tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

自由世界はアフガニスタンを育てられるか

2021年08月28日 14時14分50秒 | 国際関係
1973年のクーデターによる王制廃止、1979年のソ連侵攻以来、混乱を繰り返し、ISの拠点とされたりしていたアフガニスタンが、新しい国造りを始めることになりました。

政権を握ったのは、どちらかというと悪名の方が高かったタリバンです。イスラム教を奉じ、偶像崇拝を禁じるところから、2001年にはバーミヤンの大仏を破壊したり、イスラム原理主義のISを匿ったりといったニュースは世界に行き渡っています。

しかし今回、米軍撤退を機に一気に政権を握ったタリバンは、積極的に柔軟な姿勢をみせようとしているようです。

イスラム教の範囲内でといった表現はついていますが、イスラム教を奉ずる国はたくさんありますし、女性の権利や、種々の差別などについても、ソフトなイメージを打ち出そうという意識も持っている事は何となく感じられるところです。

タリバンにしてみても、単なる反抗勢力ではなく、一国の統治を、責任を持ってやらなければならない立場になってみれば、国内の平和、平穏を維持し、国連にも加盟し、経済発展のためには、先進諸国の協力をえなければならないということになれば、今までと違った、リーダーとしての責任を感じなければならないでしょう。

マスコミの報道からすれば、そうした意識は持っていると感じる方も多いと思いますが、同時に今迄の行動の在り方から見て、危惧を持つ国や人々も少なくないでしょう。

物事は総て、初めが肝心といわれますが、出来ることなら、この際、自由世界は、アフガニスタンを早期によい国に育てられるような積極的な政策を持つべきではないでしょうか。

日本が太平洋戦争で敗戦し、それまでの富国強兵、勢力版図拡張を目指す軍国主義から、平和を目指し、文化国家、科学技術立国を目指し、経済発展を政策目標とする国となる様、日本を指導し、支援し、協力してくれたのはアメリカでした。

今、アメリカは従来の政策に絡んで大変難しい立場にあるのかも知れませんが、多分バイデン政権はその辺はよく解っているのでしょう。

日本には、中村哲さんのような方が居られ、一民間人でありながら、アフガニスタンには大きな貢献をされ、タリバンも、中村さんには全く手を出さなかったという経緯もあります。(中村さんのペシャワール会は、既に現地で、活動徐々に再開とのことです。)

自由主義圏諸国や国連が、アフガニスタンの再建に向かって、良い国になるよう、優しく育てることに成功することを願っているところです。

このところ、世界中で、いろいろな形での紛争が多くなっています。政権がが独裁化する傾向も、あちこちで見られるような気もします。

ここは、民主主義、自由経済の国々が、国連を中心に十分に思慮深く、これからの世界の良き歴史づくりのために賢明な行動をしていくことが大切なのではないでしょうか。
アフガニスタンの現状はまさにそのチャレンジの第一歩になりうるように思われます。

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