小さな栗の木の下で

保護犬のミニチュア・ダックスを引き取り、
小型犬との暮らしは初めて!という生活の中で、感じたことを徒然に…。

自家製梅干し

2008-07-30 | つぶやき


 「自家製」といっても、私が漬けているわけじゃないんです。この梅干しはトチの娘をもらってくれ、ときどきこのブログに登場する岡田清美さんが作っている梅干しの写真。これ、減塩1日目の様子。
 彼女はお味噌も、ジャムも、紅ショウガも、何でも手作りする人です。彼女は建築系CADのオペレーターをSOHOでやっているので、フリーランスの私はその仕事のパターンもよく分かっています。忙しいときは食事をする間も惜しんでパソコンに向かう日々。もちろん徹夜も厭わず(ホントは仕方なく「厭わず」であることも、同じような境遇なのでよく分かります!)、納品期限前に仕上げます。
 というような日常の中で、彼女はちゃんと無添加の保存食を作り上げていく。送られてきたこの写真にはそんな喜びが溢れていて、私はとても豊かな心持ちになったのでした。はちみつ漬け梅干しに使うはちみちが「栃の花」のはちみつと聞き、なおのこと感動しちゃったりして…。

      

 この減塩3日目の梅干しの美味しそうなことといったら…! 安心できて美味しいものを作るには手間がかかり、また、それを市販で手に入れようと思うとけっこう高くつきます。
 でも、体が自然を求めるのであれば、というより、自然の力を体に補給するには、それも当然のことなんですね。口から摂取するもので、私たちの体はできているのですから。自給率40%にも満たない国に暮らしている私たちは、食について、自然の恵みについて、もっと真剣に考えなくてはいけないのだと思います。清美さんから届いた梅干しの写真を眺めながら、ナマツバを飲み込みつつ、静かにそう思いました。

 ちなみに彼女、以前私に、ご飯がものすごく美味しく炊ける羽根釜を送ってくれたことがありました。それで炊いたご飯を食べるとき、化学調味料漬けになった梅干しは「まったく合わん! お米に申し訳ない」と思って手作りに至ったとか…。確かにあのお釜で炊くお米は旨い! 今度は清美さんお手製梅干しで、そのご飯を食べてみたいものです。
 って、これ、何気ない催促? 梅干し欲しさの?
 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

栃の花のはちみつ

2008-07-27 | 犬&猫との暮らし

 妹家族は同じマンションの4階に住んでいるのですが、ちょっとした届け物があるとお互いのドアノブにかけ、「笠こしたよ」とメールで知らせ合います。この「笠こ」という私たちの隠語は、お地蔵さまが善い行いをしたおじいさんの家の玄関先に、こっそり贈り物を置いて行ったという昔話「笠こ地蔵」から来ています。まあ、私たちの場合は、お互いが善い行いをしたから届け合うわけじゃないのですが。

 で、昨日、妹の相棒から「送られてきたものを並べたら、偶然トチブナクリが揃ったので、思わずおすそ分けです。ドアノブに笠こしました」というメールが入りました。
 何? トチブナクリが揃ったとはどういう意味? と思いながら、玄関先のレジ袋を取りに行くと、中に入っていたのは、はちみつと甘栗。
 はちみつは「ブナの森」の「栃の花」のはちみつ。なるほど、これがトチ・ブナ・クリが揃ったということでしたか! 気がきいていますねぇ。栃の花のはちみつなど、存在することすら知らなかったもの。

 このはちみつを販売しているのは、松本養蜂総本場というメーカーさんで、栃の花のほか、「菩提樹」や「こしあぶら」「山桜」など、珍しいはちみつを売っています。
 何が気に入ったかというと、東北・北海道産のはちみつのシリーズを「ブナの森はちみつ」と名づけ、西日本産のはちみつのシリーズを「照り葉の里はちみつ」というネーミングにしているところです。「照り葉の里はちみつ」には「くろがねもち」「からすのさんしょう」「そよご」など、いずれも見たこともない樹木の花のはちみつがラインナップされています。ちょっとワクワクしますね。いろいろ買い揃えてみたくなりました。
 ちなみに、松本養蜂総本場の商品は、
http://www.buna-ki.co.jp/で見られます。

