tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

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単純労働者受け入れ問題:こんな国会論議でいいのか

2018年11月15日 18時14分50秒 | 政治
単純労働者受け入れ問題:こんな国会論議でいいのか
 この問題については去る11月3日に基本的な視点は述べたつもりですが、いよいよ国会での具体的な審議の段階になって、与野党の動きを見ていますと、問題が大変重要で、また微妙な点も多いことが広く知られた中で、こんな取り組み方でいいのかなといった感じを強くします。

 与党は、成立を急いで、中身は急ごしらえでも一応受け入れ業種や受け入れ人数なども出して、中身が無いという野党の意見については答えているように見えますが、業種と人数が出て形が出来ればいいという問題ではないように思います。

 この問題には前述しましたように、2つの大きな問題があることは広く知られています。1つは、今は人手不足でも、景気が悪化した時の準備が出来ているかどうかという問題、もう1つは、受け入れた人たちの文化的な統合をどう考えるかという問題です。
 
 安倍さんは移民の受け入れではないと言っていますが、外国人労働力を受け入れたからには、何時かはこの問題が絡んでくるのは常識でしょう。
 パート感覚で「要らなくなったらいつでも首が切れる(帰国させられる)」という前提で受け入れるのでしょうか。
 こちらはそう考えても、相手も同じ人間で、それぞれの希望や考え方を持っています。

 日本人でしたら、首を切ったで済むかもしれませんが、外国人の場合は、「帰国」という問題が付きまといます。「仕事がなくなったからどうぞお帰り下さい」で済むのでしょうか。
 
 実は受け入れ業種や人数の問題より先に、こうした人間を扱う時の基本的な問題を十分議論し、長期的な視点で後から「予期しなかった問題が起きました」というようなことがないように、与党と野党、さらには経営者団体、労働組合も交えて、出来るだけ納得性のある、日本にとっても外国にとっても、それぞれの労働者にとっても、日本の受け入れ方は理解できると言ってもらえるような方法を検討し準備するべきではないでしょうか。

 今の状況は、「今、人手が足りないから急いで入れるべきだ」という近視眼的な行動と、「そんな急いだ中身のないものは認められない」というごく単純な是か非かの与野党間の論争しか見えてきません。

 これでまた、本質論議のないままに、時間が来たから強行採決といった結末になるのでしょうか。そんなことでは、国民の、政府への信頼、国会への信頼は薄れるばかりではないでしょうか。

 モリカケや、カジノの様な事の繰り返しを今国会でも見るのかと思うと、国民はますます憂鬱になるのではないでしょうか。

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