tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

日銀は目指す日本経済の具体的イメージを

2023年12月21日 14時11分10秒 | 経済
先日の記者会見で日銀の植田総裁は、年末から来年にかけて一段とチャレンジングになると発言されました。
確かに、我々もいろいろなニュースから、これから少し変化の時期なるような印象を受けています。

10年以上も金融緩和一本でほとんど動かなかった日銀も、何かしなければならない時期になると感じられ、出口政策論気が賑やかな中で、日銀総裁が「チャレンジング」といわれる気持ちもわかります。

所がマスコミでは、この「チャレンジング」という言葉ばかりが大きく取り上げられ、これは出口に向けて動くことの示唆だという意見から、ただ難しくなるという意味での自覚も含めての発言といい意見までいろいろです。

その結果、その筋の専門家からはそれぞれに多様な解釈や解説が示され、問題を益々コンガラガラせているような感じです。

円レートは140円と150円の間を行ったり来たり、日経平均は1000円幅の上下を繰り返すといった状況です
マネーゲーマーたちは、これがビジネスチャンスとばかり、ボラティリティ―を高めてキャピタルゲインを追求するための格好の材料にしています。

マネー資本主義の時代だから仕方ないという事でしょうか、実体経済には迷惑なこうした活動を助長するのは日銀としても本意ではないでしょう。

そうした意味では従来金融政策以外あまり口にしなかった日銀が、今回の会合では来年の春闘での賃金決定に言及している事は大変結構だと思います。

但し、「賃金の引き上げを伴う物価の上昇が2%になるまで」という政府日銀の常套句では国民の具体的理解は困難でしょう。
物価上昇には必ず名目賃金の上昇は絡んでいます。賃金インフレ、輸入インフレ、便乗値上げの3大要因で物価は上昇するのです。

日銀の言うのは名目の上昇が主体になって2%のインフレという事でしょうが、アメリカの金利が上れば円安で日本の物価は上がります。アメリカの金利が下がれば円高になって、円安の影響(輸入インフレ)は消えるでしょう。

その時、春闘で名目賃金が上がれば、賃金上昇主因の物価上昇になるでしょうが、円レートの正常化、安定化は「日銀の仕事」でもあるのです。待つだけでいいのでしょうか。

日銀には、来春闘後が絶好のチャンスになるかもしれないという意味で、チャレンジングなのかも知れませんが、そう上手く行かない可能性も残るでしょう。

この辺りを少しハッキリ説明をすることで、日銀の考えているイメージが解り易くなるのではないでしょうか。

学者専門家の言葉は素人には解りにくいですが、何と何がこうなれば日銀はこう動くという望ましい筋道とビジョンを国民に分かり易く示してほしいといつも感じるところです。

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