tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

セキュラー・スタグネーション

2015年04月15日 16時14分52秒 | 経済
セキュラー・スタグネーション
経済学を学んだ覚えのある方なら、何となくこんな言葉も記憶しておられると思います。
 セキュラー(secular)というのは「俗世間とか世俗的」とかいう意味だと思っていたら、secular stagnation で「長期不況」だというので何となく違和感を感じられた方も多いかと思います。

 ものの本によれば、secularには「いつまで続くか先が見えない」という意味のあるそうで、第一次大戦後の世界不況の時期に A.ハンセンが唱えたことで有名なった言葉のようです。
 
 最近、バーナンキvsサマーズ論争で、サマーズが使ったので、「あ、そんな言葉もあった・・・!」と思い出された方も多いかと思います。
 金融重視のバーナンキと財政重視のサマーズという形のこの論争は別として、経済政策が金融と財政だけでは「道具不足」と考えていますが、この辺りは「なぜ今世界経済は不振なのか」のシリーズで昨年10月に書かせて頂きました。

 ところで、これからの日本経済ですが、セキュラー スタグネーションとは無関係な道を辿りたいと思いますし、それは十分可能と思っています。
 理由は今まで何度も述べて来た、日本人の真面目さ、勤勉さ、何かやらないと気が済まないエネルギーレベルの高さ、等など、日本人の特質にあるのではないでしょうか。

 顧みれば、第二次大戦後、焦土と化した狭隘な、資源の無い国土で再出発し、世界に類を見舞い高度成長を成し遂げた日本です。
 それまで世界が考えていた、経済発展のためには領土を広げ、資源を確保することが必要という思い込みを粉砕(未だにそう思っている国もありますが)し、経済を発展させるのは、国民の働き、という真実を実践して見せた日本です。

 今、ドイツも「インダストリー4」の掛け声で同様な実験を始めています。ヨーロッパを背負うドイツです、この試みも成功するでしょう。
 日本も負けてはいられません、そして多分負けないでしょう。

 Secular stagnation の現実化などという論争が、実は国民の働き次第でどうにでもなるのが一国の経済、というまともな論議に進化していくように、もう一度日本の力で、世界を驚かせてみませんか。
 それが現実になれば、日本は否応なしに世界から一目置かれる国になるでしょう。


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