tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

見えてきた・・・? トランプ経済政策の問題点

2017年01月05日 11時12分51秒 | 経済
見えてきた・・・? トランプ経済政策の問題点
 トランプ政権が、その力技でアメリカ経済を回復させてくれるのではないかという期待感でしょうか、「アメリカ経済は上振れか」などといった見方もあるようです。

 そうした中で、個別に企業の行動に変化が起きたり、規制緩和への見方なども逐次報道されて来ています。

 フォードモーターはメキシコ工場の建設をやめることにし、ミシガン州の工場を増強することになるようですし、GMもメキシコ工場の車は、ごく一部を除いてアメリカ国内へは持ってこないといいと弁明したりしています。

 勿論メキシコで生産したほうが、車の価格は安いわけですから、米国内で生産した車は高価格になる恐れがあります。
 国内に雇用が生まれ、雇用も所得も増えるのは確かに好ましいことでしょうが、光があれば影もあります。

 まずは衆目を集めやすい車が標的で、不法就労者と壁建設で話題のメキシコとの問題ですが、アメリカ企業は、あらゆるものを安い海外の労働力を活用して生産しているのですから、これからこういった問題をどこまで広げるつもりなのか、それによる国内製品のコスト高をどうするかです。

 アメリカの高コストへの対策はドル安が最も簡単な手法ですが、トランプ新大統領の思惑は那辺にあるのでしょうか。

 アメリカ経済の上振れといった意見の出る最大の要素は、新政権がインフラ投資1兆ドルと、老朽化したインフラ整備の積極化を謳っている事にもあるでしょう。
 しかもそれを政府資金でなく、民間資金でと言っています。アメリカ国内でも、そう巧くはいかないという意見が多いようですが、アメリカは、もともと経常赤字の国です。

 コスト高・経常赤字の国で、国内経済活動を活発にすれば、その資金は海外依存という事になる可能性はさらに大きくなりそうですが、それを読んででしょうか、トランプ氏は、金融の規制緩和を主張しています。
 サブプライムローンからリーマンショックで大失敗した経験から金融機関の自己勘定売買を規制するボルカールールを基調にしたドッド・フランク法が作られましたが、それを見直す意向と言われます。

 金融規制の緩和で、世界中から金を集め、それで米国のインフラ投資にというのは素晴らしい発想ですが、まさに「アメリカ・ファースト」の権化のようにも見えます。
 これこそトランプ流錬金術なのかもしれませんが、何かいろいろな問題が、これから出てきそうな気がして、(今はドル高、株価高騰に沸いている国も多いですが)先行きが余りにも不透明なのが心配になってきます。

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