tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

日米安保条約とトランプ発言

2019年06月28日 12時11分15秒 | 国際関係
日米安保条約とトランプ発言
 突然に日本人を驚かすトランプ発言が飛び出し、考えてみれば、日本にとって、これから大変大事なことになりそうな気がしますので、今回はトランプ発言に関してです。

 日米安保条約が片務的というのはトランプさんに持論だそうで、菅官房長官は、直ちに「片務的ではない」と事務当局としては当然の反論をしました。安倍さんは何にも言わない方がいいということでしょう。

 トランプさんの頭の中では、かつての経緯はともかく、今重要なのは、アメリカが損をしているという「被害者意識」を米国民に植え付け、次期選挙に備えるという事でしょう。
 しかし、つい先日、同趣旨のことを、ブルームバーグが報道し、日米両政府が報道を否定したばかりで、大統領が言ったことをアメリカ政府が否定するというのはどういう事かと思っていたところです。

 ところが今度は堂々とした発言で、日本が攻撃されて、我々が命をかけて戦っている時に、日本人はテレビを見ていられるという説明までついているのですから、確信をもっての発言としか思われません。

 トランプさんの政治的思惑について、どうこういう気はありませんが、アメリカの中にこうした意見が根強くあるということについては、日本としては、将来に向けて確り考えなければならないのではないかと思う所です。

 なぜアメリカが、日本が平和憲法を持つことを良しとし、日米安保条約を結んだかといえば、「好戦的で、世界に戦争を仕掛けた日本が、まかり間違っても同じことを繰り返さないようにしなければならない」という強い意志からでしょう。

 しかし、今、日本は、「自分の意志で」戦争はしないという平和愛好国家になりました。そしてこれが本来の日本、 日本人の在り方と考えるようになっています。
 
 状況は全く変わったのです。第二次大戦後、世界の盟主を自認したアメリカは、日本を平和国家に作り替えるという素晴らしい使命感・義務感もあったのでしょう。
 そして、それが立派に成功したのです。今やアメリカは、やるべきことはやり終えたと考えても、それは自然かもしれません。

 一方、今のアメリカは経済力は落ち、万年赤字国で、自国第一主義に矮小化し、衰えるアメリカの経済力をあの手この手で何とか維持(回復)しようと苦しんでいます。
 そうしたアメリカの状態を見れば、「日本が、主権国として自ら平和国家であるべきだと考えているのだったら、あとは自分でやったらどうですか」と考えても必ずしもおかしくはないでしょう。

 トランプさんの頭の中は、もうそういう時期だろう、テレビを見ている日本人を、アメリカ人が命を懸けて守るのはおかしい、もし守ってくれというのなら、アメリカが戦争になったら、日本は当然アメリカとともに戦うべきだという論理になっているのでしょう。

 日本の歴代政権は、恐らくそこまで考えて来なかったでしょうし、「今の状態が片務的ではない」という菅官房長官の事務的な答えがその証左といえそうです。

 しかし、相手が「そうではない」といった場合の問題は残ります。恐らく日本はこれからその問題についても、しっかり考えて、きちんとした結論を出さなければならなくなるのではないでしょうか。

 今から遠い将来までの、誤りのない日本の在り方について、未だ日本人は真剣には考えてきていなかったのではないでしょうか。大きな宿題でなないでしょうか。

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