tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

ソフトパワー・ハードパワー

2017年04月25日 11時48分33秒 | 国際政治
ソフトパワー・ハードパワー
 「ドラえもん」ではありませんが、昔から、子供の世界は、体の大きい、力もあって声も大きいジャイアンのような子が覇権を握ります。
 しかし小学校高学年、中学校と子供が成長するにつれて、力の強い子よりも、勉強が出来て面倒見のよい子などがリーダーシップをとるようになります。

 ガキ大将も、友達に勉強を教えてもらうようになると、そういう子には頭が上がらなくなります。
 単純素朴な社会では、力、つまり、ハードパワーが覇権を握りますが、社会が複雑になると力だけではまとまりがつかなくなり、知恵が必要になり、知恵の優れたもの、ソフトパワーがリーダーシップをとるようになります。

 ソフトパワーという言葉は、アメリカのジョセフ・ナイ(ハーバード大学教授、国務次官補などを歴任)が提唱し、国際戦略の中で定着した言葉です。
 ここでは、ハードパワーとソフトパワーを単純に「力」と「知恵」と表現してみましたが、私などはこのほうが何かしっくりくるような気がします。

 ジョセフ・ナイ自身、ソフトパワーの重要性と有効性を指摘しながら、現実には、両方の使い分けが必要としていますが、これは今の世の中に、まだ力に頼る人たちがいて、覇権を握るにはソフトパワーもハードパワーも兼ね備えなければ現実に成り立たないという人類社会の現状から来るところでしょう。

 今日の北朝鮮をめぐる状況は、改めて、そうした現実を我々の目の前に示したところですが、まさに力と知恵の組み合わせをいかにするかの実験場に、今我々は巻き込まれているということでしょう。

 こうした問題は。北朝鮮だけでなく、シリアやISの問題でも共通でしょう。そして今、知恵と力をどう組み合わせるかは、大きく「アメリカの判断」に依存しています。

 地球社会の本来から言えば、その判断は 国連の安全保理事会において行われるのが本来でしょう。地球人類の安全のために、国連の安保理は作られたはずです。
 矢張り問題は、国連を作り安保理を作りながら、それを機能させられない常任理事国の意見対立、拒否権合戦にあるのでしょう。

 今回は中国の歩み寄りが、何となくみられるような気がします。常任理事国の意見の一致は、いつになったら可能になるのでしょうか。
 これこそ人類の「知恵」が問われている問題ということでしょう。

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