鳥キチ日記

北海道・十勝で海鳥・海獣を中心に野生生物の調査や執筆、撮影、ガイド等を行っています。

150427 十勝川下流域

2015-06-09 23:11:26 | 鳥・春

Photo by Chishima, J.
一斉に飛び立つハクガンマガン 2015年4月 北海道十勝川下流域)


 本日の池田町は最高気温が30℃を超え、真夏のような暑さでした。家にいても仕事にならないので(という言い訳を付けて)、十勝川下流域を一巡してきました。

 あれだけいたシジュウカラガンは見当たらず、ヒシクイやオオハクチョウもほとんど渡り去ったようです。マガン、ハクガンはまだ残っていますが、おそらく1週間以内には旅立つことでしょう。約5ヶ月の間、しばしお別れです。

確認種:ヒシクイ マガン ハクガン オオハクチョウ ヨシガモ ヒドリガモ アメリカヒドリ マガモ カルガモ ハシビロガモ コガモ キンクロハジロ シノリガモ クロガモ ミコアイサ ウミアイサ アカエリカイツブリ ドバト キジバト アビ アオサギ ダイサギ コサギ タンチョウ カモメ オオセグロカモメ トビ オジロワシ アカゲラ ハヤブサ ハシボソガラス ハシブトガラス ハシブトガラ シジュウカラ ヒバリ ヒヨドリ ムクドリ ノビタキ ニュウナイスズメ スズメ ハクセキレイ タヒバリ カワラヒワ ベニマシコ アオジ オオジュリン


 10~14時の4時間程度の観察です。池田を起点にして十勝川下流域を回ると、半日コースでもこれだけの鳥を見聞できます。


(2015年4月27日   千嶋 淳)


150426 森の生き物講座(鳥編)

2015-05-13 12:00:25 | 鳥・春

Photo by Chishima, J.
ベニアジサシ 2014年6月 沖縄県)


 帯広の森・はぐくーむで行われた「森の生き物講座(鳥編)」で、僭越ながら講師を務めさせていただきました。ポカポカ陽気の中、カラ類やアオジ、キジバトなどの囀りを聞きながら野外を歩いた後、北海道の鳥類相や季節ごとの鳥の楽しみ方を室内でお話し、その後は野鳥の会十勝支部で所蔵する鳥類標本を手に取ってもらい、鳥の魅力を紹介させていただきました。


(2015年4月27日   千嶋 淳)


150425 マガン一斉調査(池田町)

2015-05-13 11:49:17 | 鳥・春

Photo by Chishima, J.
オシドリのつがい 2015年4月 北海道中川郡池田町)


 全道一斉のマガン個体数調査で、私は池田町、本別町の広域と足寄町仙美里ダムを担当しました。せっかくの機会なので、十勝ではマガン以外のガン類とハクチョウ類も対象としていますが、私の区域で確認できたのはオオハクチョウ25羽のみでした。このところの暖かさもあり、渡りが加速度的に進んでいるのかもしれません。カモ類も、この時期としては非常に少数でした。

 ニュウナイスズメやアリスイ、ウグイスなど新たな夏鳥も確認し、いよいよ本格的な夏鳥シーズンが目前に迫っていることを意識させられました。自宅近くでは珍しくシメが囀っていました。抱卵中のタンチョウの巣もいくつか見られました。早ければ連休前後にはヒナが出ていることでしょう。

 調査中に確認できた鳥は、以下の45種でした。

確認種:オオハクチョウ オシドリ ヒドリガモ アメリカヒドリ マガモ カルガモ コガモ キンクロハジロ スズガモ ホオジロガモ ミコアイサ カワアイサ アカエリカイツブリ ドバト キジバト アオサギ タンチョウ コチドリ イソシギ トビ オジロワシ アリスイ アカゲラ ハシボソガラス ハシブトガラス ハシブトガラ シジュウカラ ヒバリ ヒヨドリ ウグイス エナガ ゴジュウカラ キバシリ ツグミ ノビタキ ニュウナイスズメ スズメ ハクセキレイ セグロセキレイ カワラヒワ ベニマシコ シメ ホオジロ アオジ オオジュリン


(2015年4月25日   千嶋 淳)

