走る営業公務員、奮闘記!!

地方分権が進展する中での地方からみた木っ端役人の奮闘記です。

鎌倉シャツ

2011年08月20日 12時05分08秒 | ちょっといい話
 「ガイヤの夜明け」という番組を見ていて、東日本大震災で被害にあった縫製工場の話が紹介されていた。
その工場は、中国から研修生を受け入れていたのだが、震災後、その研修生が帰国してしまい3割生産能力が落ち込んだという。
誰も、この研修生を責めることはできない。

 そして、人件費などの事情から海外研修生を活用しなければならない中小企業の台所事情も垣間見える。
国際競争は、誰よりも中小企業を直撃している。
そこで、経営者は被災者の雇用に踏み切る。
 しかし、ゼロからのスタートなので生産能力はなかなか上がらない。
 
 話は変わって、「鎌倉シャツ(http://www.shirt.co.jp/)」というメーカーがある。
 この会社の創業者の貞末良雄さん(現会長)は、かのアイビーファッションの旗手「VAN」に入社し、独立した方である。

 実は私も、東京へ出張したときには丸の内ビルの地下にある店舗へ時間があると覗きにいったものである。
 そして、そういう事情(創業者がVAN出身であるということ)を知らないまま、自分の嗜好にあったファッションセンス(実は、私も一時IVYファッションに凝っていた時代がありました)の同店舗をお気に入りに登録していたのである。
 なによりもここのシャツは内側がすれないのである。
下着をきるのでわかりにくいのだが、ひどいシャツになると下着を通して肌がチクチクする時がある。
だが、ここのシャツはそれがしない。
価格は、5000円台だが縫製がしっかりしている。

 番組を見ていて知ったのだが、「巻き伏せ本縫い」という特別な仕様にしてあるというのである。
「それで着心地がいいのか」と思い当たる。

 この鎌倉シャツが、この縫製工場に手を差しのべた。
貞末会長は言う。「毎日支援することが大切」と

 そして、同社は「東北から、ありがとう」というタグを入れることにして、従来よりも多く追加発注した。
また鎌倉シャツ社員全員の応援ビデオレターをつけることで、ともにがんばりましょうと勇気づけたのである。
これを受けて縫製工場の社員の士気は上がる。
新人たちも、「がんばります」という言葉を言うようになる。

 この経営者は、日本人だけでがんばる大切さを感じ取っていた。

 日本のモノづくりの原点がここにある。
 利益だけを追求する従来の考え方では、誰も幸せにならないということを皆が早く気づくべきである。

 日本の細やかさを追求できる技術こそ、国際競争力なのである。