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消費税増税:メリットを生かし、マイナスを最小限に

2013年08月20日 21時18分31秒 | 経済
消費税増税:メリットを生かし、マイナスを最小限に
 消費税には、いろいろなメリットもあります。その辺もはっきりさせて、出来るだけ消費税増税を成功させるようにみんなで努力するということも必要でしょう。

 まず消費税というのは、非常に解り易い税金です。特に税率が一本であれば、先にこのブログでも1パーセントで3兆円と概算したように、誰でも簡単に税収が計算できます。
 税率が多様でいろいろな特例などがあり、増税・減税と言っても、その結果がいくらになるのか極めて解りにくい所得税や法人税に比べて、これは国民にとっても大きなメリットです。「解り易い」ということは税制の最大のメリットです。

 これだけ国債発行を減らすことが出来ましたとか、これだけ社会保障の財源が増加し、こんな改善が出来ましたという場合でも、国民が金額を把握していますから、財務省がごまかそうとしても(そんなことはないでしょうが)やりにくいでしょう。

 今、1500兆円と言われる個人貯蓄の多くは高齢者が持っています。安倍さんは、「金持ちに負担してもらって、困っている人に・・・」と言いますが、現実、資産の把握やそれへの課税は至難です。
 しかし、消費税の場合は、たとえ収入ゼロでも、贅沢な暮らしをしていれば、税金を沢山払うことになります。家計調査の年齢階層別でみると、高齢者の場合「所得と消費」の関係ないのが目立ちます。
 消費税は逆進的と言われますが、それは所得だけを考えた場合です。メタボの体脂肪のように日本経済を苦しめてきた過剰貯蓄是正の一助にもなります。

 政府にしてみれば、租税弾性値が極めて安定していますから、税収の不安定さが改善され、財政政策、経済政策がとり易くなります。
 同時にこれは、国民にとっても同じですから、政府と国民が「同じデータ」で意見を交わすことをより可能にします。これも大変結構なことです。

 最後にこれは、今年の7月26日の本ブログ「世界経済の混乱とアメリカの責任」に関わる問題です、健全財政、健全経済の国の通貨が投機資本の思惑で勝手に切り上げられるといった困った国際金融システムが解消出来ればなくなる問題ですが、日本にとっては大変大事な問題なので、付け加えておきましょう。

 輸出の減少や、国内での災害復旧その他の負担急増で、日本の経常黒字もかつてのように、毎年20兆円といった大きなものではなくなってきていますが、それでも年間数兆円から10兆円ぐらいになりつつあるのではないでしょうか。

 これがある限り、アメリカを始め赤字国は、日本にカネを出させようと考えるでしょう。慶州G20 の指摘のように、日本の経常黒字を減らしていくことは矢張り大事です。
 国債発行か、消費税増税か、あるいは国民の自主的な消費拡大かでこれを実現していく努力は常に必要でしょう。

 数字の解り易さをベースに、この問題を広く適切に論議し、それを経済政策に反映させることで、「円高デフレの失われた20年」を招来したり、その反動で、「インフレ、金利上昇、国債暴落、日本経済破綻」をまことしやかに論じたりして、国民の不安を殊更に掻き立てるようなことも、是非阻止してもらいたいものです。


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