過労死予備群の「食から笑顔になる生活」

夜討ち朝駆けで仕事する日々。忙しくとも自分なりの手間をかけて、美味しく笑顔になる生活を志します。

江戸から現在に繋がる食 2. 欄熟した町人文化を示す御膳

2020-08-28 17:17:00 | 日いづる国の伝統食
森アーツセンターギャラリーで開催中の、「おいしい浮世絵展 ~北斎、広重、国芳たちが描いた江戸の味わい~」の鑑賞券を必要とする(笑)食のいくつかを、これからご案内します。(ニッコリ)



■おいしい浮世絵展 御膳
○握りずし
○ふわふわの卵とじ丼
○豆腐田楽
○海老の天ぷら
○水菓子・すいか



大人のお箸と並べると、この物体(!)の大きさが伝わるでしょうか?(笑)
今の「握り」のご先祖は、女性の片手に余る、グワシッと手掴みしないと、持てない、表記どおりの「握りずし」だったのです。

鮪の赤身、厚切りを二枚、重ねて握った、ほの温かい酢飯なのです!
寿司の始まりは、ファストフード。働く人の小腹を満たす、立食いであったとは聞いていましたが。よもや、温かさの残る酢飯の、たわら状で片手にもてるおむすびタイプとは思いませんでした。
そして、この形を見て、手にすると、食べやすくするためにも、鮪の漬け、は生れたと、分かります。味がしっかりして、堅さを増したほうが、食べやすいから!
面白い! 体験が知恵を加速します(ニッコリ)。

握りずしは、欄熟した町人文化が花開いた、文政年間(1818-1831)に生れたと伝えられています。シーボルトのスパイ疑惑があり、異国船打ち払い令がでた、鎖国から扉が開かれようとした時代。町民が豊かな力をもって、時代の変革に向かおうとした時代です。
沢山の人をもてなすために、作りおいて出せるフィンガー・フードは重宝だったことでしょう。

卵とじ丼:ふわふわの、汁だくのかき玉を、白飯にかけた物でした。塩気が気持ちよく、さらっとイケる、強飯を喜ぶ下町の昼餉だったかな?と想像しました。

豆腐田楽:塩っぽい味噌を溶き延ばして、木綿豆腐にぬって、火鉢で炙ったかと思う、素朴な品。桜の頃の屋台に同じ味でした。

海老の天ぷら:今のパリッと衣ではなく、昭和に近い、しっとり衣です。

すいか:これは懐かしい。水物と呼んだ、薄い砂糖水に、角切りにしたスイカを浸け置いた品。
ちびの頃、井戸水で冷やした硝子鉢にいけてあって。氷みかん、白玉が一緒に入っていて、「逗子のおばちゃまの昔フルーツポンチ」と呼んで喜んだ、思い出が、甦ってきました(ニッコリ)。

展示会とのコラボ食という、こだわり。
これらの食が、実は同じ形で、浮世絵の中にあるのです。(ニッコリ)
浮世絵の中の江戸の食が、現在に繋がる食なのです。

■Cafe THE SUN、六本木ヒルズ森タワー52F


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江戸から現在に繋がる食 1. 美味しい浮世絵展を見に行く

2020-08-28 15:16:00 | 日いづる国の伝統食
本来は春先の公開の予定でした。
『おいしい浮世絵展』
森アーツセンターギャラリー、六本木ヒルズ、9/13まで

COVID19の感染拡大に伴う、緊急事態宣言に従って延期されて。予約による入館人数制限、マスク、距離確保、発話制限等を備えて 、7月半ばに開催に漕ぎ着けてくれました。

代休と予約が噛み合って、やっと私も滑り込めました(ニッコリ)。


※ 館内は何ヵ所か、撮影が許可された場所以外は、禁止です。こちらは、実際の浮世絵を拡大複製貼付した作品で、撮影が許可されています。

浮世絵は、江戸文化の豊かな外交官です。江戸以外の町へ、世界へ、豊かな特別な風俗を伝える力を、示してきました。
現代の私達から見れば、江戸の風俗史を伝えてくれる、芸術作品でもあります。

今回の展示は、その浮世絵の中に描かれている「食」に着目しています。

舞台で見栄を切る、役者が、鰻をさばいていたり。
美人画に描かれた姉様の、ちがい棚には、大皿に盛られた食やお酒が並ぶ。
川開きの花火を見上げる堤や、掘割には屋台が並び、あずま屋には団扇片手に、ばくつく人が描かれて(笑)。

鰻、すし、蕎麦、天婦羅、豊富な魚介、水物に徳利。調理から食すまで、実に丹念に描かれていました。

引用した浮世絵では、屋台が隙間なく並び、お客様を呼び込んでいます。お洒落した大人の賑やかな集まりが、江戸の賑わいを、くっきり示しています。
すし屋、団子屋には、品が山と積まれていて。提灯に火が入って。

三密を避けて、と厳命される日常から、まったく違う、祭りのざわめきが、聞こえてくるようでした。胸に沁みました……。



出かけていく食だけではなく。
江戸には、担ぎさんがいて、屋台を運んで、辻まできてくれる生業もありました。
これは蕎麦の担ぎ屋台。お声をうけて、卓を設え、熱々を作ってくれた、選択肢のある、江戸の豊かさが伝わってきました。

会場には、沢山の浮世絵、下絵、当時の帳面、双六が展示されています。
また、コーナーごとに、当時の流行りを再現した、食のレシピも、掲示されていました。
見歩くうちに、きっぱり、お腹が空いてくる(笑)、展示会です。どうか余力をもって、観覧してください(笑)。



ワタクシは、先にお腹を整えてから、観覧しました(笑)。展示会に併設した、江戸の再現食の企画も、とても楽しみに待っていたのです。
では、記事を改めて、次に進みます(ニッコリ)。今の私達の食は、江戸時代に繋がっているのです。お楽しみに。


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