tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

カナダG7(2010/2)と金融規制論議

2010年02月05日 11時45分56秒 | 経済
カナダG7(2010/2)と金融規制論議
 いよいよ今日と明日、カナダでG7が開かれます。議題はいろいろあるようですが、このブログで取り上げてきている重要問題としては先ずボルカー・ルールと言われるオバマ大統領が提案した金融規制案でしょう。 (人民元問題も出るようですが。)

 ご承知のように、ボルカー・ルールは、投資銀行の自己勘定取引規制を中心に、プライベートファンド(いわゆる○○ファンド)やヘッジファンドへの投資や所有を規制し、今回の金融危機のような事態、(巨大金融機関が倒産、税金でその穴埋めをせざるをえないような事態)を防ごうというのが基本的な趣旨でしょう。

 このブログ流にいえば、「マネーゲームで キャピタルゲインを求めることが収益の源というような金融機関」は、経済社会とって、本来有害無益なものであるという、極めて健全かつ常識的な視点に立つものと考えられます。

 すでに過去のG20 でもこの方向ははっきりと示されているわけですし、その具体化のリーダーシップをとった良心的な提案ということができるでしょう。

 ボルカー氏は、そういった業務をやっているのはアメリカで数行、世界中でも30か40行、といっていますが、極めて少数のそうした金融機関が世界経済に巨大な変動を起こし、その過程で時にハイリターンを得、ハイリスクに直面すると税金で救済といったことを前提に業務を行っているという現実が見えてしまっている今日、規制は当然でしょう。

 金融機関は本来、付加価値を創る企業を金融的に支援するためのシステムで、商業銀行中心であり、投資銀行も本来の業務は、付加価値を創る企業を育成するために長い目で見て投資を行い、経済発展に(投資によって)間接的に貢献するためのものです。
 
 カナダG7は、7カ国の蔵相と中央銀行総裁の、社会正義実現への良心と、持っている識見の高さ(個人というよりその代表する国のというべきでしょうか)が示される場になりそうです。