小さな栗の木の下で

保護犬のミニチュア・ダックスを引き取り、
小型犬との暮らしは初めて!という生活の中で、感じたことを徒然に…。

カヤの服を買う

2013-10-30 | 犬&猫との暮らし

 10月初旬に妹ファミリーと車で実家に行った際、カヤも一緒に連れて行った。私の車を妹のパートナーに運転してもらい、私はカヤを膝に抱いて後部座席に乗ったのだけど、発車して15分くらいカヤはブルブル震えっぱなしだった。
 毛を短くカットする前だったし車内は冷え込んでいなかったから、カヤの震えは恐怖によるものだったと思う。帰りも往きほどではなかったが、やはり車に乗せた当初はしばらく震えていた。

 目が見えないカヤにとって、どこかに連れて行かれることは、私が想像している以上に不安で恐ろしいことなのだと思う。もしかしたら散歩に出し始めたときも、私が気づかなかっただけで、実は震えていたのかもしれない。

 でも、毛をカットしたあとに外で震えていたのは、やはり寒かったからだと思う。「短い毛の犬がいくらみほちゃんの好みとは言っても、もともとカヤちゃんは長毛なのだもの」と千恵ちゃんにも言われ、酒井先生にも「そのうち慣れてはいくとは思うけれど、カヤちゃんが下痢をしたり体調を崩すようなことがあってはいけないので、服を着せることも柔軟に考えてあげてください」と言われたのだった。

 カヤがどういう経緯で繁殖犬にされたかは分からないけれど、繁殖にだけ使われて狭い檻の中で過ごし、四季折々の空気の中で思い切り走り回ったこともないから、筋力も体力もつかずにここまできたのだ。おまけに眼病に侵されて、痛いし見えなくなるしという悲惨な生活を送ってきたカヤを、いきなり冷気にさらすのは考えたら酷な話だな。

 カヤはソファーで眠りにつくのだけど、寒くなってからは夜トイレに起きて戻ってくると、私の横に寄り添って寝ていることがある。今朝も私の枕を半分占拠していた。

       

 暖かな毛布をかけて安心しきって爆睡しているカヤを見て、思わず「いいよ、いいよ。枕を貸すくらいお安い御用だよ」と呟いていたのだった。カヤにはしつけ云々より安らげる生活を与えてあげなくては!と思った。ブリーダーの所にいたときには清潔な敷き物も与えられず、人のぬくもりも知らなかったのだもの。服を着せるのは趣味じゃないなどと自分の好みを押し付けず、カヤの体調を考えてあげなくては可哀想だ。

 ということで、私のネックウォーマーを腹巻きのようにつけてやったのだけど、つけているうちにズレてしまって具合が悪い。そこで冬季外出用のセーターとTシャツを買ってあげることにしたのだった。ちょっと地味な色だけど、暖かそうな生地だったので1着買い求めたのでした。しかしながら、手の込んだ犬の服というのはなかなか値が張るものなのね。

          

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ボッチの新居

2013-10-28 | 犬&猫との暮らし

 昨日、ボッチに家を(と言ってもダンボール箱だけど)新しくした。今回ダンボールはスーパーで貰ってきた空き箱ではなく、ホームセンターでちゃんと買ってきたのだけど、それでも300円程度の安上がりな家である。ボッチは箱ハウスの上がお気に入りなので、今度も上に座っていられるように補強して爪研ぎも新調してあげた。

           

 今までハウスの上に設置していたダンボール製の爪研ぎは、研ぎ屑があちこちに散らかって掃除が大変だったので、今度は研ぎ屑がでないトレイタイプのカーペット製と木製の爪研ぎを強力両面テープで設置し、家の中には肌触りのよい暖かなボアの敷物も新しく敷いてやった。

 ボッチは気に入ってくれたようで(爪研ぎにはマタタビの粉を振りかけてあげたしネ)ひとしきり木製の爪研ぎに爪を立てた後カーペットトレイで丸くなり、カヤがうろうろしたり、トイレをする様子を上から眺めている。

