tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

MMTについて種々考えてみましょう

2020年07月31日 20時38分46秒 | 経営
企業経営に置き換えてみると
 最近、米英系の某格付け会社が、日本の国債の格付けを「安定的」から「弱含み」に引き下げたそうです。新型コロナ対策で赤字国債を一杯出したからのようです。

 ところで、既に何回か取り上げましたが、国がいくら国債を出してもそんな事を問題にする必要はないというMMT(現代貨幣理論)というのがもてはやされています。

 今回は、経済問題というと難しそうなので、「企業経営」だったらもっと解り易いのではないかと思い、企業ならという設定をして検討してみたいと思います。

 A社はこのところ業績が上がらないので、借金をして新鋭設備などを入れましたが、運悪く水害で工場がやられ、再建でまた借金となりコンサルタントからこのままでは危ないと言われました。借り入れには返済期限があり、利息もかさむからです。

 日本政府は経済成長もままならない所に新型コロナや自然災害多発で、三十兆円も国債発行をしました。これは、「国民」からの借金です。
 しかし実際は日銀が市中から国債を買い上げているので、結局は「日銀」からの借金です。

コンサルタントならぬ格付け会社は、少し危ないと言いました。危ないのでしょうか?
 企業な場合は銀行に返済を迫られ、金利も取られるのですが、幸い、日銀は政府に借金を返せとは言いません。金利はありますが、ゼロ金利です。

 それに、日銀が金利を受取っても、日銀の儲けは国庫納付金という形で政府の収入になるのですから、日本政府としては、日銀からの借金は金利がないのと同じです。
 ならばなまじ国民から借金などせずに、直接日銀から借りれば簡単です。

 日銀は通貨発行の権限を持っていますから、いくらでも政府に金を貸すことはできます。
 ですから、自国通貨建て国債を発行する限り、デフォルト、支払い不能になることはない、というのがMMTの基本的な考え方です。

 カネはいくらでも借りられる、利息は自分の収入になって戻ってくる、それなのに健全財政をやれという必要があるのか。という事になるのでしょう。

 しかし、それなら、政府は日銀から、いくらカネを借りてもいいのかというと、やっぱりそれは程度問題だろうという気がするのが普通です。
 もし、A社が、実は膨大な資産家の社長の趣味のための企業で、必要とあらばいくらでもカネをつぎ込もうとか、利息は要らないとか、利息は取るけど、その分は出資金に切り替えようかなどということだったら、政府と日銀の関係に似てきます。

 しかし、例えそうであっても、その趣味の企業が、余りの金食い虫で、目指すような成果が上がらなかったらだったら、その資産家社長はA社を解散して、別のもっと思い通りの結果を出す会社を作るでしょう。 

 つまり、カネは食っても、それなりに「目的に叶う」企業だったら、その資産家もA社を楽しんで続けるでしょう。ところで、日本経済では資産家社長に当たるのは「国民」です。

 国民が役に立つと認めれば、赤字国債を発行して、日銀が通貨を供給して経済を支えることを認めるでしょうが、余りに効率の悪い政策を、赤字ばかり出しながらやるようなことであれば、国民は無駄遣いだと感じて納得しないのでしょう。

 要は、赤字国債を出してまで実行した政策が、それだけの成果を上げてくれれば、国民は納得してくるのでしょう。
 その場合も、政府の日銀からの借金は増えるでしょうが、日銀は返せと言わないし、入った金利は国庫納付金になるので、差し当たって、問題ないという事になるのでしょうか。

 こんな目で見ると今の日本の財政はどうなのでしょうか。
すべては国民の判断で決まることなのではないでしょうか。

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