tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

バーナンキ→イエレン:興味津々アメリカの選択

2014年02月04日 16時43分37秒 | 経済
バーナンキ→イエレン:興味津々アメリカの選択
 金融政策ですべては解決できると信じていたバーナンキさんの強い意志の結果でしょうか、テーパリングの継続は全会一致で決まり、アメリカの金融政策はささやかながら正常化の方向へ動き始めところで、FRB議長はイエレン女史にバトンタッチになりました。

 その途端というタイミングですが、アメリカの株式市場は暴落を始めました。そしてそれは、今や世界に波及しています。

 日本の場合は、貿易収支が大幅赤字になり、経常収支まで赤字になっても、アベノミクスが如何にモタモタしても、円は安全通貨という国際投機資本の認識は容易に変わらない様で、こうしたゴタゴタの中で円は買われ、$1=¥101ぎりぎりまで円高に振れ、日経平均も2000円ほど下げて来ています。

 安倍さんも、胸を張っていた第一の矢 (円安への転換)が目標まで届かず、途中で落ちてしまったら、アベノミクスのベースが崩れるので、内心はドキドキしているのかもしれませんが、オバマさんはもっと心配なのかもしれません。

 考えてみれば、ニクソンショック以来、アメリカがパックス・アメリカーナ維持のために推し進めてきた政策、貿易も金融も徹底して自由化し、世界中をアメリカ経済と同質に塗り替えて、世界の富や資源をアメリカが自由に利用できるようにしていくという構想が、今、最終的に問われ始めたのではないでしょうか。

 特に、金融自由化の中で生まれた鬼子とでもいうべき国際投機資本、マネー経済学というメカニズム(?)が、思わざる巨大な副作用を齎すことになったという点をどうすべきか問われることになったようです。

 アメリカ経済を元気づけようとして採用した、いわばドーピングの如き異次元の金融緩和は、ドルが基軸通貨であることから、新興国中心に世界経済へのドーピング効果を持つことになりました。
 その結果、アメリカの金融引き締めは、多くの新興国のマネー不足、ひいては経済活動を凋ませる事となり、アメリカ経済に実体的・心理的に多様な形で跳ね返ってくることになったようです。

 さて、バトンを受け継いだイエレン女史は、やりかけで去ったバーナンキさんの政策をどう引き継いでいくのでしょうか。 
 これは単にアメリカ一国の問題ではなく、アメリカが世界で如何なる立場に立つか、いかなる役割を果たすかという世界経済の構造問題です。

 幸い日本は、その影響を受けながらも、国民の意思と能力で、自らの実体経済をそれなりに守る力を持っていると思います。
 アメリカがいかなる選択するか、興味深く見守りたいと思います。