tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

ギャンブルは賭博場で 3

2011年12月02日 10時34分35秒 | 経済
ギャンブルは賭博場で 3
 横道にもそれながら、今の経済活動のゆがんだ面を描写してきたつもりです。何でこんなことになってしまったのでしょうか。
 何度も述べますように、問題の基底には今の政界の政治、経済、社会のリーダー格であるアメリカの変心があると思います。

 オバマさんは「チェンジ」と言って当選しましたが、現実に結果を見てみれば、野球のチェンジと同じで、共和党と民主党が攻守所を変えただけで、やっていることは同じ野球だったということのようです。それで、みんながっかりしているのでしょう。

 私がアメリカの変心と言っているのは、資本主義の健全な発展を目指して、ブレトンウッズ体制を主導してきたアメリカが、次第に万年赤字国に堕し、その脱出の難しさから、1970年のニクソンショックを機に、安易なファイナンスでのやり繰りの道を選ぶようになり、経済のギャンブル化を認め、世界経済を混乱に陥れるような経済ルールをデファクト・スタンダードとして世界に通用させる役割に変わってしまった「変心」です。

 アメリカ経済の変化、ヨーロッパ経済の変化、そして日本を含むアジア経済の戦後の変化を眺めながら、経済というのは、その構造の変化(成功・失敗の原因・結果)やそれを説明する理論は、基本的な所では実は極めて単純なものですが、失敗しないようにすることは、社会的、政治的に大変難しいことだということです。

 それは人間の欲望が絡んでいるからです。人間の要望は社会の進歩にとって一番大事なものですが、もともと欲望というのは「いじ汚いもの」「他人に意地悪になりやすいもの」ですから、そこに落し穴があり、世の中上手くいかないのでしょう。

 繰り返しますが、最も基本的な部分だけ見れば、アメリカが本当に経済力を持ち、自信を持って、世界経済を発展させることで、もう世界戦争などが起きない世界を作ろうと純粋に考えていた時が、自由世界(資本主義)が最も健全な時でした。
 1970年代以降、アメリカが経済力を落としながら、なお覇権の維持に懸命になった時から、資本主義に変化(ギャンブル化)が起きてきたということでしょう。

 そして世界もその堕ちた偶像、アメリカを、今なお頼っているのです。日本もその代表格でしょうか。 問題は、経済問題ではなく、政治、社会、権力、人の心の問題です。だから解決が難しいのだと思います。


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