小さな栗の木の下で

保護犬のミニチュア・ダックスを引き取り、
小型犬との暮らしは初めて!という生活の中で、感じたことを徒然に…。

アルシオーネ君のトラウマ

2008-10-04 | 犬&猫との暮らし

 8月半ば過ぎに初めてグランドで会ったアルシオーネ君は、犬にも人にも懐っこい、愛くるしいパピヨンです。あのとき10カ月ということだったので、ぼちぼち1歳になる頃でしょうか。
 2週間ほど前の週末、早朝のグランドで黒ラブのグラッシーと3頭を遊ばせていると、ミックスのラブちゃんとアルシオーネ君がやって来て、それぞれに和気あいあいと遊んでおりました。
 そこへ少し遅れて、黒ラブのバウもやって来ました。近づいてきたバウに、なぜかブナが軽く威嚇をしました。「バウはあっちへ行ってて」という感じで…。クリはバウが来ると緊張し、ボールを投げてやっても取りに行きません。
 というのも、以前突然バウに噛みつかれたことがあるからです。クリが自分のボールを取りに走ったとき、いきなりバウが襲いかかりボールを横取りしたのです。クリは応戦せずキャンキャン鳴きながら逃げて来ました。もちろんバウの飼い主はバウを叱り、ボールを取り返してくれましたが、クリは右ほほに噛みつかれ、かさぶたが取れた跡は白髪になってしまいました。

 バウがほかの犬にケンカを売ったのを見たのは、クリが初めてではなく、少なくともそれまで3頭に傷を負わせているのを見てきました。その激しさはかなりのものでした。けれど、バウが本気モードで何もしない相手に噛みついているというのに、飼い主さんはあまり慌てている様子ではなく、いつも私はハラハラします。
 うちの犬たちはバウよりみな年上で、バウが幼い頃からお馴染みだったので、いきなりクリに襲いかかるとは思いもせず、いささか驚きました。それからというもの、クリはバウが来ると緊張します。
 で、バウはクリだけにとどまらず、その後、ブナにまでボールをめぐって襲いかかったことがあるのです。ブナをすぐに呼び戻し、ことなきを得ましたが、といっても後でよく見ると、やはりブナのほほも小さく噛みちぎられていました。普段、土手道で会うときにはそういうことはないので、ボールやおもちゃ(たとえ自分のではなくても)への執着や所有欲が強いのだろうと思い、うちの犬たちがボールで遊んでいるときにバウが来ると、みなを私のそばに呼び、ボールから放すようにしています。

 そんな、ちょっと予測のつかないバウが、和気あいあいとした仲間の所へやってきたので、ブナが追い払おうとしたのかもしれないと思っていた矢先、少し離れた所へ行こうとしていた飼い主さんからパッと離れたバウが、いきなりアルシオーネ君に襲いかかり、辺りは騒然となりました。
 アルシオーネ君の甲高い鳴き声、バウを制止する飼い主さんの声、もちろん私もバウを制止し、ほかの犬たちは緊張して固まっています。アルシオーネ君は細い後ろ脚を噛まれたらしく、びっこをひいています。血は流していませんでしたが、私は折れたのではないかと心配しました。何たって大きさが違います。ラブが大口を開けたら、パピヨンの頭くらいなら入ってしまうかもしれません。周りにいた犬の飼い主さんたちもみな心配してアルシオーネ君と飼い主さんを落ち着かせるよう、それぞれが声をかけました。

 その後、アルシオーネ君が身体に傷を負ったわけではないことが分かり、ほっとしましたが、確実にこころに傷を負い、大きな黒犬に恐怖心を抱くようになっていました。せっかく仲良くなったのに、あれ以来アルシオーネ君はうちの3頭を怖がるようになりました。バウよりひと回り小さい程度のクリでさえ、バウを敬遠するようになったのだから、あんなに小さなパピヨンなら恐怖心が先に立つのも無理からぬことかもしれません。いくら飼い主さんが「この子たちは大丈夫なんだよ。優しい犬なんだよ」と声をかけてくれても、アルシオーネ君のトラウマとなった黒犬の記憶は消えないようです。今朝もアルシオーネ君はもう以前のように、うちの犬たちに挨拶をしてくれませんでした。

コメント (2)
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