tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

政治は混迷、経済は堅調

2017年10月02日 13時42分18秒 | 経営
政治は混迷、経済は堅調
 今朝、日銀から、今年9月時点で調査した「短観」(短期経済観測)が発表になりました。
 この夏以来、政治は混乱から混迷という所ですが、日本経済の方は順調に、ゆっくりながら、着実な上昇傾向で好況を維持しています。

 こうした状況を見ますと、日本の産業界は、政治の状況はどうであれ、邪魔さえしてくれなければ、健全な成長に向かって努力するという能力を備えているようです。

 今回の好況は2012年の12月から続いているという事だそうで、12月まで続けば60か月で、高度成長期、新3Cといわれた「カー、クーラー、カラーTV」の普及を背景に実現した「いざなぎ景気」(1965/11から1970/7の57か月を超えるのは、確実の様相です。

 安倍さんは自民党になれば景気が良くなる自賛していますが、今の景気の始まりは、$1=¥75から次第に円安が進み始め¥110がらみになった事によるもので、その前20余年景気が悪かったのは、これは、自民党政権の竹下登さんが、いわゆる「プラザ合意」円高を受け入れ、$1=¥240が$1=¥120になり、さらにリーマンショックで¥75まで円高になったためです。

 その意味では、日銀の白川総裁時代の末期、円安が進み始め、黒田総裁の「黒田バズーカ」で円レートが日本経済の実力に見合ったものになったことが今の好況のベースです。
 この関係は「 為替レートとゴルフのハンディ」をご覧ください。

 ご存知の方も多いと思いますが、実は、円高で景気低迷した「失われて20余年」の中でも、2002年から2008年2月(リーマンショック前)まで日本経済は、企業の必死の努力で業績回復を続け、当時は「いざなぎ越え」といわれました。

 この「いざなぎ越え」は、確かに景気下降ではありませんでしたが、上昇(例えば企業の増益幅)が微弱過ぎて、誰も好況とは感じない「好況感なき上昇」でした。それでもリーマンショック直前には「就職氷河期は解消」といわれぐらいまで行きました。

 リーマンショックはアメリカの不良債権を組み込んだ証・債券が、世界中の金融機関のB/S に大穴を開けたからですが、なかでも、相対的に健全視された¥が買われ、未曽有の円高を呼び、日本経済は改めて沈没するのですが、はっきり申し上げて、日本経済、日本企業は、為替レートさえマトモになってくれれば、政治がよほどの邪魔でもしてくれない限り、健全さを取り戻す力(生真面目さ)はあると思っています。

 今回の「短観」を見る限り、緩すぎる金融の副作用(一部の不動産市況など)などを覗いて、当面企業は健全な動きを続けそうです。
 政治の方は多少混迷しても、企業は頑張るでしょう。製造業の先進技術分野、特に日本企業の得意とするモノづくり分野の健闘が目立ちます。

 「国難」などという困った言葉が使われたりしていますが、混迷が嵩じて、本当の国難を呼んで企業の頑張りの邪魔をしないようにお願いしたいものです。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。