっただろう。
 私をふくめたごくわずかな人たちだけが、地下深くのシェルターで生き延びるはずだった。“大災厄”が終焉を迎えて、地球が人類が住める惑星に戻るまでの、500年間を眠って過ごす人たちが。しかし、私以外、刻限がきても誰も目覚めなかった。彼らは永遠の眠りについた。なぜ、私だけが助かったのかわからない。60年たった今でもわからない。
 560年前、私は二十歳で眠りに入った。500年たち、二十歳で目覚めた。冷凍睡眠が500年の歳月を、私には一晩の睡眠にした。
 この世界で、私がたった一人の人類であることが判るには、さらに60年の歳月が必要であった。たった一人で目を覚まし、他の人たちが全員死亡していることが判って、1ヶ月ほどシェルターの中で過ごした。
 絶望と孤独感にさいなまれて、自殺を考えたが、結局死ねなかった。死人たちが私を仲間に入れることを、拒否しているように感じた。お前にはまだやることがある。こっちに来るにはまだ早い。
 私は、シェルターの中で1ヶ月間、悩み考えた。そして決断した。絶望するにはまだ早い。とにかく行動して、ほんの小さなかけらでもいいから「希望」を見つけよう。
 私はシェルターを出た。500年ぶりに吸う外の空気は甘くかぐわしかった。
 外は緑が広がり、生き物に満ちあふれた世界だった。私は、その世界に長い長い旅路の第一歩を踏み出した。旅の目的はただ一つ、生き残った同胞を探すこと。
 持てるだけの食料と生活必需品を背負って、この世で一番信頼できる移動手段、自分の足で旅立った。時間はたっぷりある。あせる必要はない。
 水を泳ぐ魚。空を舞う鳥。地を駆ける獣。そして、行けども行けども繁茂している植物。地球は生命に満ち満ちた惑星となっていた。
 どうも“大災厄”は人類だけに降りかかった災厄だったようだ。この惑星は、私が眠りに入る以前とは比べ物にならない、豊かで美しい星になっていた。あらゆる生き物が生きる喜びを謳歌していた。ただ一種の生き物をのぞいて。
 私は、地球上の歩いて行ける所はすべて見てまわった。8000mを超える高山。熱帯雨林のジャングル。わずかに残っている砂漠地帯。氷雪のツンドラ地帯。一人でも運行できる船を見つけて、海洋を渡った。
 60年という歳月をかけて、地球上の調べられる所は総て調べた。
 人骨はあちこちで見かけた。可能な限り丁重な回向を手向けた。しかし、生きているホモ・サピエンスは1個体も発見できなかった。
 出発した時二十歳の青年だった私も、八〇の老人になっていた。
 ほどなく私の寿命もつきる。これで、この星でほんの少しの間だけ、輝いた人類という霊長類の1種は完全に絶滅する。沈み行く太陽を見ながら、私は思った。地球の短い祭りは終わった。

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