 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

動物感覚が失われるようで

2008-07-24 | つぶやき

 今週から向こう3週間余り、ある大手企業の社史編纂室に詰めて仕事をすることになったので、毎日ワンコたちには長い留守番をさせています。
 その編纂室はウォーターフロントにそびえる高層ビルの32階にあるのですが、部屋には窓がなく、喫煙室か談話室、給湯室に行かなくては、周囲の景観を眺めることができません。一度そのオフィスビルに入ってしまうと、カフェテリアのような社員食堂は完備しているし、ビルの外に出て行く必要がないんですね。ビルに入るにも入館証が必要で、他の階に行くにもIDカードをかざさなくては出入りができません。窓のない部屋といい、高層ビル特有の天井の低さからして、何となく幽閉されているような気分。

 確かに高層階から眺めるベイエリアの風景は爽快といえば爽快です。近くにはショッピングモールのあるファッションビルや便利な都会型のホームセンターもあるし、こぎれいな場所ではあるのですが、何か物足りない。現代建築のビルばかりで、視界の中にこんもりとした緑がないんですね。埋立てて開発された地域だから、仕方ないのかもしれませんが、何か殺風景に感じてしまう。

 毎朝、ゾロゾロっとビルの中に吸い込まれて行き、快適そうに見えるオフィスで仕事をして、夕方、またゾロゾロっと地下鉄に吸い込まれて家路につく、たくさんのサラリーマンやOLさんたち。お給料もいい、一流企業の仕事人たちには違いないのでしょうが、ロボットみないな感じなんです、所作といい、精気のなさといい…。
 人間が動物であることを忘れてしまうような、そんな毎日は私にはどうも息苦しくていけません。
 

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

フジとチビ

2008-07-21 | 犬&猫との暮らし

 フジとチビは、いつも行く河川敷に捨てられていたのを、ゴルフの練習に来ていたおじさんが拾い、飼っていた犬です。
 8年くらい前になるでしょうか。その日はとても早い時間に河川敷に出かけました。手前の川を渡り、土手に続く道を登って行くと、前方の朝靄の中にすっくと立つ、見慣れないシルエットがありました。鹿? まさか…。河川敷では見かけたことのない姿形の動物。とても幻想的な風景でした。ゆっくり車を走らせて行くと、その生き物が靄の中から姿を現しました。
 それがフジとチビとの初めての出会いでした。すっくと立っていたのがフジだったのか、チビだったのかは分りません。そのときは名前も知りませんでしたし、区別が付くようになったのは、ごく最近のこと。でも、とても印象的だったのです。凛としたたずまいがあまりにも美しかったから。

 それからしばらくして、河川敷のいつも停めていた場所に車を乗りつけると、2頭がやってきました。テールゲートを開けてうちの犬たちを降ろすと、なんと2頭がうちの車に乗り込んでしまったのです。人懐っこいようではありますが、体は大きいし、しかも両目の色が異なり、片方は薄い茶色、片方はブルー、それもはっきりと白濁したブルーで、見た目はかなり怖そうな印象です。その大きさと目の色からドーベルマンとシベリアンハスキーのミックスかもしれないと思いました。
 「困ったねえ、お前たち。これはお前たちの車じゃないんだけど」。2頭は当たり前のように後部荷台に乗り込んだまま。よく見ると首輪に電話番号が書いてありました。
 私は仕方なくその番号に電話をかけました。飼い主さんは年輩の女性で、すぐに車で迎えに来たのですが、その2頭の散歩の仕方が豪快で、当時は早朝5時前だかに車で河川敷に連れてきて2頭を放すと、飼い主さんは一度うちに帰ってしまいます。その間2頭は自由気ままに河川敷を散歩して回るのです。頃合いを見て、2頭はいつも車から降ろされる場所に戻り、飼い主を待っているというのです。2頭の名前も分りました。
 初めて美しい姿を見かけたのは、そうして勝手に散歩していた時だったのでしょう。そして、後部荷台に乗り込んできたのは、飼い主を待ちくたびれたのか、早く車に乗り込みたかったのか、すっかり帰る気になっていたようでした。