 黒犬たちが使っていた大きな練り舟のトイレは廃棄してしまったけれど、相変わらずボッチはトイレシーツでしか用を足さないので、捨てずにしまっておいた小型犬用のトイレパレットがボッチのトイレになったのだった。

         

 カヤは手前の大きなトイレパレットに用を足しても、ボッチのトイレでは用を足さない。パレットの枠が足に当たるため、その中に入りこむことが怖いらしい。

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鬼太郎電車

2013-10-24 | つぶやき

 亡くなられたやなせたかしさんは、糸井重里さんとの対談の中で、手塚治虫さんや石ノ森章太郎さんの超人的な仕事ぶりを絶賛する一方、ご自分のことを「俺みたいなバカは、ただ生き残ってるというだけです」と言い、これからまだ十分に仕事ができる歳で亡くなった手塚さんや石ノ森さんに対して「残っているのは、俺と、水木しげるだよね」と語っていた。「自分も今は寝てばかりいるけれど、水木しげるも、寝てばっかりいるから生き延びてしまったんだよ」などと笑った。

 やなせたかしさんは、面白いことを言っては「あはは」と笑うけれど、決して威張ったり、人を見くだしたりしない。私のような凡人には分からないけれど、悲しみの本質を知っているからこそ、悲しみをきちんと表現してきたのだと思う。

 やなせさんがいう「正義」は、いかようにも解釈できて、発信する側によって異なるご都合主義の「正義」ではなくて、言い換えれば「変わることのない慈愛や思いやり」なのだ。アンパンマンは「正義の味方」というより「思いやりの化身」なのですね。

 一昨年、私はアンパンマン電車に乗ったのだけど、9月末には鬼太郎電車に乗ったのだった。鳥取県行く用があり、空いた時間に境港に足を伸ばしたのだ。
 境港の鬼太郎ロードには以前、取材の帰り道に立ち寄ったことがあるのだけど、そのときは車での異動だったので鬼太郎電車が走っていることは知らなかった。そういえば鳥取には鬼太郎電車も走っていたが、名探偵コナン電車も走っていた!それにも乗ったのだ、写真は撮らなかったけれど。

   

 奇しくも「よく寝る」という二人の巨匠の作品が描かれた電車に乗ったことになる。やなせさんも水木さんも、故郷のために一肌もふた肌も脱いでいるのですね。

 境港の駅前には水木しげるさんと鬼太郎、ねずみ男のブロンズ像があった。水木さん、鬼太郎、ねずみ男それぞれの性格がよく表れているポーズに感心してしまった。

          

 そして、鬼太郎ロードには、なんと砂かけ婆が歩いていたのだった。

             

 砂かけ婆の着ぐるみの中には観光協会の人が入っているのかしら。市役所の人かしら。

 その日は9月も末だというのにとても暑くて、半袖でも汗が流れたくらいなので、砂かけ婆はさぞ暑かったろう。観光客とともに写真に映る姿も、心なしか疲れているようだった。ぼんよよよ~ンってな感じ。
                 

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やなせたかしさん追悼

2013-10-23 | つぶやき

 昨日、休みが取れた文筆家の千恵ちゃんと高尾山に行った。二人で高尾山に行くのは2度目のこと。高尾山のお話はまた別の機会に譲るとして、その道中、13日に94歳で亡くなったやなせたかしさんの話になった。

 日曜日の午後、千恵ちゃんがBSでやなせたかしさんのインタビューの再放送をしていることをメールで教えてくれたのだけど、その番組のインタビュアーの問いかけ方がイマイチだったという話から、やなせさんの誠実さや懐の広さの話になった。

 やなせさんが編集・制作していた『詩とメルヘン』は、中学・高校を通して私の愛読誌であり、何度も詩を投稿した懐かしい雑誌である。あの頃、誌面を飾っていた葉祥明さんや黒井健さんは今では著名な画家、絵本作家になっている。