十勝の自然9 アオジ

2015-05-12 16:01:39 | 鳥・春

Photo by Chishima, J.
囀るアオジのオス 2011年5月 北海道中川郡池田町)


(FM JAGAの番組 KACHITTO(月-木 7:00~9:00)のコーナー「十勝の自然」DJ高木公平さん)


 4月15日前後に、冬を過ごしていた本州などから十勝へ帰ってくる、スズメ大の、お腹の黄色い小鳥です。アオジの「アオ」はブルーではなく、昔の言葉で緑色のことを青と呼んだことに由来するもので、頭から背中にかけては、灰色みを帯びた緑色をしています。「ジ」も昔の言葉で、小鳥のことを指しますが、意味はよくわかっていません。
 平地から低い山の明るい林を好み、農耕地内の防風林や河原の林にもたくさん住んでいます。夏の十勝平野では、一番数の多い小鳥かもしれません。私が在学していた頃の帯広畜産大学では、あまりにも数が多いので、学生からは「畜大スズメ」などと呼ばれ、からかわれていました。
 しかし、その歌声は美しく、オスは木の梢などに止まって、「チョッピー チョ チッ チョリー…」と音楽的な節回しでさえずります。鳥のさえずりを、人間の言葉に当てはめて覚えやすくしたものを「聞きなし」といいますが、アオジのさえずりを「千代ちゃん、ちょっと、ビール飲みたいナ」と聞きなすことがあります。


(2015年4月14日   千嶋 淳)


150418 戸蔦別川河畔林観察会

2015-05-12 15:34:33 | 鳥・春

Photo by Chishima, J.
観察会の様子 2015年4月 北海道帯広市)


 帯広市郊外の戸蔦別川河畔林での自然観察会(主催:十勝の森とひとを結ぶ会)でした。林内の所々に雪が残るほかは地表が見え、周辺の畑ではヒバリが賑やかに囀り…とすっかり春の雰囲気です。防風林を突っ切ってたどり着いた、河岸段丘の上から見た河畔林は雪解け水でいたく冠水していたため、今回は下まで降りるのは見送って段丘上から概観するにとどめ、あとは防風林での自然観察を楽しみました。
 会が進むにつれ上がった気温に誘われてか、ゴジュウカラやハシブトガラの活動がとても活発で、葉も展開する前なので双眼鏡でじっくりその行動を観察できました。藪のある場所ではベニマシコが「ピ、ポ」と鳴き交わし、カラマツの頂ではカワラヒワがいつもの「キリキリコロロ」にくわえ、「ビーン」と朗らかな囀りを繰り返していました。
 林床のクジャクチョウやフッキソウに目を奪われながら歩を進めていると、地表に張り出した横枝に足を取られ、派手に転倒してしまいました。痛む腰をさすりながら顔を上げると、目の前にはなんと新鮮なヒグマの糞。まだ湿っています。量が少なめで木の実や昆虫などの内容物が認められないあたり、いかにも冬眠明けという感じです。河畔林伝いに移動しながら、夜間や薄暮時には台地上の防風林や畑に姿を現しているのかもしれません。周囲にはエゾシカの糞も多数転がっており、参加者の外国人の方は「こっちにベア(熊)、あっちにディア(鹿)」と楽しいジョークを飛ばされておりました。
 集合場所に戻り、紅茶を飲んだり鳥談義に花を咲かせたりしていると、オオタカとノスリが相次いで現れ、ノスリは青空をかなり高くまで上り詰めてゆきました。当初、雨の予報でどうなることかと思われましたが、後半は汗ばむくらいの陽気の中、鳥を中心に早春の自然を満喫した午前でした。朝、まだ気温の低い時間に現地へ向かう時には、畑から立ち上る地霧も綺麗でした。


確認種(鳥類のみ):キジバト トビ オオタカ ノスリ コゲラ アカゲラ ハシボソガラス ハシブトガラス ハシブトガラ ヒガラ シジュウカラ ヒバリ ヒヨドリ ゴジュウカラ キバシリ ノビタキ ノビタキ スズメ ハクセキレイ アトリ カワラヒワ ベニマシコ ウソ ホオジロ アオジ (25種)
参加者:15名


(2015年4月18日   千嶋 淳)