 飼い主の女性のご主人は、私が出会う1年前だかに病気で急死してしまったらしい。そのご主人が河川敷で捨てられていた2頭を拾ったやさしいおじさんです。ワンボックスカーの後部荷台は2頭のためにコンパネで扉付きの囲いが作られ、見事な犬専用車両になっています。
 おじさんに代わって急に大型犬2頭の世話をしなくてはいけなくなった彼女の秘策が、「早朝放しっぱなし勝手気まま散歩法」だったのでした。私にはかなり心配な方法でしたが、河川敷から交通量のある道路を渡って、家に帰ってしまうことはないそうで、必ず迎えに来るまで待っているか、迎えに来てもまだ河川敷の遠くのほうにいるので、連れに行かなくてはならないと言っていました。

 現在フジとチビは14歳を越え、フジは腰を悪くしています。すぐによろけて転んでしまう。写真もへたっているほうがフジです。今はもうフジの足腰が萎え、心もとないので、以前のような豪快な散歩のさせ方はしていないようですが、なんとこのおばさんは老犬2頭でも大変なのに、もう1頭捨てられた成犬の面倒を見始めたのです。フジとチビは問題なく受け入れてくれたそうですが…。頭が下がります。

 トチと歳も近く、ともに同じ河川敷で歳を重ねてきたので、年中会わなくてもフジとチビには思い入れがあります。フジがよろけて転ぶのを見るとそれだけでも哀しいのに、あの美しいシルエットを思い出すと、無性に切なくなるのでした。
  

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

オットセイか!

2008-07-20 | 犬&猫との暮らし
                     オットセイか!
 と思わずつっこみたくなるクリの顔。今朝の散歩を終え、車中で撮りました。クリはなぜいつもそっくり返る?

   
  
 なぜか「イヒヒ…」といったオヤジ顔のブナ。トチはトドのようだし…。車中は旭山動物園のようでありました。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今年のカサブランカ

2008-07-19 | 植物


 庭でいい香りがしています。4年前に大きな球根を頂いたので頃合いを見て植えたら、翌年大きなカサブランカが咲きました。昨年は少し花房が増えて咲き誇り、今年、3年目の開花です。
 
       

 こちらはサルビア・グアラニチカ。「ハーブをあげるわよ」と声をかけられ、欲深い私は食用のハーブが頂けると思ってもらいに行ったのですが、ほとんどのハーブが観賞用でした。これもそのひとつ。
 以前、サルビアといえば「赤い花」だと思っていたのですが、ずい分種類が多いことを知りました。頂いたときは小さく刈り込まれた苗だったのにずんずん成長し、今では1mを越えています。秋口まで花を咲かせ続けるらしい。食用ではありませんが、香りが独特で楽しめます。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

この花は、たいまつ花?

2008-07-19 | 植物

 実家の母はよく花の苗をくれるのですが、彼女も人からもらって名前が分からなかったり、聞いたのに忘れてしまったりし、母からもらう私もそのパターンなわけです。
 この花も母が苗をくれたので名前も知らず、どんな花が咲くのかもわからないまま、育てていたらこんな花が咲きました。この花、何でしょう…。たいまつ花? また調べなくちゃ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

エアコンから出る水

2008-07-16 | つぶやき

 空梅雨でしょうか。雨続きではないので犬たちのお散歩は楽ですが、蒸し暑い日が続いています。大きな犬3頭にハアハアされると聞くだに暑苦しいし、実際、熱気ムンムンといった感じです。
 うちでは1カ所にだけあるエアコンを、日中26℃のドライ運転にしております。引っ越してくる前から付いていたエアコンが壊れ、昨年泣く泣く(懐が泣いたんですね)新しいエアコンに取り換えたのですが、な、な、なんと、エアコンの利きもよく、電気代がかなり節約されたのには驚きました。新型の家電はホントに省エネタイプなんですね。
 利きがよいので冷房運転にしたことがありません。ドライの26℃設定でも充分涼しい。それでもずい分、室外機から水が出るのですが、私はこれを溜めています。庭に使わなくなった大きなポリケースを置き、その中に室外機に着いているホースの流出口を垂らしておくと、これがまた、ずい分水が溜まるんですね。
 その水を、植物の水やりに使っています。もちろん野外に置かれたポリケースですから、雨水も溜まります。エアコンを使わない季節は、お風呂の残り水が庭にまかれるのですが、夏は何度もバケツに水を汲んで、庭と部屋を往復しなくてもよいので楽チンです。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

