走る営業公務員、奮闘記!!

地方分権が進展する中での地方からみた木っ端役人の奮闘記です。

ガラス張りで、地域を大改造!

2011年05月15日 22時07分46秒 | おもしろい
 今日のTBSの夢の扉プラスのテーマは「ガラス張りで、地域を大改造! ”見られる”住宅で、コミュニティを甦らせる・・」だった。
内容は次のようなものである。

 玄関も、居間も、トイレまでも丸見え?ガラス張りの、その斬新な住宅には、度肝を抜かれる...。
数々の建築賞を受賞した建築家、山本理顕。
設計の根底には、彼が生まれ育ってきた町並みと原風景がある。
隣のおじさんに怒られる...。
近所のおばさんたちが食料を分け合う...。
昔ながらの地域社会が、人と人との絆を深めてきた。

 しかし、1住宅に1家族という価値観が定着していく中で、山本は限界を感じつつあった。

 システムは制度疲労している。
プライバシーは確保できても、密室化して、何もかもが見えなくなっていく。
子どもも、高齢者も、障害者も。
 孤独死をも生み出し、家庭内のトラブルも密室化させ、問題をこじらせる。
いまこそ、地域の復権を...。 

 山本は新たな考えを打ち出した。

 「地域社会圏」。

住宅を飛び越え、地域社会のあり方をも設計する。
彼の物静かな語りとは裏腹に、社会を改革しようという執念が見え隠れする。 
その建築の理念が評価され、世界から声がかかる。
コンペを独占する。
一方で、奇抜な建築だけに、国内外でも賛否両論はつきまとう。
 でも、山本は信念を貫く。 
家族のみならず、「地域と一緒に住む」住宅をと..。


 この番組を見ていて、日本社会のコミュニティの崩壊要因のひとつを確信した。
大家族から核家族へ家族という単位が小さくなり、ひとの絆が壊れていった。
そこには、住居形態も間接的に影響を及ぼしていることも。
そして、今、家庭内コミュニケーションも壊れかかっている。

 山本さんが一番最初に手がけた大きなプロジェクトの熊本県の県営団地。
住民からプライバシーを侵されると苦情の嵐...
しかし、山本さんは粘り強く住民説明会を開催していく。
それでも、住民は納得しない。

 そんな中、独居の老婦人が恐る恐る手を挙げる。
「私、向かいに見える明かりがあるだけで安心するんです」

 山本さんは自分の信念と行動を確信する。

 私たちの仕事は、日々なんでもないように思いがちだが、人の心や地域コミュニティまで動かすことがある。
しかし、そのことに気づかずに仕事をするのとしないとでは大違いである。

 私たちに与えられた権限は、桁はずれている。
だが、そのことを理解し、上手に使うことができるかどうかで、そのまちの方向性までも変わるということを真摯に受け止めておかねばならない。