tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

中村哲さんに生きていてほしかった

2021年08月18日 21時07分35秒 | 国際関係
中村哲さんは一昨年の12月、アフガニスタンでパキスタン系のテロ組織の銃撃を受け亡くなったと報道されました。そのニュースを聞き、そんな不条理なことがと思いました。

アフガニスタンで医療から始まり、潅漑、農業開発と日本政府でもできないような大変な貢献を、日本人として、個人の創意と努力でやっておられた中村さんがテロの凶弾に倒れたことは、日本にとって、大きな、大きな損失だったと思ったのです。

ソ連のアフガニスタン侵攻から始まって、東西対立という背景の中で、穏やかな王政の国から内戦の国になり、テロ組織との関連も言われる中で、一貫して現地の人々が安心して日々の生活を送れるように、医療から始まり、食糧がなければ健康な生活はできないと、潅漑から農業の振興まで、この地域では、アフガニスタンの生活が変わったと言われるほどの活動をされていたことは多くの人の知るところでした。

中村さんは、常に、タリバンだって、こんなに綺麗になった農地に銃弾を撃ち込むようなことはしませんよ、と言っておられたとのことですが、タリバンからも厚い信用を得ていたのでしょう。

中村さんの棺をガニ大統領もかついで感謝の意を示した写真を見ましたが、敵対する政府とタリバンの双方から、絶大の感謝と信頼を得ていた中村さんが、その、アフガニスタンの人々のためという純粋な気持ちで、もし今、アフガニスタン情勢が全く新しい段階を迎えた今です、あのままお元気で活動を続けておられたら、今後のアフガニスタンと日本の関係にどれだけ大きな財産になったか、本当に残念でなりません。

生前、中村さんは、日本が、海外派兵などの面で、「絶対に戦争はしない国」というイメージを薄れさせて来ていることが、何となく身の危険を感じさせるような気がしていると漏らしておられたとのことですが、あの時、それが現実になったのです。

嘗て、バングラデシュで、現地で食事中の日本企業の人達がISに襲われて殺害されました
その事件はこのブログでも取り上げましたが、「日本は戦争をしない国」、まさに人(畜)無害で、いろいろと役に立ってくれるのが日本人、というイメージを薄れさせた責任をとるべきは誰なのでしょうか。

アフガニスタンが、何とか良い国に生まれ変わってほしいと世界が思っている今、中村さんが生きておられたら、いかにこれからも日本への信頼の確立に貢献できたかを考え、言いようのない喪失感に駆られるというのが今の心境です。 (合掌)

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