テープ起こし

2008-07-15 | つぶやき
 ここ4~5日、特急納品のテープ起こしをやっていて、まあ、しんどかったこと! 40~45分の講演が6本ばかり、録音環境があまりよくなくて、発言者の声が聞き取りにくいだけじゃなく、マイク近くにいたオジサンのしわぶきが大音響で入っていて、ひえ~!でした。
 聞きながら速効キーボードを叩くので、いちいち手で再生機を操作している時間が惜しい。で、足で「止める」「進める」「戻す」の操作ができる再生専用機を使います。聞き直しが多いとなかなかはかどらず、かなりストレスがたまります。「ああ~、語尾をはっきりしてくれ~!」なんて思わず呟いたり、フットコントローラーのカチャカチャいう音だけが虚しく響き、操作する右足の親指が痛くなったりして、徒労感が募ります。まぁ、特急納品だったので仕方ないのですが。

 どんな分野であろうと受けた以上やるわけですが、まったく馴染みのない分野だと確実な専門用語を記入するには、テープを起こしながら語彙を調べることも多い。知らない人は「簡単なんじゃない?」と思うかもしれませんが、テープ起こしという仕事は耳は酷使するし(何度も何度も繰り返し聴きますからね)、気も使うし(聞き取れないからといって、適当に書くわけにはいきませんし)、調べ物も多いし、単に逐語反訳(しゃべっているままを書くこと)だけなら、何度か聞き直して書き取ったら終わりですが、整文するとなるとリライト力も必要となります。仕事としてテープ起こしを受けるようになる前は、私も「だれでもできるんじゃないか」と思ってましたが、いやいや、なかなかどうして、想像以上にしんどい仕事なんですね。

 以前、会食中の会話を起こしたことがありました。食器の音に加え、くちゃくちゃと食べ物を咀嚼するやスープを「ズズゥー」っとすする音まで録音されていて、あれにはまいったなぁ~。かなり品のない食べ方をする話し手でありました。

 さぁてと、今日はほかの仕事はやめて、ビールでも呑もうかな。ここのところ、ワンコたちに丹念なマッサージをしてあげていなかったので、ゆっくり腰や足の関節をほぐしてあげようっと。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

驚きのジャンボキュウリ

2008-07-10 | 植物


 ナスやシシトウの苗を下さった大石さんに、ナスが実り、犬たちと分け合って食べたと報告したところ、犬たちの分け前が1本の半分のさらに3分の1と聞き、爆笑しつつ哀れに思われ、昨日、自分の畑で採れたナズをわざわざ人数(頭数)分だけ届けに来てくれました。
 そこに一緒に入っていたのが、瓜には違いなさそうだけど、何だか分らず、思わず「これ、何ですか?」と聞いてしまった写真の野菜。細いヘチマかと思ったら、なんと、キュウリでした。

 長崎出身のご主人には、この大きさのキュウリが当たり前なんだとか。私たちになじみの、店先で売られているキュウリは「未熟な実だ」と言い、口にしないのだそうです。
 「近所のハスキー犬がこのキュウリをうれしそうに食べるので、もしかしたら、と思って持って来たの。これなら犬たちも、たっぷり食べられるでしょ」と。確かに。
               
               直径7cmくらい。切り口はこんなです

 うちの犬たちもキュウリや大根は大好き。こんなに大きければ、何回かに分けてもたっぷり食べられます。さっそくサイの目切りにしてエサに混ぜてやりました。
 今夜は自分用に、酢の物にしてみよう。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

都立光が丘公園にて

2008-07-08 | 犬&猫との暮らし

 森を歩きたくなって、今朝は練馬区にある光が丘公園へ。車で20分ちょっとかかりますが、こちらに越してくる前、トチが子どもの頃はよく出かけた公園です。そういえば、トチ、ブナ、クリの訓練はほとんどこの公園でやったんだっけ。

