
All Photos by Chishima,J.
(タンチョウの親子 以下すべて 2010年6月 北海道十勝地方)
(日本野鳥の会十勝ブログ2010年7月15日より転載・加筆)
6月の前半は曇りや霧のすっきりしない天気が続き、後半は一転して真夏のような暑さと快晴の日々で、最高気温が30℃を超えたことも一度ならずありました。
6月になるとカモ科、シギ科、カモメ科など冬鳥、旅鳥を多く含むグループは、北海道より北の繁殖地に渡ってしまい、観察される種類数は前月までと比べて寂しくなります。それでも、ここで繁殖する鳥たちにとっては繁殖の最盛期に当たり、5月末から6月頭に到着した夏鳥の最終便であるセンニュウ類も加わった小鳥たちの、夜明けや夕方のコーラスは圧倒的な迫力を持っています。このコーラスも7月半ばには一段落し、引き続き囀り続けるシマセンニュウやコヨシキリ(写真下)などを除くとかなり静かなものになります。いち早く鳴き止んだオオジシギやエゾムシクイは、8月前半には早くも南への渡りを開始します。
沼や川でタンチョウ(写真上)やカモ類、カイツブリ類などの愛らしい親子連れに出会えるのも、繁殖の時期ならではでしょう。ただ、ヒナを連れた親鳥は大変神経質なので、そっと観察したら長居することなく、その場を離れてあげるのが良いでしょう。
7月下旬には早くも、キアシシギやトウネンなど戻りのシギ・チドリたちが秋の気配を引き連れてやって来ます。景色は夏の盛りそのものですが、繁殖を終えた鳥たちは種によっては換羽で飛翔力が低下することもあり、あまり姿を見せなくなります。鳥たちの中では、既に次の季節へのカウントダウンが始まっているのです。
この6月に、主に野鳥の会十勝会員によって、周辺の海上や丘陵も含めた十勝川下流域で観察された鳥は、以下の81種でした。
アビ シロエリオオハム カイツブリ アカエリカイツブリ ウミウ ダイサギ アオサギ オシドリ マガモ カルガモ ヨシガモ ホシハジロ キンクロハジロ スズガモ クロガモ カワアイサ トビ オジロワシ チュウヒ チゴハヤブサ タンチョウ ミヤコドリ コチドリ キョウジョシギ アオアシシギ キアシシギ オオジシギ トウゾクカモメ科の一種 ユリカモメ オオセグロカモメ ウミネコ ウトウ ドバト(カワラバト) キジバト アオバト ツツドリ カッコウ アオバズク ハリオアマツバメ カワセミ アリスイ アカゲラ コゲラ ヒバリ ショウドウツバメ イワツバメ ツバメ ハクセキレイ ヒヨドリ モズ ノゴマ ノビタキ アカハラ ウグイス エゾセンニュウ シマセンニュウ マキノセンニュウ コヨシキリ エゾムシクイ センダイムシクイ キビタキ コサメビタキ エナガ ハシブトガラ ヒガラ ヤマガラ シジュウカラ ゴジュウカラ ホオアカ シマアオジ アオジ オオジュリン カワラヒワ ベニマシコ シメ ニュウナイスズメ スズメ コムクドリ ムクドリ ハシボソガラス ハシブトガラス
朝日を受けて囀るコヨシキリ

(2010年7月15日 千嶋 淳)