 一昨年、取材で愛媛県内子町を訪れた際に乗った宇和島行きの電車は、アンパンマンの絵が描かれたウキウキとした気持ちになる楽しい車両だった。

       

 やなせさんは高知県香美市にある実家の跡地を公園にして、そこに埋葬されることを希望していたという。お墓に置く石碑に刻む詩はすでにアンパンマンミュージアム振興財団に託されていたそうだ。

 東京新聞に、やなせたかし記念アンパンマンミュージアム振興財団が提供してくれたその詩が掲載されていた。亡くなられた方の“生きる姿勢”というのも変だけど、それでもやなせさんの生きる姿勢が表れている、やわらかで温かい思いに触れ、涙がこぼれた。

 柳瀬家はここにあった
 三百年以上続いた旧家だが
 今は影もかたちもない
 一族の墓石は
 後方の
 山の中腹にある
 ぼくはここでねむりたい
 故郷の土はあたたかい
 木蓮科のマグノリア
 一本の朴ノ木にぼくはなりたい
 季節には
 はにかみがちに
 白い花を咲かせて
 風の中でゆれていたい

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短毛になって寒いらしい

2013-10-20 | 犬&猫との暮らし

 トリミングが済んだカヤを迎えに行ったら、カヤの細い首輪に白い花がついた可愛いリボンが結ばれていた。

         

 かつて預かっていた犬たちの中にもトリミング後、被毛にリボンをつけて戻って来た子がいたので、トリミングルームではそういった慣習があることを知ったのだった。けれど、まさか自分がトリミングが必要な犬を飼うと思っていなかったので、そのことをすっかり忘れていた。カヤの場合は首輪に着けられていたけれど、直接毛にゴムでリボンが結ばれていた子もいたことを思い出した。

 私にとっては初めての経験だったので一応記念に撮影しておいた。トリマーさんは、トリミングが済んだ印に愛らしいワンポイントとしてサービスでやってくれているのでしょうから、有難く頂いて帰ってきたけれど、私には犬に着飾らせたり、リボンを着けたりする趣味がないので、気恥かしくてすぐに外してしまった。

 これからも可愛いリボンが溜まっていくことになるかもしれないが、せっかくわざわざ着けてくれるのだから、それでカヤを飾ることはなくても、カフェカーテンにあしらってみたり、グリーティングカードに付けてみたり、何か別の装飾に活用しようと思っている。

        

 イエローのラブの子犬のようになったカヤ。何だか嬉しい。やっぱり短毛の犬が好きなんだな、私。そう思う反面「ダメだなあ、まだラブラドールという犬種に未練タラタラで、カヤにそれを投影しているなんて」とも思う。

         

 昨日の朝はかなり冷え込んでいた。まだ大気が温む前にカヤを散歩に出したら、外でブルブル震えていた。薄着になったのだから、そりゃあ仕方ないかもしれないなあ。おなかの毛も刈ってもらったので、直接冷気にさらされて寒かったのだろう。

 長く美しい被毛が特長の犬種だけど、残念ながらカヤの毛は今後も短くカットしていくことになると思うので、慣れてもらわなくては……。これまでどんな状況下で飼育されていたか分からないけれど、室内外の気温差や環境にも上手に慣れさせていきたいと思っている。

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カヤ、初のトリミング

2013-10-18 | 犬&猫との暮らし

 うちの犬たちがお世話になっているさかい動物病院では、患者さんに限ってトリミングの予約を受け付けている。今日カヤはうちに来て初めて、ちゃんとトリマーさんにトリミングをしてもらった。
 
 凛とした感じの美人トリマーさんに「どのようにしますか」と聞かれて、「尿漏れもあるので短くカットしてください」と伝えると、トリマーさんは「では、可愛らしく短くカットしますね」とにっこり。

 一瞬「可愛らしい感じじゃなくてもいいのだけど」と思ったのは、先日うちに届け物に来た編集者のKちゃんが、外に連れ出して会わせたカヤを見て「ううん、オオタケさんのイメージじゃないですねえ。やっぱりオオタケさんには大型犬のほうが似合うなあ」と言っていたからである。可愛らしい犬は私には似合わないと言うのだ。

