tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

デフレもインフレも心配

2013年01月15日 17時45分02秒 | 経済
デフレもインフレも心配
 報道によれば、日銀も2パーセントのインフレ目標を受け入れたようですが、こうした数字は、いわば気持ちの問題で、1パーセントならニコニコしていて、2パーセントになったら躍起になって抑えにかかるといったものではないでしょう。

 消費者物価についてそんなゲージで測るようなコントロールができ訳のものではありませんし、生鮮食品の分は除外しますとか、消費税引き上げの分は除外しますと言ってもそれほど正確には計れません。
 ただ、「長期に亘る」デフレとか「累進的に上昇する消費者物価」といった場合、出来るだけ早めに手を打つといったことを、十分心がけておくことは必要と思います。

 その為には、そうした質の悪いデフレやインフレの原因を熟知し、適切な判断を常に心がけることは大事でしょう。
 解り易く言えば、長期に亘るデフレの原因は殆ど為替レート(円高)にあり、傾向的インフレの場合は殆ど生産性の上昇を超える賃金上昇にあるといったようなことです。

 そういう意味でも、現状はまだデフレ傾向の方が強いと思われますが、$1=何円ぐらいデフレの傾向が消えるかなどは、差当たって論議の必要があるようです。
 多くの人が、それほど円安の進行が速いことに驚いているということかもしれません。
 とはいえ、こんなに簡単に円安になるのならもっと早くやればよかった、そうすれば、失われた10年はなかったと言えるようなものでもないようです。

 円相場も$1=¥90円の手前で足踏みしていますが、90円から3ケタ(100円)の大台を越える道のりはまだ手探りでしょう。
 インフレへの本格的な配慮はそれからという事でしょうが、今年の春闘でも、労働組合の態度は極めて慎重ですから賃金コストの問題は来年度は起きそうにありません。

 影響が出るとすれば、円安による輸入物価上昇の影響ですが、日本の輸入依存度はちょうど1割ぐらいですから、単純計算すれば、1割の円安が、そのまま全部国内価格に転嫁されたとしても国内価格への影響は1パーセントです。

 物価統計は輸入物価から、企業物価、小売物価、消費者物価まで、毎月発表されます。多くの人の目がそれを見れば、より真実に近いものが見え、本物の理解が進むでしょう。
 インフレにしてもデフレにしても、「一謙虚に吠える」ようなマスコミやミニコミの報道に惑わされるような事態が避けられれば、あまり心配するようなことはないと思っていいのではないでしょうか。


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