 光が丘公園は第2次大戦中、陸軍の成増飛行場があった場所で、戦後、グラントハイツとして米軍が管理していました。昭和48年、すべての返還手続きが完了した後、およそ3分の1の敷地が公園として整備されたそうです。
 もともと飛行場があったくらいだから、3分の1の広さといえども、敷地面積は広大です。陸上競技場、野球場、テニスコートをはじめ、デイキャンプができる広場、バーベキュー専用の広場、開放的な芝生の広場、子ども用のアスレチックなど、一日いてもたっぷり遊べるだけの空間や施設があります。10年前は無料だった駐車場も、今では1時間300円。ちと高い。
  
     広々した芝生の広場          木立の中も散策できます
     
      売店脇には、かつてはなかった犬をつないでおけるスペース
      がありました。基本的には、やはり園内オフリード禁止です 

 一人で3頭の面倒を見ることになったとき、腕は2本しかないし、目も2つ。一人で収集つかなくなったら、どうしようと多少の不安もなくはなかったけど、まあ、やってみれば、犬たちのほうが「仕方ない、お母さんに協力するか」と理解を示し、お互いに慣れていきました。
 今ではどこの公園もぞろぞろ引き連れて歩いています。たいてい「まあ、すごい」とか「よくやるねえ」とか「大変でしょう、3頭もいたら」など、呆れ・感心ふうの声がかかります。
 3頭が本気で私を引きずり回す力を出せば、勝てないかもしれないけれど、そんなことは一度たりともありませんでした。私にはちょっと引っ張られたくらいじゃ負けない腕力と意志があり、手がふさがっていれば、怒号とともに足だって出せるので(お尻を蹴るとかね)、困ることはありません。
       
 信頼に足る飼い主であるための努力は惜しまなかったし、勉強もしたつもりです。犬の生態をはじめ、しつけに関する本、ペットを取り巻く環境やペット産業に至るまで関連書籍を読みあさり、さまざまな講習や研修にも参加してきました。
 でも、大切なのはそうした知識より、それを犬たちが経験に変えてくれたことかな。その経験の中で直観や異種間の絆を育めたことが私には財産です。ただ愛玩するだけの飼い方をしていては感じ得ない深い交流を持てたことは幸いだけど、どんな動物にもそうする用意は常にあるのだと思います。こちらが気づこうとしないだけで。
 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

犬に伝える大切さ

2008-07-07 | 

 犬に体を意識させたり、体の使い方を思い出させる方法に、「バンデージ」と呼ばれる伸縮性のある平織りのテープを使う方法があります。下の写真はうちのクリにバンデージを巻いたときのものです。
 クリは散歩に出る際など、舞い上がってガオガオします。後肢から飛びあがるように動きまわる。おそらく後半身に意識がないのでしょう。そこで全身を感じてもらうために、バンデージを巻いてみました。だからといって、すぐにガオガオが収まるわけではありませんが、毎日、意識喚起させてやることで姿勢が正され、深い呼吸ができるようになれば、落ち着きを取り戻しやすくなります。
         

          バンデージを巻くとこのようになります
                         

 とある講習で、参加者が連れて来たコーギーのマリちゃんに、それを試したことがありました。
 マリちゃんは両方の後肢に麻痺があり、普段は後肢を引きずるようにしながら、前肢の力だけで歩いているそうです。変性性脊髄症とのこと。マリちゃんは痛みを感じていないようですが、歩かせる場所は、引きずられた後肢にダメージが少ない草地や砂浜だそうです。飼い主さんは少しでもマリちゃんに後肢の感覚を思い出してほしいと思ったのでしょう。見守っている参加者全員が同じ気持ちだったと思います。

 けれど、何をされるのかと緊張感でいっぱいだったマリちゃんは先生を威嚇しました。飼い主さんにバンデージを巻かれ、大勢の前で歩くよう誘導されているマリちゃんの表情は険しく、瞳には戸惑いや怒りが宿っていました。私はものすごい哀しみに襲われ、思わず嗚咽を漏らしそうでした。マリちゃんの戸惑い、怒り、嘆きが伝わってきたのです。「なぜ、こんな人前に曝されなくてはいけないのか」「私は飼い主さんといつも通りの散歩をしていれば十分なのに」、そんな叫びが聞こえました。