 私だって、そう思うよ。好みはあるけれど、まあ、この際、似合おうが似合うまいが1頭でも苦境から救ってあげられたら犬種は問わないよ。

 シャンプー&カットのほか爪切り、耳掃除などを含め、所要時間は2時間弱ということだったので、カヤを届けたその足で、昨年末にオープンした駅近くのミヤマ珈琲に行き、遅いランチを食べながら詩を書いて待っていた。

 頃合いを見て迎えに行くと、イエローのラブラドールのように短くカットしてもらって、すっきりしたカヤがトリマーさんに抱かれて出てきた。「ああ、プロの技術は違うなあ」と感心してしまった。トリマーさんはカヤが嫌がったり動いたりせず、とても大人しく施術されていたと言っていたけれど、それは嘘ではないと思う。

            
            おかげでこんなにすっきり! 


 カヤがすっきりしたのはいいのだけど、コッカーはトリミングが面倒な犬種のため、代金は7,000円ちょっとかかり、お財布の中もすっきりしてしまった。トホホ。 
 私のカット代よりはるかに高い。要トリミングの長毛犬種はこの出費を考えておかなければいけないのだな。これから足裏は自分でバリカンをかけ、すっきりカットはせいぜい2カ月に1度にしようっと。

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久しぶりにペット保護シェルターへ

2013-10-17 | 犬&猫との暮らし

 昨夜ひと仕事終えたので、今日は午前中カヤと出会った保護シェルターにお手伝いに行った。実に4カ月ぶり。

 朝はエサやりから犬舎の掃除、お散歩で特に人手がいるとのことだったので、私は9時前にはシェルターに入り、犬舎の掃除から手伝うことにしている。犬舎の中はウンチやオシッコで大変なことになっているので、喜んで飛びつくワンコたちを制しつつ手際よくそれらを片付け、新しい新聞紙やペットシーツに敷き替え、飲み水を替えてあげるのだ。

 今日は、カヤの引き取りについて代表の方に口添えしてくださった先輩ボランティアさんとも会え、お礼を言うことができた。その方は毎日のように早朝からシェルターに入り、朝のエサやりから掃除などをこなしている。その方もこのシェルターから何頭か引き取っているらしい。

 カヤと一緒に倒産したブリーダー保護されて来た姉妹犬のマリンちゃんは、まだ里親が決まらずシェルターにいて、切なかった。カヤと一緒に引き取ってあげられたら、カヤの刺激にもなるのかもしれないが、カヤと同じように乳腺腫瘍があったり、何か疾患を持っていたらやはり治療が必要になるし、これからカヤにどれくらい手がかかるか分からないので、安易に引き取ることはできないと思って心を鬼にしたのだった。

 
 飼ったからにはできるだけのことはしてやらなければならないと思うから、体力、気力だけでなく、経済力も考慮しなければならない。生き物に対しては「こんなはずじゃなかったので手放す」などという甘い姿勢は許されないもの。

 マリンちゃんは目が見えているようで、私のあとにちょこちょこ付いてくるし、カヤと同様、とても性格がいい子だ。きっとカヤと同じようにぶたれたりせず、人を嫌ってはいないのだと思う。シェルターにいる犬猫は人懐っこい子が多い。それだけ可愛がってくれる人を求めているのだ。

 里親を求めている、愛らしい犬たちがたくさんいる。下のURLは里親を募集している犬たちのページですが、可愛いニャンコも保護されている。ブームを反映してか、ブリーダー倒産の保護犬にはトイプードルが多い。悪質なブリーダーやブームを後押ししているのは、深く考えもせずに人気犬種に飛びつく人達であることも忘れてはいけないと思う。

 http://www.petsatooyakai.com/#!dogs/csep

 今日は20個くらいの犬舎を掃除してから、ゴールデンと犬種は分からないけれど、大型の年老いた猟犬のお散歩をしてきた。ゴールデンはまだ若いオスで引きは強かったけれど、上手に散歩することができ、爽やかな秋風のなか、とても気持ちがよかった。
 大型犬にしつけを入れながら散歩するのはやっぱり楽しい。コミュニケーションを取りながら、ぐんぐん歩く心地よさを久しぶりに味わうことができて、今日はとっても満足!


