tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

改めて最近の物価問題を考える

2014年11月13日 11時37分53秒 | 経済
改めて最近の物価問題を考える
 IMFが日本の物価は実質的には0.2か0.3パーセントしか上がっていないと世界中に触れ回ったようです。
 何のためにやったのか解りませんが、2パーセントインフレ目標と言っている政府には有難くないことでしょう。

 IMFの言っているインフレ率は、消費税増税分や円安による輸入インフレ分(共に一過性)を差し引いた日本経済自体のホームメイドインフレということでしょうから、統計上ではGDPデフレーターから一過性のものを差し引いたものという意味でしょう。

 政府としては、今年度の経済見通し(閣議決定)のGDPデフレータは1.9パーセントですから、IMFから「全然ダメじゃないの」と言われているようなものです。
 もともと今年度の政府経済見通しの中でこの1.9パーセントは、3パーセント消費増税を考えれば、何か「中途半端」な数字で、いろいろ考慮したうえで、鉛筆を舐めたものでしょう。「閣議決定」というものも当てにならないもののようです。

 こうしたことが起こるのも、政府も官僚も「インフレの本質」を理解していないからのように思われます。
 今の円レートではデフレは起こること多分なくて(円高にならない限りデフレは起きません)、今後、日本経済の物価問題はインフレにということになるでしょう。

 では、インフレについてはどう考えるべきなのでしょうか。
 経済を長期的に見て、庶民にとって最も有難い状態は「物価はマイナスではなく、プラスで『なるべくゼロに近い』状態」ということが出来ると思います。
 インフレは2パーセントより1パーセントの方が、それよりも今の0.2~0.3パーセントの方がいいようです。今の状態こそベストに近いのです。

 2パーセント目標というのは、デフレ下のキャッチコピーとしてはいいかもしれませんが、2%が35年続けば物価は二倍になります。年金積立金に例を取れば、35年後には積み立てたお金の価値が半分になるという事です。その分金利が余計ついてくれるという保証はありません。

 政府としても、デフレを脱却した今、インフレに対する認識を確り考え直し、2パーセントなどという腰だめの目標は見直し、「インフレ率を低く保つことは政府の義務」ぐらいの信念を持って、IMFに対しても、「今がベスト」と胸を張ればいいのではないでしょうか。

 インフレにしなければ経済成長が高まらないなどという異論もあるでしょう、しかし、経済成長とインフレを連動させるのは実証経済学から見れば邪道です。
 多分、今後の日本経済が、それを証明してくれるでしょう。


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