 そうですよね。人間だって、どこかに障害があり、そのリハビリ風景や治療を、何の断りもなしに人前に曝すことになれば、気分が悪いに違いありません。公衆は良い意味で興味深く見守っていますが、本人にしてみれば、イバラの茣蓙の上に座らされているような気持ちでしょう。

 でも、マリちゃんに行なった方法やそれに付随するマッサージは、きっとマリちゃんの体を楽にしてくれるものと思います。
 問題はきっと、日頃からこうすれば楽になるだろうことを信じているから、マリちゃんにしているのだということや、人前でバンデージを巻くことになること、つまり、こうした状況になることを、飼い主さんがあらかじめマリちゃんによく言い含め、理解してもらおうとしてきたか、ということではないかと思います。

 飼い主の真摯な愛情は、犬にはちゃんと伝わります。たとえ犬にとってあまりうれしくない状況でも、犬は我慢して受け入れます。でも何かにつけ、意思を十分に伝えておいたほうがいいと、私は思います。犬が長い文章や言葉を理解するという次元の話ではなく、意思は伝わるのだと思っています、確実に。
 犬には感情がないとか、犬はものごとを考えないなどと言われていた時代はとうに過ぎました。盲導犬の「利口な不服従」が示す通り、犬自ら判断できる思考回路を持っているのです。
 マリちゃんの一件は感情がイメージ化されることも改めて体感するものとなり、ふっとまたJ.アレン・ブーン氏が著した『動物はすべてを知っている』が読みたくなったのでした。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ドキドキするトチの寝姿

2008-07-06 | 犬&猫との暮らし

 寝姿といっても、色っぽい話じゃありません。
 トチはもう耳が聞こえないので、私が帰宅しても迎えに出て来ないこともあるし、別の部屋で寝ていると呼んでも気付かないので、ときどき探しに行ったり(そんなに広いうちじゃないけれど)します。
 あまりに熟睡していると、揺すってもすぐには起きず、死んでしまったのかと思うこともしばしば。寝姿そのものが、遺体みたいなんだもの。おなかがたぷついているので、呼吸もしているんだか?という状態。慌てて「あああ、トチーッ!」などと叫んで揺すると、はらっと目を開け、迷惑そうに「何?」という顔をする。

 でも、知らぬ間に(というのもちょっと淋しいかも知れないけど)、ひっそり息を引き取ったとしても、いいかなとも思います。長い闘病生活で苦しい思いをしたり、入院しっぱなしで懐かしい布団の匂いも嗅げずに逝くのなら、今のように特にどこか痛いとか、悪いとか、そんな状態ではなく、寝入っている間に静かに心臓が動きを止めても、トチにとったら、使い古した肉体から離れただけということになるのかも…。
 な~んて、まだトチが健やかそうだから言えるでしょうね、きっと。

 ブナの姉妹犬ほたるのうちを訪ねたとき、飼い主の清美さんが「(カヌーイストの)野田知佑さんは、愛犬ガクの亡骸を自分で捌いて、ガクの毛皮でベストを作ったというけれど、ノエルやほたるの毛皮で作ったベストを私が着てたら、どう?」なんてことを言い出したので、愛犬の死について、というより、事後処理について、たった二人ながら騒然となったのでした。
 ガクは日本初のカヌー犬として、14年にわたって野田さんと行動を共にした犬です。野田さんにしたら「愛犬」などという甘っちょろい関係じゃなかったのだろうと思います。ガクの毛皮を自らなめし、肌身離さず着用しているんだもの。
 清美さんも私も、毛皮は残したいかも? でも、自分で捌くなんてできない。いや、やっぱり自然に還したほうが…。でも、何か残しておきたい。いやいや、そこまで執着するのはどうか…、などなど、ああだこうだ言い合ったものの、結局、何にも答えは出ませんでした。

 妹にもその話をしたら、「あまご(数年前に急逝した、彼女がとても可愛がっていた猫)なら、襟巻にして身につけたいと思うけど、自分で亡骸を処理することはできないな」と申しておりました。そうだよなぁ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