 帰宅するとカヤが喜んで、ぐるぐる回っていた。カヤにマリンちゃんほかシェルターの仲間の報告をして、今度はカヤとたくさん遊んでやったのでした。

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カヤ、お散歩で排泄

2013-10-14 | 犬&猫との暮らし

 昨日に続いて、今朝もカヤはお散歩に出たときに人並みに、いや、違う、犬並みに外でウンチをした。朝、エサを食べた後だからということもあろうが、やはり外でするほうが気持ちがいいのだろうか。緊張して排泄もできないという訳じゃないのだな。よしよし。

 カヤが外で立ち止まったときには、横にしゃがんで励ますこともあるのだが、そうすると膝に伸びあがってきて抱っこしてもらおうとする。私はカヤの両前肢を握って地面に置き「怖かったら家に戻るから、もう少し頑張ろう」と声をかけ、そこでは決して抱っこなどしない。 
 抱き癖・抱かれ癖はよろしくないと思っているので、散歩の無理強いはしないが(散歩と言ってもまだ20mくらいの距離しか歩かないのだから)歩ける所は頑張って歩かせている。

                  
                  
 晩年ブナが昇れなくなったスロープも、初めは路面の傾斜に何となく不安だったようだが、誘導したらあちこち匂いを嗅ぎながら、ちゃんと昇れるようになった。

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お散歩の練習

2013-10-10 | 犬&猫との暮らし

 目が見えなくても、カヤにはリードに慣れておいてほしいと思っていた。ちゃんと歩けるのに抱かれてしか移動できないのでは不本意だろうと思うし、両手が塞がってしまうのは私にとっても何かと不便である。

 初めは、ある程度信頼関係が築け、猛暑の時期が過ぎたら、散歩に出そうと思っていた。単純に外を散歩する気持ちよさをカヤに味あわせてやりたいと思ったからだ。
 
 けれど、ふと「カヤはそれがいいのだろうか」と思った。私は目が見えるから、色とりどりの草花や美しい風景に心を和ませるけれど、目の見えないカヤにとって外の世界は恐怖でしかないのではないか。リードウォークに慣れてもらうことは必要だけど、散歩をさせることは逆にカヤのストレスになるのではないだろうか。

 いずれにしても、ワクチン接種や狂犬病の予防接種は受けておかなければならないので、ひとしきり考えたあと、ワクチン接種の際に酒井先生に相談してみた。
 先生は「肥満を予防する意味でも筋肉をつける意味でも散歩は有効だけれど、もし外に出したときに固まってしまって動かないようなら、無理に散歩に連れ出さなくてもいいのではないかと思います。あくまでもその子の様子を見ながら判断すればいいのではないでしょうか」とおっしゃった。

 そのとおりだな。もしカヤを外に出して固まってしまうようなら、散歩を強要することはやめよう。少しでも興味を示すようなら、少しずつ慣らしていこう。外で盲導犬が人の目になっているように、私がカヤの目になってあげよう。そうするにしてもリードする私を信頼できなければ怖いばかりだろうから、信頼にたる練習をしてあげようと思った。

 そう思って、10月から少しずつ散歩の練習を始めたのだった。
 引き取ってからのカヤを見る限りにおいて、目が見えない割には臆病でもなく、何でも受け入れていこうとしているように見えた。もしかしたら散歩にも慣れるかもしれないとも思っていたが、予想どおりカヤは震えて固まってしまうこともなく、私が足を叩く音とわずかに引くリードの強さに反応して路上をしずしずと歩き始めた。


             

