元・福島県知事で『知事抹殺-つくられた福島県汚職事件』の著書である佐藤栄佐久氏の新刊『福島原発の真実』を読んでいる。
原発政策と闘い続け、無実の罪を着せられた佐藤氏が、3.11で被災後、改めて過去の原発推進の「嘘」と、今なお福島県民を、いや、すべての国民を翻弄し続ける「嘘」を告発している。
福島県知事として、福島県民として、東電や政府と対峙したなかで得た真実の声が聞こえてくる。「原子力村」の汚いやり方に溜息しか出ない。
今日の東電株主総会では「株主402人が提案する原発からの撤退などを定款変更を諮る議案については、“反対多数”とされ、否決された。」と、さも原発推進派が多かったような報道のされ方だった。
でも、ジャーナリストの岩上安身氏や弁護士の紀藤正樹氏、郷原信郎氏など出席した何人もの方からの報告で、実際には「反対多数」などと簡単に言い切れなかったことも分かった。
そして「原発事故は異常な天変地異のせい」と責任逃れの弁明をした東電の腐り切った体質は変わっていなかったということも分かった。
東洋経済オンラインで配信された、西尾正道・北海道がんセンター院長(放射線治療科)の「福島原発事故における被ばく対策の問題・現況を憂う」や、深尾光洋・慶応義塾大学教授の「『風評被害』の元凶は誰か、政府の情報開示法は誤り」を読むと、実態が本当によく分かる。思っている以上に被曝の事態は深刻である。
私たちは知らん顔をしたり、忘れたりしてはいけないと思う、悲惨な現実を。そして、少しでも光が射す方向に変えていかなくてはいけないと思う、何度も心が折れそうになっても。