tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

要注意? ドル高・円安

2015年05月28日 10時40分04秒 | 経済
要注意? ドル高・円安
 $1=¥120がらみで動いていた円レートが、此の所、ドル高・円安に振れて来ています。今日は午前中に124円にのせました。

 アメリカがゼロ金利政策からの出口を模索中で、実体経済の改善が確実視されるようになれば、漸く出口到達ということで金利を引き上げようという姿勢を見せたころから、金利上昇・ドル高という思惑が投機筋に出てきたようです。

 イエレンFRB議長は実体経済の改善については慎重な見方のようですが、失業率の低下、消費マインドに見られる明るさ、乗用車の販売状況(一部にバブルとも言われる)などから「今のアメリカ経済は世界で一番元気」などという評論も出て、ドル高ムードが出ているようです。

 しかし、ここでもきっちり押さえておかなければならないのは、アメリカ経済の最近の好調も、経常赤字の上に成り立っているという決定的な事実です。これは既に40年以上変わっていません。借金による繁栄は決して長続きしません

 ドル高・円安の行方についての意見は、マスコミ上でも、ネット上でもたくさん出ています。しかしそうした意見のほとんどは、FXをやっている人たちのためにコメントしているもので、極めて短期的、マネーマーケット中心の見方で、実体経済は説明の味付け程度というものが多いように見受けます。

 しかも、これからもドル高が続くという意見も、年内には円高に戻るという意見もあり、中身は様々です。誰かが当たり、誰かが外れるのでしょう。
 あくまでも円・ドル相場の「予測」です。マネーマーケットは、日本経済、アメリカ経済がどうなればいいということではなく、相場を巧く読んで、カネが稼げればいいという世界でしょう。

 しかし、現実の企業経営や実態経済は、経営経済を安定的に良くしていかなければなりません。為替レートは妥当な水準で、安定することが最も大事です。

 マネ―の評論家もマネーマーケットも、政策当局の動きには常に注目し、敏感に反応します。
 政策当局は実体経済のために金融政策を考えているわけですから、予測や思惑が為替レートを乱高下させ、果ては実体経済を破壊するようなことにならないよう、きめ細かい配慮がますます必要になっているように思います。