tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

BRICKSの開発銀行設立

2014年07月17日 09時47分23秒 | 国際経済
BRICKSの開発銀行設立
 われわれ市井の人間にとっては突然飛び込んできたニュースですが、もう2年も前から進められてきたものだそうです。
 
 確かに、いまのIMF、世界銀行の中では、拠出額の少ない途上国は、余り発言権がないのでしょう。正直言って実体は知りません。しかしIMF第2位の拠出国の日本でさえ、異常な円高を強いられて、「失われた20年」を経験しなければならなかったことから見ても、新興国はIMFや世銀を「メインバンク」として頼りにする気にはならないのかなと考えてしまします。

 であってみれば、新興開発国が、それに代わる頼りになる国際金融機関を作ろうと考えるのも当然かもしれません。

 もちろん必ずしも主要国の横暴というのではなく、主要国の金融機関が、主要国が認めるマネー資本主義の中で、巨大なマネーを動かして新興国の経済に混乱をもたらすといったことも大きな問題でしょう。

 新興国はインフレになり勝ちです。マネーゲーマー達には、それはビジネスチャンスで、為替や金利の変動をより大きくし、そこからキャピタルゲインを得るのです。途上国の経済に与える影響より、自分のマネーメイキングが大事なのは言うまでもありません。

 ニュースを見て、私などは、新興国として当然の動きかな、などと思うのですが、BRICKSの中では、中国に主導権を握られるのを恐れているという事です。

 考えてみれば、アメリカが最大の拠出国で主導権を握るIMFが頼れないから、別の国際金融機関が必要という事なのでしょうが、そこで中国に主導権を握られてしまったのでは、IMFの二の舞になりかねないという心配もあるでしょう。

 外電では、アメリカの学者やマスコミが、「中国封じ込めが最大の課題」などと伝えていいますし、BRICKS自体も、それを避けるために拠出金額は平等にし、総裁はインドから出すことにしたそうですが、矢張り、本店は上海に置くと決まったようです。

 アメリカ自身が、国連をジュネーブからニューヨークに移し、IMF、世銀の本部はアメリカにおいて主導権を握る一方で、ユネスコやILOの本部はパリやジュネーブのままで、アメリカは都合が悪いと、脱退を言ったり、拠出金を支払わなかったりしているのですから、中国についての心配をアメリカが言うのは、極めて解り易いですね。

 アメリカはアメリカ、中国は中国として、私ども新興国の健全な発展を願うものとしては、此の新たの国際金融機関が、本当に新興国、途上国の役に立ち、頼りになる優れた金融機関として、順調に発展することを願うばかりです。


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