tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

円高を止める具体的方法-1

2011年01月13日 12時14分35秒 | 経済
円高を止める具体的方法-1 
 昨日、財務省から次のような発表がありました。
・ 昨年11月の国際収支は前年同月比15パーセントの減少で3ヶ月ぶり。エコポイント終了前の駆け込み需要で、薄型テレビなどの輸入が増え、貿易黒字が47パーセント減少したのが主因。
・ 昨年の対外証券投資で、年間の中長期債の買い越しが、統計開始以来最高の22兆円となった。日本の銀行による米国債購入が増えたため。

 これをどう読むかですが、経常黒字の減少については現下の情勢の中では心配なことではなく、歓迎すべきことでしょう。できればゼロに近づくことが望ましいのですが、どうも減少は一時的要因のようで残念です。

 米国債については、経常黒字で貯めた金で米国債を買うしかない日本の銀行。日本人の貯蓄は日本の産業のために使って欲しいのですが、産業がダメなのか、銀行がダメなのか。これも、もともとは円高で、日本の産業も銀行もまともな仕事が出来なくなっているためです 。しかも持ち続けていれば円高で目減りするだけです。
 
 とめどない円高の悪循環が明確に出ている現象の中での「一断面」というのが正直な感想で、結局は、矢張り何とかして円高を止める方法を考えなければならないということでしょう。

 ということで本題に帰って、円高を止める方法ですが、すでに述べてきましたように、先ず日本経済の 万年経常黒字体質を変えることが前提でしょう。
 膨大な貯蓄と対外債権がある日本経済です、思い切って少し経常赤字を出してみませんか。国際投機資本の見る目も少しは変わるでしょう。

 政府経済見通しによれば、この所の年々の経常黒字幅は十数兆円です。これを減らす方法についてはすでにいろいろな意見が出ているように思われます。
 主なものを上げれば、
・ 思い切って国債発行を増やして、十数兆円の黒字を使いきる(一部の政治家)。
・ 賃上げをして消費を増やす、インフレになるだろうから、デフレ解消と一挙両得(内外の経済評論家)などです。

 これらは理屈はその通りでも、賛否両論があります。副作用も多いでしょう。その辺を検討しながら、もう少しよい方法を探してみましょう。