カエルちゃん

2008-07-06 | つぶやき


 昨日、夕方から庭で草むしりや剪定をしていたら、物干しの土台の下からカエルが顔をのぞかせました。多分、アカガエルだと思うのだけど。のっそのっそと出てきたその大きさは、ちょうど手のひらに乗るかなといった感じ。ピーターラビットの物語に出てくるカエルそっくり。
 こんなに大きなカエルが庭にいるのかと思ったら、楽しくなりました。カナヘビもチョロチョロしていたし、子どもの頃、よくはがして遊んだ地蜘蛛の巣も見つけちゃったし。

 いつかは1mくらいの緑色のヘビが、塀伝いに這って行ったことも…。ヘビとは特にお近づきにならなくてもよいけれど、庭にさまざまな生き物がいるなんて、すてきだなぁ。

 1本実ったナスを収穫し、犬たちと半分こ。私はピーマンと一緒に味噌炒めにして、ビールのあてに。残り半分はさらに三等分され、サイの目切りにされた後、犬たちの胃袋に収まったのでした。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

クサガメを喰った話

2008-07-04 | つぶやき

「カメを噛め-クサガメ手強し」
                        by 洲澤育範

 谷川健一氏の著作に『日本の地名』という本がある。僕の暮らす田舎町には、この本に紹介される村が、北浦の山並みを縫う「えき(本谷筋から派生した小谷筋)」にある。里山の原風景を今に残す小さな集落だ。
 その集落に暮らす老人が、冬眠前のクサガメはうまいぜよと教えてくれた。話しをうかがうと、食物が乏しいからというわけでもなく、うまいから喰ったようだ。
 以来、僕の胃袋のヒダに「クサガメうまい」の思いがすりこまれた。

 ある年、冬の到来が早かった。僕たちはカヤックで海に出る準備をしていたが、強く冷たい北西の風に天候は荒れた。やむなくお茶でも飲み、今日は解散しましょう、なんて話していたら、携帯が鳴った。
 
「でかいクサガメ捕まえたけ食べようや」「お~仕事ながれたけぇ、持ってこいや」その日のツアー客は物好きばかりだったのか、誰一人帰らず、クサガメを待った。
 大出刃の刃を研ぎ、ブリキの薪スーブに火をおこし、たぶんクサガメ臭かろうとショウガとニンニクと唐辛子を準備した。

 強く冷たい北西の風のなか、でかいクサガメを下げた男がやってきた。彼は北浦の海に突き出した半島の突端で暮らしており、その集落でもクサガメを食べる習慣があったようだ。

 塩と酒でクサガメの成仏を願い、大出刃を取り出した。
 たしかにクサガメ臭いし、つるつるとすべる。スッポンと同じだろうと、甲羅と脇のあいだに出刃を落としたが、刃がたたない。それじゃ首を落とそうとしたが皮膚が硬く、やっぱり刃がたたない。
 鉈を取り出し、脇めがけて振り下ろすが、つるりとすべる。今度は二人がかりで、一人は鉈をあてがい、一人は鉈の峰をめがけ金槌を振り下ろした。
 てなことを一時間ばかりやって、ようやくクサガメは食材に姿を変えた。クサガメは卵を抱いていた。それはちょうど鶏の金管のようだった。捨てたのは上と下の甲羅。頭は地に還した。しかし、手間と個体の大きさにくらべ、食べられるところが少ない。両の手のひら軽く一盛りだった。

 ほんじゃ食べようかと薪ストーブに中華鍋をおき、胡麻油を落とした。胡麻油がゆらゆらとしたところで、バラバラになったクサガメを放り込んだ。あれれれれ。??????。誰もがあの沸き立つクサガメの臭い匂いを予想したと思うが、胡麻油と肉が焦げる香ばしい匂いだけだ。
 とりあえず塩を振り、小さな肉片を口に入れた。「臭くない…。あーっ、うまい!」。10人近くいた全員の口にはとてもまわりそうにないので、塩、胡椒のスープ仕立てにした。
 これがまた、あなた、いやはや、なんとも滋味深い上品なスープとなった。肉の食感といい味といい、生後1年程度の雄の地鶏を力強くした感じだ。
 その日の結論、「クサガメはスープに限る!」。また「クサガメを辿れば谷川氏の足跡も辿れる」かも? だった。

 おそまつでした。                        

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする