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All Photos by Chishima,J.
(ハイイロチュウヒのメスまたは幼鳥 以下すべて 2007年11月 北海道中川郡豊頃町)
晩秋にしては珍しく、海からの風を暖かく感じられた午前だったが、一面の枯野色とその中に点在するハマナスの赤く、萎れた実は、柔和な日差しとあいまって夕方と錯覚させる役割を果たしていた。先週見られたチョウゲンボウやケアシノスリはこの一週間の冷え込みや降雪で南下したのか、姿を現さない。代わって今日はハイイロチュウヒがずいぶん多い。砂丘の一角からふわっと舞い上がっては地面を舐めるような低空を高速で飛翔するので、正確な数はわからないが、少なくとも3羽、おそらく5羽以上がいたものと思われる。これほどの数がいたにも関わらず、すべてメスもしくは幼鳥だったのは、この鳥のオス成鳥に出会うことの難しさを物語っている。
枯野の中の朱(ハマナスの実)
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チョウゲンボウの飛翔
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それでも普段は単独、しかも短時間の出会いが多い本種の行動をじっくり観察できたのは収穫だった。以前から感じていたが、本種の狩りをする時の飛び方は、ふわふわした翼の拍動や低空の飛び方、ホバリング、獲物を見つけた時の急降下の仕方などはコミミズクに似たところがある。丸い顔の正面に付いた目も、タカ類というよりフクロウ類を髣髴とさせる。この顔盤の発達によって、両目でしっかりと獲物を捕らえ、獲物までの距離とスピードを正確に計算できるそうである。同じような環境、餌資源を利用することによる行動や形態の収斂といえそうである。
低空を探餌飛翔(ハイイロチュウヒのメスまたは幼鳥)
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顔盤の発達した顔(ハイイロチュウヒのメスまたは幼鳥)
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獲物を見つけて降下(ハイイロチュウヒのメスまたは幼鳥)
顔がセリ科植物の陰に隠れてしまっているが、低空から真下に「ストン」という感じで落ちるのもコミミズクに似ている
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思い思いの場所を飛び回っていた2羽が、ふと出くわして、一瞬空中でぶつかり合うとそのまま旋回しながら上昇を始めた。前述のとおり、本種を見るのは大抵が低空であるため、珍しいこともあるものだと思って眺めていた。2羽は徐々に高度を上げながら水平方向にも移動し始め、海上に出るとなおも高度を稼ぎながら、そのまま沖の方向へ姿を消した。どうやら、これから南下すべく飛び出した瞬間に立ち会えたようだ。
2羽で旋回・上昇(ハイイロチュウヒのメスまたは幼鳥)
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2羽が飛び去った海上とは反対の湖面に目をやると、いつ来たのか小型の漁船が一隻操業している。捕えているのはワカサギだろうか、それともスジエビだろうか。どちらも佃煮として付近の店で買うことができる。少々甘いが、良い酒の肴になる。漁船の周りには、おこぼれを期待してかカモメやユリカモメが乱舞している。こうした光景もそろそろ終盤だろう。遅くとも半月以内に沼は結氷するはずだから。
穏やかな湖面で(漁船とカモメ類)
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渡って行ったのとはまた別のハイイロチュウヒが、少し出てきた風を利用してホバリングしているのが見える。十勝地方ではハイイロチュウヒは冬鳥として9月末に渡来し、その後11月末くらいまで各地の湖沼や原野に多いが、その数は年によってかなり差がある。また、チュウヒが厳冬期にはほぼ姿を消してしまうのに対し、本種は冬を通じて見ることができる。春の渡りは秋ほど顕著でなく、4月半ば過ぎまで残っている個体もいるが、その頃から増えてくる夏鳥と入れ替わるようにひっそりと姿を消す。
ハイイロチュウヒ(メスまたは幼鳥)
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(2007年12月10日 千嶋 淳)
さて今年の自宅の餌台は面白くスズメ10+、シジュウカラ3が毎日のように 珍客としてPica picaが来てます ヒマワリの種を食ってました それにつられてか、カラスも来ることがありますが、スズメは騒がずに木に止ってました
今日はアオジがおり無事、越冬できるか気になりました