 リードを持っているため室内で誘導するように手を叩けないので、もっぱら太ももの脇を叩く音で誘導する。数日間はそろりそろりと歩いていたけれど、今日などはかなり軽快に歩き、しかも数十メートルも歩くことができたし、うちの玄関からマンションの廊下を歩いて外に出ることもできたのである。

 道行く人やマンションの管理人さん、居住者の方が声をかけてくれると、短いしっぽをプルプルと振って応えている。もっとも犬がしっぽを振るのは喜んでいるときばかりではなく、緊張による場合もあるので、よく観察してあげなければならないし、カヤは何度かあくびをすることもある。
 これは自分を落ち着けるための犬のカーミングシグナルのひとつなので、あまり何度もあくびをしたときは近付いて一緒に座り、なでてやることにしている。

 カヤはとても性格のいい子だと思う。人の手を恐れていない。多分ブリーダーのところで、ぶたれたり、こづかれたりしたことは、そうそうなかったのではないかと思う。繁殖犬として強制的に子どもを産ませられてはいたけれど、交配・出産によって人の手に触れてもらっていたはずだ。目の治療はしてもらえずに辛い日々ではあったけれど、人に恐怖心を持つようなことはなかったのではないか。

 初め犬のフードにあまり関心を示さず、私が食べているものに興味津々だったので、酒井先生にそう言うと「人の食べ物(余り物)を与えられていたのかもしれませんね」とおっしゃった。カヤにしたら美味しい食べ物をもらっていたことになるのかもしれない。

 そんな交流の仕方は好ましいものとは言えないけれど、カヤは決して人間を嫌ってはいない。もともとの性格もおおらかで素直な気がする。素直に人を頼りにしていたからこそ、私に体を押し付けてきたのだ。カヤのそういった美質がカヤ自身を救うことになったのだ。それならなおのこと、カヤを裏切らないような信頼関係を築いていこうと思った。

        
        段差があるときは路面を叩き「だんさ!」と声をか
        けて教えてあげている。そのうち「だんさ」の意味
        も覚えてくれるだろうと思う

 こうしてカヤはリードウォークにも慣れ始め、日に日に散歩の距離を延ばしている。

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カヤの目の眼圧下がる

2013-10-10 | 犬&猫との暮らし

 カヤは、7月の末に右目の、9月初旬に左目の毛様体を破壊する処置を行った結果、痛みから解放されたからか、快活になったように思う。

 両目ともに眼圧が50を越えていたため、眼球が大きく腫れていたのが術後、眼球の腫れも引き、目が小さくなった。今は感染症を防ぐ点眼薬を1日2回さしてやっている。それも眼球が萎縮してしまった場合には必要がなくなるらしい。

         
   白内障が進み白濁しているカヤの目。声をかけると「何?」と首をかしげた


 水晶体が脱臼している可能性があると言われたのだけど、目が濁っていて、それも定かかどうか確認ができない。でも、痛みや頭重から解放されたのであれば、それだけで十分! 


 今はトイレの成功率95%くらい。夜中も自分でソファから降りてトイレの部屋まで行き、ちゃんと用を足して戻ってくる。排泄物を踏み散らかすことはなくなり、本当に手間がかからなくなった。ウンチも踏まないように歩いて来るのだもの、大したものだと思う。

 敷物の上で眠る心地よさも覚えたのだと思う。居る場所が決まってきた。もちろん私が居る部屋についてくるのだけど、その部屋の中でもカヤが寝転ぶ場所はカヤ用の敷物の上だ。
 当たり前のことのようだけど、広くもない犬舎内で食べることも寝ることも排泄も済ませていたカヤは引き取った当初、まさに「クソミソ一緒」という感じで、自分がしたペットシーツの上に寝転ぶことも平気だったのだもの。家庭犬らしくなってきたのだ。


 目下の問題は尿漏れかな。尿漏れは避妊手術をしたことで誘発されることがあると言われているけれど、カヤの場合は避妊手術をする前からだったので、ホルモンの関係ではないかもしれない。
 とりあえず「健全な尿路を維持するための」サプリメントを与え、どういうときにどれくらい尿漏れをするかを観察しているところです。

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