tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

自立を要請される日本経済と労使の対応

2017年01月18日 12時28分51秒 | 経済
自立を要請される日本経済と労使の対応
 昨年12月のアメリカFRBの利上げ決定の影響か、トランプ効果か、その複合でしょうか、円安に動いていた為替レートが、ここ数日急激に円高に転じてきました。連動して株価は急速な下げ基調です。

 昨年も、同様な状態で、年初に景気見通しが急変、株価も急落という事でしたが、このブログでも再三触れますように、今の日本経済は、まさに、円レート次第といった様相です。

 もちろん日本だけではありません。どこの国でも、自国通貨のレートには極めて敏感にならざるを得ないのが実情でしょう。中国然り、EU然り、心配の仕方は違っても為替レートの乱高下は、世界経済の安定に極めて有害です。

 特に最近のような、トランプさんのツイッター次第で機関投資家の思惑が変化するような 状態というのは困ったものです。しかし、現実問題として、こうした状態は今後まだまだ続くのではないでしょうか。
 
 日本経済は、こうした困った外部環境の変化にしっかり自立して対応できるような強固で強靭な体質を持たなければならないようです。

 しかし、残念ながら、アベノミクスは第3の矢で行き詰まり、日銀の異次元緩和の効力も、マイナス金利以来神通力を失い、現状は、年80兆円の国際買い上げという異次元金融緩和を際限なく続けるしかやることがないような困った状態です。

 幸い、真面目で勤勉な日本人・日本企業の頑張りで、日本経済自体は何とかこの荒海の中を、1億2000万人を乗せて頑張っていますが、激変する環境条件の中で、苦境に陥る企業もなしとしません。

 状況は大変難しいようです。この難しい状態を、何かと思い込みの強すぎるアベノミクスで乗り切ろうというのは所詮無理ではないかという感じを持たれる方も多いのではないでしょうか。

 対外政策も確かに重要ですが、安倍さんが各国を歴訪して胸を張れるのも、日本経済があらゆる面で確りしていて、訪問する各国のために「お役に立つことが出来ます」と言えるという実態があってのことです。

 今、その日本経済の内部が大変難しい状態になりかけているというのであれば、まず大事な事は、日本経済の立て直しでしょう。

 折しも、2017春闘の労使の主張も一両日中には出揃い、日本中の企業が、何らかの形で労使の話し合いを持つ時期に入ろうとしています。
 その話し合いの場で、どんな現実、どんなデータを中心に、どんな話し合いが出来るか、その内容、そのレベルが今後の日本経済を決めていくのでしょう。

 政府は自分の主観で春闘に介入するのではなく、労使に適切な情報を提供し、レベルの高い議論をして貰い、そこから政府の取るべき政策の在り方を学び取るような、民意を汲み取る政策を実践すべきではないでしょうか。

 日本の労使が積み上げてきた春闘の多種多様な知恵の中から、政府が学ぶことは沢山あるようです。トップダウンだけではなく、ボトムアップとの組み合わせが問題の本当の解決につながるというのもその一つでしょう。

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