tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

平成26年度政府経済見通しを見る

2013年12月28日 12時30分39秒 | 経済
平成26年度政府経済見通しを見る
 さる12月21日に来年度の政府経済見通しが発表になりました。まだ閣議了解の段階で、閣議決定になれば、もう少し詳しい数字が出るのですが、物価関係の数字は出されていますので、全体をざっと見てみたいと思います。

 先ず名目経済成長率は25年度の2.5パーセント(実績見込み)より高く3.3パーセント(見通し・以下同じ)になっていて、消費税増税も含めて、物価上昇も含んでいるのですから上がって当然という所でしょう。
 ということで、実質経済成長の方を見ると、こちらは来年度は1.4パーセントで、今年度の2.6パーセントよりだいぶ下がる見通しになっています。

 消費増税による実質経済の減速を読み込んでいるのでしょうが、消費増税というのは民間のお金を政府が取り上げるということですから、民間の実質消費増にブレーキがかかることは当然でしょう。
 民間消費支出は今年度の駆け込み、来年度の減速なども含め、今年度の実質2.5パーセント増から0.4パーセント増に落ちています。些か読み過ぎの感じです。

 その分歳入の増えた政府が使ってくれれば、公的需要でカバーできるのですが、来年度の1.4パーセントの実質成長の内訳は、民間需要1.0(今年度1.6)、公的需要0.2(今年度1.1)、外需分0.2(今年度-0.1)、で合計1.4ですから、税金で召し上げる割に政府支出は増えないということになります。

 随分ばら撒き支出をしているように報道されていますが、支出は絞ってその分国債発行の減額に回すのでしょうか、後から補正で使うのでしょうか。政府の肚は解りませんが政府支出の実質GDPへの貢献は少なくなります。

 ずっとマイナスだった外需の寄与度が来年度はプラス転換ですが、円安の効果を見ているのでしょう。貿易収支は赤字続きですがどうなのでしょうか。
 海外進出企業の海外からの収益などを含めた経常収支は4.7兆円の黒字になっていて、今年度の4.2兆円より増えていますが、皆さまはどうご覧でしょうか。

 これはいわばGDPの使い残しですから、これを全部使えば来年度のGDPは0.9パーセントほど高くなるはずです。
 ただ最近の月々の経常収支の縮小と、此の所の国際関係の混乱を促進するような政権の行動や態度を見ますと、見通しは矢張り「見通し」かなといった感じも拭えません。
 折角持ち直した日本経済です、此の機会を「賢明に」活用したいものです。